シングル「ショートケーキ」で2月6日にソロデビューしたAKB48・柏木由紀が、リリースを記念したライブ<柏木由紀 2ndソロライブ 『寝ても覚めてもゆきりんワールド ~夢中にさせちゃうぞっ~』>を2月17日、東京国際フォーラムにて開催した。

◆<柏木由紀 2ndソロライブ 『寝ても覚めてもゆきりんワールド ~夢中にさせちゃうぞっ~』> 画像

今回、柏木由紀にとって2回目のソロライブ。8つの衣装(ダブルアンコールの色違いのTシャツを含む)に身を包み、全18曲を披露した。また、ライブ内では「ショートケーキ」をはじめてフルサイズで披露したほか、生ドラム演奏、ゲストの押尾コータローとの競演、東京国際フォーラムのライブ史上最大となる10mのクレーンを使った演出などを用意。柏木がソロデビューの抱負として語った「AKB48の時とは違う自分をお見せします!」との言葉の通り、新たな柏木由紀の姿を見ることができた公演となった。

直筆で書かれたライブタイトルがステージ横の大型モニターに表示されるなど、開演前から、ゆきりんの温度が感じられるような会場。開演直前のゆきりんによる影アナで、集まった5000人のファンの期待感はいやがうえにも高まっていく。ちなみに今回のライブはシングル「ショートケーキ」購入者限定イベントであり、応募総数は7万件。その中の実に約7%の人だけが参加できたことになる。

始まりを告げる鐘の音が鳴る国際フォーラム ホールA。そんな幸運なファンの前に、ゆきりんワールドへの扉が今、開かれる。

バンドをしたがえてのライブ。しかも、ASKAや浜崎あゆみのライブでもおなじみの江口信夫(Dr.)や、シンガーソングライターとしても活躍する星村麻衣など、錚々たるミュージシャンが顔をそろえている。そんなバンドとともに、シングル「ショートケーキ」を彷彿とさせるリボンと、自身のサインにも入っているハートをあしらい、さらに大型パネルを後方にも設置して映像演出も存分に利用したステージセット。さらに6発のファイアーボールに金・銀テープ、天井からはバルーンが降り注ぐといった特効の数々。1stシングルのリリースイベントといってしまうには、あまりに豪華過ぎるライブである。

「<柏木由紀 2ndソロライブ 『寝ても覚めてもゆきりんワールド ~夢中にさせちゃうぞっ~』>にようこそ! やっ、立ってますね(笑)。1stソロライブをやった時は、『座って観てください』という最初の注意もあり、最初の3曲みなさん座ってたんですよ。それにものすごく緊張した私がいたってのがあったんですけども(笑)、今日は最初からみなさんが立って、すごい盛り上がってくれて嬉しいです。みんな、いや、こんな広い。えー、いっぱい(笑)。ありがとうございます。今日は、2ndソロライブですけども、ソロデビューしてからは初めてのソロコンサートになりますので、みなさんと一緒に楽しい思い出を作れたらと思います。」

「口移しのチョコレート」からはじまったライブ。ゆきりんは曲に合わせてセクシーな表情をしつつも、ソロライブを開催できた喜びが隠せない。続く「遠距離ポスター」と、アップテンポが楽曲が続き、会場は早くも大盛り上がりだ。なお、1stライブと同様、今回もセットリストはソロ曲やAKB48、フレンチ・キス作品から柏木由紀自ら選曲。またステージ演出についても自らアイディアを出したというこだわりだ。

さらに「いつものいきます! いつも、感謝。冷静に、丁寧に、正確に、みんなの夢が叶いますように。AKB、チームB」と、柏木由紀の声でAKB48ファンにはおなじみ、チームBの円陣での掛け声が会場に響く。オーディエンスもそれに声を重ねての「初日」。ゆきりんは「最初の3曲でこんなことになりました。もうね、完璧!」と、ファンとの一体感に満足している様子。




ライブにはスペシャルゲストとして「ショートケーキ」のカップリング曲のひとつ「桜の木になろう」で共演した押尾コータローが登場。自称“巷では無茶なお願いの柏木”と、ゆきりんは押尾に即興演奏をリクエスト。そこで押尾は、この日限定の「“カッコいいゆきりん”をイメージした曲」を披露。途中、フレンチ・キスの「カッコ悪い I love you!」を入れ込むといった遊び心溢れる超絶技巧プレイに大興奮のゆきりんと会場。「またぜひ、なんかやれたら……。」というゆきりんに、「今回、ふたりで(ライブ共演が)できるので、今度はゆきりんに曲を作りたい。」と押尾。するとゆきりんは「ぜひ。私も書く勉強します。秋元さんに教えてもらって。」と、作詞に挑戦することを宣言して、会場を沸かせる。そんな熱が冷めやらぬまま、今度はふたりで「桜の木になろう」をじっくりと聴かせた。

そのほか、「GIVE ME FIVE!」では、ドラムセットに座って叩きながらの生歌披露といった、可愛いだけではない柏木由紀の魅力も再認識させる一方、自分自身のデビュー前からのことが歌詞に描かれている「火山灰」では、会場を埋めたファンひとりひとりの顔を見るように歌いあげて、終盤、感極まって思わず大粒の涙を落とす。また「ジェラシーパンチ」からのメドレーでは、クレーンも登場。「クラス会の後で」でのミステリアスな女の顔で決めた後に、歓声に応えてつい見せてしまういつものゆきりんスマイルや、会場すべての人に手を振らんとするその姿など、ゆきりんの魅力がこれでもかと詰め込まれたライブとなった。

ところで、特筆しておきたいのが、本編最後に披露された「ギンガムチェック」。実はここで、ゆきりんはひとつアドリブを見せている。

曲中、フロアー前方のファンがステージにサイリウムを飛ばしてしまった。ライブの終盤まで握って、ずっと振り続けてきたこともあり、きっと手元から抜けて飛んでいってしまったのであろう、サイリウム。ステージ上の彼女やバンドメンバーに当たれば怪我をしかねない、危険な、ひやりとする一瞬だったが、幸いにもゆきりんの背面を通り、ステージの隅に転がっていった。

もちろん、ゆきりん自身もサイリウムが飛んできたことに気づいたはず。そして間奏では後ろを向いて、ステージの片隅、パフォーマンスに影響ないところに転がったことを確認していた。が、次の瞬間、彼女はそのサイリウムをさりげなく拾い上げ、片手に振りながら歌を続けたのだった。

自らの不注意でサイリウムを飛ばしてしまったファンは、手元からサイリウムが離れた瞬間、とても気まずい想いを抱いたことだろう。これまでの楽しかった時間が一瞬にしてすべて消し飛んでしまうような気持ち、といったほうがいいかもしれない。

アイドルとは、いかなる状況下においても、すべてのファンひとりひとりを笑顔にしてくれる存在である。サイリウムは邪魔にならないところに転がっていたので、拾い上げる必要はなかった。にも関わらず、ゆきりんは拾い上げた。それは、すべてのファンひとりひとり、不注意でサイリウムを飛ばしてしまったことで、周りの笑顔に埋もれながら、ひとり申し訳ない気持ちに沈んでいるファンをも笑顔にするため。

松田聖子や松浦亜弥、そして石川梨華といったアイドルに憧れ、アイドルになることを目標にし、その夢を掴んだ柏木由紀。それは、一生アイドルを続けていきたいという彼女の、アイドルとしてのやさしさが溢れ出している、そんなアドリブだった。

最後のMCで、会場の隅々までを見渡して、心に浮かんだことを言葉に変えていくゆきりん。これからも歌っていきたいと深々と頭を下げる姿に自然発生する大「ゆきりん」コール。温かいファンの声に包まれ、瞳を潤ませた彼女の表情は、まさに感無量。「びっくりするくらい全力で、空回りするくらい頑張る。」と、このライブから、またひとつ新しい柏木由紀の物語は始まっていく。


text by ytsuji a.k.a.編集部(つ)

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