【ライブレポート】Applicat Spectra、ネット&リアルを両立するシリーズライブ最終回、八王子Pを迎え音楽と映像のスペクタクルで8000人魅了

ポスト

▲八王子P
▲八王子P
Applicat Spectraが2012年11月より展開してきた、SOCIAL TV STATION 2.5Dとの連携イベント<Applicat Spectra LIVE STREAM「Netscapes」supported by 2.5D>が、2013年1月28日(月)でついに最終回を迎えることとなった。渋谷パルコpart1に移転した2.5Dスタジオにて、ソーシャルメディアを中心に活動する新進気鋭のアーティストをゲストに迎えたライブを、2.5Dを通じて生配信。そして、オーディエンスは映像配信による体感だけでなく2.5Dスタジオにて生体感も可能という、ソーシャル&リアルを両立する新たな試みを実現した同イベントの最終回は、映像配信の視聴者と会場に足を運んだファンを合わせてじつに約8000人超が目撃する大盛況となった。

◆Applicat Spectra、八王子P 画像

この日の2.5Dスタジオにまず登場したのは、“ボカロの貴公子”とも評される八王子P。ニコニコ動画での楽曲“殿堂入り”樹立を連発する人気クリエイターは、自ら駆使するDJプレイで強烈な音圧のエレクトロサウンドを放ち、2.5Dスタジオをクラブ的空間へ変貌させる。そして、メジャー1stアルバムのタイトルトラック「electric love」や、よりダンサブル&アッパーなアレンジで魅せた「Baby Maniacs」や「Weekender Girl」など人気楽曲を巧みに組み込んだセットリストに、ネット視聴者からもツイッター経由で「ネ申曲キター!」などと熱い反応が連投された。

そして、2.5Dスタジオは、Applicat Spectraの音色と、この日のVJを務めた吉田恭之が生み出す映像との美しい融合で染められる。刹那に消えるセントエルモの妖精、空を翔ける猫は気まぐれ……。オープニングナンバー「セントエルモ」の歌詞をそのまま視覚化するかのごとく、ステージ上の3面プロジェクターには幾線も連なる色鮮やかな光の筋が映し出され、その光線が重なって生まれた猫が空間を翔ける。「こうやって背景の映像を3人のクリエイターの方に作ってもらって、本当にその3人の才能に感謝しています」。ナカノシンイチ(Bass / Vocal / SamplingPad)は、前述の吉田恭之と、これまでの2回で共演したGraphersRockとUKYO Inabaの3人の映像作家陣への感謝を贈り、この<Netscapes>ならではの音楽と映像のスペクタクルを展開していく。

さらに、「イロドリの種」や「神様のすみか」を始めとする代表曲とともに、<Netscapes>恒例となった新曲披露もファンを喜ばせる。「モノグリフ」と名付けられた今回の新曲は、ダンサブルなリズム、アコースティックギター、シンセサイザー、ナカノが拳で打ち付けるパッドが鳴らすきらびやかな音色が融合し、かと思えば轟音ギターが炸裂。様々なサウンドエッセンスが絡まりあいながら壮大な雰囲気を演出する、じつに見応え十分なパフォーマンスだった。

「こうやって映像を使ってライブをすることが、結成したときからの僕らの夢でした。その願いが叶って本当に嬉しいです、ありがとうございます!」(ナカノ)。自らの夢を実現させた記念すべきイベント<Netscapes>、その締めくくりの1曲は「アルペジオ」だ。まさにタイトル通りのギター・アルペジオをフィーチャーしながら、分厚いバンドアンサンブルと繊細なメロディが溶け合いながら広がっていく、ダイナミックかつ美しい音世界。「ここが、僕らがずっと探してた場所になりました。本当に嬉しいです、ありがとうございました」(ナカノ)。この<Netscapes>を経て、彼らが次に目指すのはどんな場所なのか、さらなる新たな刺激を見せてくれる事を期待したい。

取材・文●道明利友

◆Applicat Spectra オフィシャルサイト
◆SOCIAL TV STATION『2.5D』 オフィシャルサイト
この記事をポスト

この記事の関連情報