【ライブレポート】vistlip、過去最大キャパのライブで宣言「みんなと俺たちの距離は変わらない」

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vistlip史上、最もダークで激しくて、尖った作品に仕上がったミニアルバム『GLOSER』を携えて、名古屋を皮切りにスタートした東名阪ツアー<vistlip oneman live FBA>のファイナル公演が2月1日(金)に東京国際フォーラムホールAで行なわれた。

◆vistlip 画像

過去、最大キャパの会場。しかも、ホール然とした会場で、彼らはどんなアティチュードでステージに立つのだろうか。そのことが最も気になっていたが、想像以上の攻めの姿勢。今の自分たちを叩きつけ、ステージと客席の距離を感じさせないアグレッシブなライブを見せてくれた。

歓声の中、暗くなった会場にモノクロのフィルムが映し出され、メンバーのシルエットが透けて見えるスクリーンを降ろしたまま演奏されたオープニング曲は『GLOSTER』の1曲目を飾る「Devil’s whisper」。ビルのイルミネーション、夜の高速道路の映像がクールで張りつめた空気感を持つ楽曲とシンクロしていく。その静寂は幕があいた「瞳孔」で一変。智(Vo)がシャウトし、瑠伊(B)が激しく首を振りながら、下手へと走って煽り、Yuh(G)がドラム台の上に移動し、ギタリストでもあり、もう1人のボーカリストでもある海がマイクに向かって言葉を吐き出す。スモークが派手にたかれた「Inbreed」では、海、Yuh、瑠伊の弦楽器陣がセンターのお立ち台にあがり、ヘドバンチューンを連発。

「今、ステージに立って、すごくみんなのことを近くに感じてます。俺らにとって最大キャパのホールになりますけど、まず、ここでできることに感謝したいと思います。ホールだろうが何だろうが、暴れ倒してライブハウスと何も変わらないカッコいいライブにしたいんで、今日は最後まで暴れていってください!」

男性の太い声援も飛ぶ中、ライブは徹底して攻撃モード。

Tohya(Dr)が力強いビートを刻み、瑠伊がスラップで応酬し、海がラップしながら自由奔放にステージを動きまわり、Yuhがギターソロでライトハンド奏法を披露し、智の色気のあるボーカルがvistlip流ミクスチャーサウンドを束ねていくステージは、まさにホールだろうがライブハウスだろうが関係ないと言わんばかり。MCでは、ツアーのタイトルに“FBA”と付けた理由はバンドの自己紹介ソング「FIVE BARKIN ANIMALS」に由来していることを智が話し、ツアーの核心に触れた。

「ずっと昔に出して、今でも演っている曲なんだけど、純粋無垢でがむしゃらにやっていた時代を封じこめた曲で、今回のアルバムを出すに当たって、昔みたいに暴れ倒してやろうって。変にカッコつけるんじゃなくて、ありのままの俺たちが音楽で楽しんでるのを伝えよう。そういうツアーにしようと思って、“FBA”っていうタイトルを付けたんです」

そんな言葉の後に「今の俺たちとみんなとの間の架け橋になるように一生懸命歌います」と披露されたのは、歌唄いの願いと切なさを綴った「影鬼」。ヘドバンして叫んでいたオーディエンスが静まりかえり、あたたかい拍手が会場を包みこんだ。

イントロで大歓声が上がった「CLASSIC OPERA」でも、ファンへの想いが届けられ、本ツアー初のTohyaのドラムソロへ。このために自分で作った曲をバックに流し、静と動が交錯するドラマティックなプレイでひきつけたあとは、客席を煽り、持ち前のエンターテインメント精神を発揮。ダンボール製の手作りのシルクハットをかぶって海のマネをしたり、会場の空気もすっかり、ほっこり。

そんなムードメーカー、Tohyaのソロをはさんでの後半戦は、メンバーからも笑みがこぼれ、解放のベクトルで『GLOSTER』の楽曲を中心にエッジのある激しい曲を連射。上手、下手へと入り乱れるメンバーのパフォーマンスはやんちゃそのもので、完全燃焼で本編終了。驚くべきことにvistlipは今までリリースしてきたシングルをほとんど演奏しなかった。

アンコールに応えた5人は、自分たちらしいライブをやりきっった手応えからか、口々に楽しいと話し、ライブが終わった後の楽屋招待企画の抽選をしたり、バラエティ的企画で笑わせたりと和気あいあい。変わらないバンドの想いを刻んだ「FIVE BARKIN ANIMALS」など計5曲を演奏し、ラストソングを歌う前に智が想いを話した。

「アルバムとツアーで伝えたかったことは、簡単なコトなんですけど、みんなと俺たちの距離は変わらないっていうこと。今日も俺はすごく近くに感じたけど、みんなはどうだった? ちゃんと向き合ったままで生きていってることを曲にして、歌詞にして伝えたかったわけです。ホントにみんなのこと、すごく思ってます。小さいところでやろうが、大きいところでやろうが、それだけは変わりません。それがホントに伝えたかったことです。忘れずにいてください」

そして“わかるかい? 無理矢理でも作品で伝えたい事を”と問いかけるバラード「夜」が最後に届けられた。

すべての演奏が終わったあと、メンバー全員が感謝の想いを述べ、みんなでジャンプして熱い夜は幕を閉じた。

終演後には、4月3日にリリースされる新曲「CHIMERA」が流れ、5月末に今日のライブを収録したDVDが発売されること、夏に3rdフルアルバムがリリースされることと、7月7日にはvistlip 6th AnniversaryとしてZepp Tokyoにてワンマンライブが行なわれることが発表された。

取材・文●山本弘子
写真●ITSUKI

<vistlip 6th Anniversary>
2013年7月7日(日)Zepp Tokyo
※詳細後日発表

Mini Album
『GLOSTER』
2013年1月1日発売

New Single
「CHIMERA」
2013年4月3日発売
【豪華ブックレット盤】初回生産限定盤
MJSS-09099 ¥1,890(税込)
仕様:デジパック仕様/16Pブックレット
[CD]
1. CHIMERA
2. Light up
3. inc.
4. CHIMERA(instrumental)
5. Light up(instrumental)
【vister】CD+DVD
MJSS-09100~1 ¥1,890(税込)
[CD]
1. CHIMERA
2. Light up
[DVD]
1. CHIMERA music video
2. CHIMERA making
【lipper】CD ONLY
MJSS-09102 ¥1,260(税込)
1. CHIMERA
2. Light up
3. System down
※初回封入特典:トレーディングカードランダム封入(全10種類)

LIVE DVD
2013年5月末発売
※2013年2月1日 東京国際フォーラム ホールA公演

3rd FULL ALBUM
2013年夏 発売


◆vistlip オフィシャルサイト
◆BARKS ヴィジュアル系・V-ROCKチャンネル「VARKS」
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