【インタビュー】T.M.Revolution「支えてくれてるファンのみんなと培ってきた歴史を感じることができた」

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T.M.Revolutionデビュー15周年記念プロダクツの最後を飾る、セルフカバーベストアルバム第2弾『UNDER:COVER 2』が2月27日、ついにリリースされる。ファンによるリクエスト投票で選ばれた計16曲を、豪華ゲストを交えながら多彩に再構築。楽曲の新たな表情とともに伝わってくるのは、ファンや仲間との繋がり、音楽の楽しさ、T.M.Revolutionの無限の可能性。どこから聴いても心拍数が上がる強力作だ。今作の制作秘話からT.M.Revolutionの音楽性まで、西川貴教に話を聞いた。

◆ただやみくもに待ってもらうのは申し訳ないと思ったので。
正直、自分ができることは何でもしよう、という感じでした。


――いよいよリリースですね。

西川貴教(以下、西川):そうですね。完成してからもうずいぶん時間が経ってるし、一昨年(2011年)の年末ぐらいから機会があるごとにその時に見えている曲をちょこちょこライブで披露したりしていて。僕の中でもこの『UNDER:COVER 2』に入ってる形がその曲の姿っていうくらい馴染んでいるので、“あれ? まだ出てなかったのか”みたいな感じはありますけど(笑)。

――当初は去年の9月26日にリリース予定だったんですよね。

西川:そうなんですよ。ただ、海外との兼ね合いとか、いろんな事情があって、一時はいつリリースできるのかわからない状況で。それを考えると、出せるだけでもありがたいなと思っています。

――リリースが延びた間に、再度リクエストを募って1曲追加、全16曲にしたのは、今作がT.M.R.15周年から16年目にかかったプロジェクトである、という意味を込めて?

西川:それもありますし、何よりファンの人にね、ただやみくもに待ってもらうのは申し訳ないと思ったので。その期間を使って何かできたらいいな、というところから“じゃあもう1曲やるか”と。そうすることで、少しでも……丸呑みはしてくれなくても、結果的にリリースを延期せざるを得なかった状況を納得してくれる材料になればいいなと思って。正直、自分ができることは何でもしよう、という感じでしたね。

――本当にファン思いですよね。で結果、16曲目として制作された「Meteor -ミーティア-」は、完全生産限定盤のボーナスディスクに収録されることになったわけですけど。まず最初の15曲が決まって、そのラインナップを見た時は、どう思われましたか?

西川:今回は、前作の『UNDER:COVER』(2006年1月発売)に収録されている楽曲は基本、対象外だったので、ある意味“2番目に何が好き?”みたいなところじゃないですか。もしくは、前作の時にイチオシで推してたのにエントリーされなかったから“今度こそは!”っていう。そういう意味では、みんなの強い意志みたいなのを感じましたし。あと、前作ではシングル曲が圧倒的に多かったんですけど、今回は予想以上にアルバムの曲が入っていて。そういうところに支えてくれてるファンのみんなと培ってきた歴史みたいなのを感じることができましたね。

――16曲目に「Meteor -ミーティア-」が入ったことに関しては?

西川:「Meteor -ミーティア-」は前作にもエントリーされてて。でもインストゥルメンタルで収録したってことで、そこに対するみんなの反響が色々な意味ですごかったんですよ(笑)。そんなこともあったので、この曲は今回対象に入れたんですけど。やってる側としては、「Meteor -ミーティア-」ってシングルでもないし、現レーベルに移籍する前のレーベルで最後に作った作品で、ファンの方がどう受け止めてくださっているのか、イマイチわからなかったんですね。でも結果的にリクエストも多かったし、そんなに思い入れを持ってくださっていたんだ、と思って。そういえば(ライブで)全然やってなかったなぁって。

――それってファンの人達の意思表示ですよね。「Meteor -ミーティア-」もライブでやってください!っていう。

西川:そう。さっき言った“意志を感じる”っていうのはそういうことで。だから今後その想いに応えていきたいなって。

――それにしても……この『UNDER:COVER 2』、こだわり抜いた1枚になりましたね。全曲、編曲者も違えばゲストも多彩だし、贅沢だなぁと。この人選はどうやって決めていったんですか?

西川:あの……思いつきです。以上!(笑)

――はははははは。

西川:もちろん突き詰めていくと、その思いつきというか、ひらめきにも理由はあって。その曲の完成形をある程度イメージした上で、これだったらこの人だなっていうマッチングをしたり。

――じゃあ、曲ありきで。

西川:っていうのもあれば、人ありきのものもあって。布袋さんとかはまさにそうなんですけど。昔から布袋さんとは面識がありつつ一緒にやったことはなかったので、いつかセッションしたいなぁと思っていたんです。そしたら今回、岸(利至)くんっていう布袋さんとずっと一緒に音作りをしてる人が身内(abingdon boys school)にいたということもあってお願いしたら、快諾してくださった、と。

――その布袋さんがゲストで入っている「蒼い霹靂」は、布袋さんのギターと西川さんの歌が絶妙な絡みをみせる1曲になっていますね。

西川:おこがましいというか。でも布袋さんってすごく気さくな方で、こんなことを言ったらイヤな顔されるかな?っていう……例えば“This is 布袋!”的なリクエストにも楽しんで応えてくださったりとか。だからほんとに嬉しかったですし、参加していただいて光栄でした。

――「IMITATION CRIME」ではKEN HARADAさん編曲、RIZEのJESSEさんがゲストでラップを歌っていて。1996年リリースのこの曲が、“今”感たっぷりのクラブミュージックに変貌を遂げてます。

西川:この曲も人ありきで、前々からハラケンと「何かやりたいね」っていう話をしてたんですよ。で今回、ハラケンと何かやるなら「IMITATION ~」かなと思って、「ハラケンのカラーでガツガツやってよ」って渡したら、結構ブッ飛んだものが返ってきたんです。でも最初このデモを聴いたスタッフ陣はちょっと心配したらしく……。

――ここまでやっちゃっていいのか、と。

西川:うん。でも僕は「いや、全然いいと思う。これでいこう」って。誤解を恐れずに極論を言ってしまうと、T.M.Revolutionに“かくあるべき”みたいな音楽性は存在しないし、何をやってもいいと思っているので。で実際、この「IMITATION ~」も……これはデビュー以前からあった最も古い曲なんですけど、こういうハイブリッドな形になって、むしろハマリがいいというか、面白いんじゃないかなって。

◆何がT.M.Revolutionなのかっていう概念は、基本、僕が歌うことのみ、
みたいなところなので。これからもっといろんなことができるとは思います。


――今“T.M.Revolutionは何をやってもいい”という言葉が出ましたけど、the GazettEがゲストで参加している「SHAKIN' LOVE」なんかも、その言葉を体現するような曲になってますよね。すごく大胆なアレンジで。

西川:そうですね。「シェイク(SHAKIN' LOVE)」も「IMITATION ~」同様、デビュー前から存在している曲で。こういうファンのみんなが長く支持してくれたり、思い入れの強い曲に関しては、僕との関係性が見える人が触った方がいいんじゃないかなと思って、一緒に音作りをしてくれているIKUOくんと詰めていったんですけど。当初からスクリーモ的な要素を入れられたらなとは思っていたんですよ。ただ、曲がキャッチーなので、普通のスクリーモじゃ面白くないし、華が共存する声がいいなと。だとしたら身内だとRUKIかなぁと思っていたら、たまたま僕のレコーディングをやってくれているエンジニアさんがthe GazettEの作品も手がけていて。それでthe GazettEのメンバーも参加してくれたっていう。しかも、ドラムも先代のツアーメンバーである淳士が叩いてくれてたりとか。だからそういうファミリー感というか“繋がり”もね、アルバムを通じて感じてもらえたら嬉しいなと思います。

――そんな中、歌そのものに圧倒されるのが「vestige -ヴェスティージ-」で。もともと西川さんの歌のうまさは誰もが知るところですけど、それにしてもこの歌の表現力のすごさには驚かされます。

西川:これは松谷(卓)くんのアレンジも素晴らしいんですよ。だから僕もオケ録りの最中から、これは相当苦労するだろうなぁと思ってたら、案の定、ドラマの作り方というところでかなり体力を使ったというか。合計4本ぐらいしか録ってないのに、終わる頃にはヘトヘトになっちゃって(笑)。

――この歌なら体力を使うっていうのは解る気がします。

西川:まぁ推し引きがね、そこがミソみたいなところもあるし。だからこの『UNDER:COVER 2』っていうのは、今回で2作目ですけど、楽しんで作りながら、プラス、自分が前作から今作までの間にどういうスキルを身につけたのか確認する場所、という要素もあるなぁと思いましたね。特に「vestige -ヴェスティージ-」なんかは歌一本で勝負する曲だから、いちシンガーとしての力量も問われるし。ディレクションの仕方も含めて、今の自分のレベルを自己採点する場所にもなってるなぁって。

――ちなみに自己採点すると、今作はいかがですか?

西川:いや、まだできるなと。まだまだ先が長いなぁと。何年か先にまたこういうことをやるのかなと思うと、どういうことができるのか、またシッカリ見据えて頑張らなきゃいけないとは思いますね。

――“まだできる”……でも本当にT.M.Revolutionの無限の可能性を感じさせる1枚にもなってますよね。この曲がこんなふうにもなるんだ!?っていう。

西川:そうですね。何がT.M.Revolutionなのかっていう概念は、基本、僕が歌うことのみ、みたいなところなので。これからもっといろんなことができるとは思いますね。

――今、T.M.Revolutionは17年目に入っていますけど、今作が出て一区切りついたという思いは?

西川:うん、やっとですね。やっと一区切り。だから逆に言うと、早くオリジナルの新作を作らなきゃいけないなっていう感覚になっていて。今回の『UNDER:COVER 2』が“やりますよ”って言ってから足かけ3年かかっちゃったので。そういう意味では、リリースのペースをここ何年かで取り戻して、コンスタントにアルバムを出せるように頑張りたいと思ってます。

――もう20周年までカウントダウンが始まってますからね。

西川:そうなんですよ。ほんとにあっという間ですから。そこにはちょっとそろえられるようなものがあったらいいなと思っています。

取材・文●赤木まみ

T.M.Revolution
セルフカバーベストアルバム 第2弾
『UNDER:COVER 2』
2013年2月27日発売
【完全生産限定盤】
豪華LPサイズBOX仕様 [2CD+オリジナルアンダーウェア]
Type A ESCL-4019~4021
Type B ESCL-4022~4024
Type C ESCL-4025~4027
各8,000円(税込)
ボーナスCD(「Meteor -ミーティア-」収録)付
T.M.Revolution×BODY WILDコラボ オリジナルアンダーウェア Type A~C (レディースLサイズ)封入
※オリジナルアンダーウェアの絵柄はType A~Cの3パターン、それぞれレディースLサイズのみとなります
※このオリジナルアンダーウェア単体での販売はありません

【初回生産限定盤】
三方背BOX仕様 [CD+DVD]
ESCL-4028~4029 3,900円(税込)
DVD付(イナズマロックフェス2012より、T.M.Revolution LIVEの模様を収録)

【通常盤】
初回分のみ三方背BOX仕様 [CD]
ESCL-4030 3,059円(税込
初回仕様分のみ リクエストハンドルネームのクレジット入りポスター封入

◆T.M.Revolutionオフィシャルサイト
◆T.M.RevolutionオフィシャルTwitter
◆T.M.RevolutionオフィシャルFacebook

<T.M.R. LIVE REVOLUTION'13 -UNDER:COVER2->
2013/06/01(土)ハーモニーホール座間
2013/06/02(日)ハーモニーホール座間
2013/06/05(水)NHKホール
2013/06/06(木)NHKホール
2013/06/09(日)ベイシア文化ホール
2013/06/12(水)札幌市民ホール
2013/06/15(土)名古屋国際会議場センチュリーホール
2013/06/16(日)名古屋国際会議場センチュリーホール
2013/06/26(水)長良川国際会議場メインホール
2013/06/29(土)市民会館崇城大学ホール(熊本市民会館)
2013/06/30(日)福岡サンパレス
2013/07/03(水)滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール
2013/07/06(土)神奈川県民ホール
2013/07/07(日)神奈川県民ホール
2013/07/10(水)千葉県文化会館
2013/07/12(金)サンポートホール高松
2013/07/13(土)神戸国際会館こくさいホール
2013/07/15(月)静岡市民文化会館 大ホール
2013/07/17(水)盛岡市民文化ホール
2013/07/20(土)新潟県民会館
2013/07/21(日)富山オーバード・ホール
2013/07/24(水)レザンホール(塩尻市文化会館)
2013/07/27(土)サンシティ越谷市民ホール
2013/07/28(日)NHKホール
2013/08/02(金)フェスティバルホール
2013/08/03(土)フェスティバルホール
2013/08/17(土)上野学園ホール(広島県立文化芸術ホール)
2013/08/18(日)上野学園ホール(広島県立文化芸術ホール)
2013/08/24(土)両国国技館
2013/08/25(日)両国国技館
2013/08/31(土)仙台サンプラザホール
2013/09/01(日)仙台サンプラザホール

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