2013年3月10日、ウィルコ・ジョンソン、ロンドンでラストステージを終える

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ウィルコ・ジョンソンが、3月10日(日)ロンドンでギタリスト人生最後となるライブを行った。

◆ウィルコ・ジョンソン画像

ドクター・フィールグッドのオリジナルメンバーやザ・ブロックヘッズの元メンバーでもあったウィルコ・ジョンソンは、2012年、手の施しようがない末期の膵臓癌と診断され、余命わずかだと宣告されていたことから、ここのところ活動をほとんど行っていなかった。しかしファンに別れを告げるためミニツアーを敢行してきており、この日、ウィルコはついにロンドンのKOKOで最終公演の幕を閉じた。

ベーシストのノーマン・ワット・ロイやドラマーのディラン・ハウらが見守る中、ウィルコがステージに登場すると集まったファン達が暖かく迎え入れ、ウィルコはスライディングしながら観客に向かってアピールするお決まりのダイナミックなパファーマンスは健在のまま、アルバム『ダウン・バイ・ザ・ジェティ』からの楽曲などを披露した。

ライブ中は調子も良さそうで一見病気だとは思えないステージを見せたウィルコは、「ロクセット」や「バック・イン・ザ・ナイト」などもプレイし、バンドがアコーディオン奏者をステージに招きいれて「ウーリー・ブリー」のカバーバージョンを演奏した。途中のトークでは、赤ん坊を連れ去った列車がもうすぐ自分のお迎えにもやって来ると語り、死期が迫り来るウィルコの胸に迫る場面もあった。ウィルコはチャック・ベリーの「バイ・バイ・ジョニー」のカバーで最後を締めくくり、終了後にはアンコール2曲も演奏してみせた。感動した観客達はウィルコがステージを後にするのを最後まで手を振って送り出していた。

ウィルコ・ジョンソンは、1月には「今自分が置かれている状況はすっごく不思議だね。何だか全てがしっくりきているのに、死が目前にあるんだ。奇跡が起きて病気が治ることなんて望んでいないんだ。とにかく最後のライブをこなせるまで生きたいだけさ。それが達成されれば俺はハッピーな男だよ。俺は素晴らしい人生を送れたと思っている。自分の身に起きたことや自分が達成してきたことを思い返すと、これ以上求めるのは欲張りってもんさ。身の程は知っておきたいね」と心情を吐露している。
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