【ライブレポート】ステレオフォニックス、「サウンドはよりビッグでエッジーに」

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ステレオフォニックスが3月4日(月)、ニュー・アルバム『Graffiti On The Train』のリリースにあわせ、ロンドンのElectric Brixtonでパフォーマンスした。アリーナ/スタジアム級の彼らにはレアな、収容人数1,500人という親密な会場ながら演奏は当然のこと、ライティング、ヴィジュアル、セットリストどれも手を抜かない渾身の力がこもったスペシャル・ギグだった。

◆ステレオフォニックス画像

phot by George Chin
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バンドはこの夜、「The Bartender And Thief」「Maybe Tomorrow」「Dakota」などの代表曲にまじえ、『Graffiti On The Train』の収録トラック10曲すべてをパフォーマンスした。過去のヒット曲が大きければ大きいほど、そちらばかり盛り上がり新曲で静まり返ってしまうことがあるが、今回は新曲もいいレスポンスで迎えられた。メロディーがより儚く切なく、サウンドがより渋く繊細になった『Graffiti On The Train』のトラックには、大合唱となったアンセムとは違う魅力がある。もの哀しくも優しくもあるサウンドは、バックに流れた美しく緊迫感にあふれた映像と融合し心に染み入る。年を重ね、酸いも甘いもかみ分けたいまの彼らだからこそ作れる成熟した作品だ。

といって、丸くなってしまったわけでも落ち着いてしまったわけでもない。デビュー当事からライヴに定評のある彼らだが、この日のパフォーマンスは数年前に観たとき以上に素晴らしいものだった。新たに加わったジェイミー・モリソン(元ノイゼッツ)のパワフルでエネルギッシュなドラムがバンドの強みをさらに引き出し、サウンドはよりビッグでエッジーになった。ストレートで痛快なだけでなく、ときにいい意味でカオス化するそのパフォーマンスはこれまで以上に炸裂しており圧倒的だった。

深みを増したステレオフォニックス。ソング・ライティングの面でも演奏の点でもいい年の取り方をしている。

この夜のセットリストは以下の通り。

「THE BARTENDER AND THE THIEF」
「A THOUSAND TREES」
「SUPERMAN」 
「GRAFFITI ON THE TRAIN」(新曲)
「INDIAN SUMMER」(新曲)
「TAKE ME」(新曲)
「CATACOMB」(新曲)
「MAYBE TOMORROW」
「BEEN CAUGHT CHEATING」(新曲)
「IN A MOMENT」(新曲)
「SAME SIZE FEET」
「VIOLINS AND TAMBOURINES」(新曲)
「JUST LOOKING」
「WE SHARE THE SAME SUN」(新曲)
「NO-ONE’S PERFECT」(新曲)
「LOCAL BOY IN THE PHOTOGRAPH」
アンコール
「BILLY DAVEY’S DAUGHTER」(ケリー・ジョーンズによるアコースティック・ソロ)
「TRAFFIC」
「ROLL THE DICE」(新曲)
「DAKOTA」

ステレオフォニックスの新作『Graffiti On The Train』は日本盤がボーナス・トラック入りで先週、世界先行発売されている。また、バンドは<Summer Sonic 2013>で来日することが決定した。

Ako Suzuki, London
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