洋楽シーンを伝え続ける書籍『ロックンロール・フォトグラフィティ 長谷部宏の仕事』

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『ミュージック・ライフ』…かつて読者だった人はもちろん、リアル・タイムでは知らない音楽ファンでも、その名前はきいたことがあるのではないか。

◆『ロックンロール・フォトグラフィティ 長谷部宏の仕事』画像

『ミュージック・ライフ』は、1960年代にザ・ビートルズを日本で最初に大きく紹介し、以降日本で「洋楽」を先導する役割を担った音楽雑誌だ。ロックが多様化してユース・カルチャーの中心のひとつとなった1970年代、MTVが始まり音楽がビッグ・ビジネスにもなった1980年代、そしてグランジ~ブリットポップで盛り上がった1990年代に至るまで日本の洋楽シーンを盛り上げ続けた随一の洋楽専門雑誌であった。ちなみにBARKSでもおなじみライターの増田勇一は、元ミュージック・ライフ編集長である。

その『ミュージック・ライフ』で、30年以上にわたって写真を撮り続けたカメラマンが、長谷部宏だ。どんなアーティストにでもしっかりと向き合う彼は、チープ・トリック『at武道館』やクイーン『ライヴ・キラーズ』といった名作のジャケット写真にも起用されるなど、アーティストからの信望も厚いフォトグラファーでもある。

ザ・ビートルズはもちろん、ザ・ローリング・ストーンズ、レッド・ツェッペリン、デヴィッド・ボウイ、エリック・クラプトン、エアロスミス、ボン・ジョヴィ、U2、オアシス、ブラー、レディオヘッド他、彼の写真を300枚以上掲載しているのが、新刊「ロックンロール・フォトグラフィティ 長谷部宏の仕事」だ。写真がメインだが単なる写真集にあらず、何時間ものインタビューを長谷部と行ない、撮影現場の様子や舞台裏、長谷部のアーティスト観などに迫ったテキストも読み応えたっぷりだ。そこでは『ミュージック・ライフ』の記事を再検証し、当時のシーンを振り返っており、日本の「洋楽史」がわかる一冊にもなっている。ロックに夢中だったあの頃を振り返って元ロック少年・少女が懐かしむも良し、現役のロック少年・少女がまだ生まれていなかった時代に思いを馳せるも良し。

著者は長谷部宏と何度も現場に足を運んだ元『ミュージック・ライフ』編集部員の赤尾美香である。ロック好きなら是非一度手に取ってみてほしい一冊だ。

photo:Koh Hasebe / Shinko Music Archives

『ロックンロール・フォトグラフィティ 長谷部宏の仕事』
監修:赤尾美香
判型:A5変型判
頁数:352ページ
本体価格:1,800円(税込み定価1,890円)発売中
主な登場アーティスト:ザ・ビートルズ、ザ・ローリング・ストーンズ、ザ・ウォーカー・ブラザーズ、ジミ・ヘンドリックス、ザ・フー、レッド・ツェッペリン、クイーン、エリック・クラプトン、デヴィッド・ボウイ、ディープ・パープル、キッス、チープ・トリック、エアロスミス、イーグルス、ザ・ポリス、ジャパン、ラモーンズ、ザ・クラッシュ、ザ・ジャム、マドンナ、ボン・ジョヴィ、デュラン・デュラン、U2、ガンズ・アンド・ローゼズ、モトリー・クルー、レッド・ホット・チリ・ペッパーズ、ザ・ストーン・ローゼズ、オアシス、ブラー、レディオヘッド etc.
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