小澤征爾指揮の作品を擁するルネ・フレミング『ポエム』、グラミー賞「ベスト・クラシック・ヴォーカル・ソロ」部門賞を受賞

ツイート
第55回グラミー賞にて、米人気ソプラノ歌手のルネ・フレミングのアルバム『ポエム』が、「ベスト・クラシック・ヴォーカル・ソロ」部門賞を受賞した。このアルバムには、小澤征爾が指揮している1曲も収録されており、これにより小澤征爾にとっても初のグラミー賞受賞作となった。

◆『ポエム』画像

『ポエム』は2007年に松本で初演された作品の完全版を収録したアルバムだ。NYメトロポリタン・オペラを中心に活躍しているルネ・フレミングは、今最も人気のあるソプラノ歌手のひとりである。今回の受賞作には、2009年パリのシャンゼリゼ劇場において行われた現代フランスの作曲家アンリ・デュティユーの作品「時の大時計」の世界初演ライヴが収録されており、この伴奏指揮を小澤征爾が務めているのだ。

この作品は、2007年サイトウ・キネン・フェスティバル松本で初演された「時間 大時計」に、作曲家自身が補筆して完成させたもので、松本での演奏もフレミングと小澤征爾が共演している。長い指揮活動において、意外にも小澤征爾にとって初のグラミー受賞作ということになる。

今回の受賞を受けてサイトウ・キネン・フェスティバル松本のホームページには、小澤征爾からの歓喜と称賛のメッセージが寄せられている。

   ◆   ◆   ◆

小澤征爾総監督より

ブラヴォー!! ルネ、ブラヴォー!! マエストロ・デュティユー。ルネ・フレミングさんと松本で世界初演した曲が、こんなにも素晴らしい賞を受けた作品の中にあることを心から嬉しく思います。あの時の、心を込めて歌ってくれたルネの姿は本当に感動的でした。一緒に演奏してくれたサイトウ・キネン・オーケストラのメンバーも最高でした。
この曲の誕生をサポートしてくれたマネージャーのボニー・サルファティにも心から感謝しています。
とにかく、おめでとう!ルネ。また松本に来て、サイトウ・キネンの仲間とともに歌ってくれることを願っています。

   ◆   ◆   ◆

小澤が指揮した「時間 大時計」の作曲者1916年生まれのデュティユーは、97歳の現在もなお作曲活動を続けている。

ルネ・フレミング『ポエム』
2012年4月25日発売
UCCD-1322 2600円

◆サイトウ・キネン・フェスティバル松本ホームページ
◆小澤征爾オフィシャルサイト
◆ルネ・フレミング・オフィシャルサイト
この記事をツイート

この記事の関連情報