【ライブレポート】重鎮集結、Guitar☆Manによるライブイベント第3弾<SMOKE ON THE WATER>大盛況

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2013年4月10日、<Guitar☆Man LIVE #003 -SMOKE ON THE WATER->が六本木 STB139にて開催された。会場は、ギターブーム世代のオーディエンスを中心に200名強が結集、満員となった。

◆<Guitar☆Man LIVE #003 -SMOKE ON THE WATER->画像

今回の出演者は、ベース兼ライブプロデューサーを担当する伊藤広規(山下達郎BAND)をはじめ、ギターには、鈴木茂(はっぴいえんど)、横内健亨、キーボードに重実徹、ドラムに小田原豊(レベッカ)と実力派プレイヤーが参加。さらに、スペシャルゲストにギター山本恭司(BOWWOW)、ボーカル上田正樹、ゲストギターにCharとのセッションで絶賛された外園一馬、メインボーカルとして坪倉唯子(B.B.クイーンズ)、アラキマキヒコ、浦田健志が顔を揃えた。

開演のブザーが鳴り終わると同時に、会場スクリーンにオープニングムービーが映し出された。「レディースアンドジェントルメン!」と小林克也のナレーションが流れ、メンバーが登場。タレントの佐々木心音扮する"ギターエンジェル"により、華やかな雰囲気の中、鈴木茂にギターが手渡され、小林克也の「BURN!」というナレーションから1曲目がスタート。

ディープ・パープルの「BURN」のイントロが流れると同時に、会場が一気に沸騰。つづいて、ドラム&横内のギターも加わり、重厚感・スピード感が上がっていく。ボーカル・浦田のハイトーンボイスが響き渡ると、会場は早くも最高潮に。サビが終わっても、横内がすかさず、ステージセンターでリフをかき鳴らし、客をあおる。Cメロでは、BBクイーンズの坪倉が男性ボーカル顔負けのパワフルなボーカルを披露。ディープ・パープルの骨頂とも言えるギターソロのハナをきったのは、横内健亨。負けじと鈴木茂がハモり、美しいハーモニーが会場を包み込む。勢いもそのままに、次は、重実の超速弾きオルガンソロ。ジョン・ロードを彷彿とさせるレズリーによる温かくも厚みのあるロックなサウンドで圧倒する。

既にお腹一杯といった感じの1曲目が終わると同時に、会場は観客の大歓声に包まれた。

2曲目はジミ・ヘンドリックスのファーストアルバムの1曲目に収録「FOX Lady」。イントロ中に、メンバー紹介。坪倉がキーボード紹介>オルガンソロ>横内>ギターソロ>鈴木茂>ギターソロ>小田原>ドラムソロ>伊藤>ベースソロ>各ボーカルが紹介された。

2曲目終了後、当ライブの司会で、FM NACK5パーソナリティーなどを務める山本昇が登場。司会の山本は、鈴木茂に対し「一番音がでかいですね」「鈴木茂がBURNを弾くのを見られるとは」とコメントすると鈴木は「ディープ・パープルなんて滅多にやらない。皮膚が弱い」と返し、会場の笑いを誘う。「よかった、笑」(横内)、「中学の時にディープ・パープルをリアルタイムで聴いていたが、初めて弾いたら難しい。レズリーは借り物です」(重実)、「鬼でしょうBURNは。乳酸でまくり。BURNなんて高校生以来。30年以上前。今回の練習で、ドラムの代わりに枕を叩いて練習したら、中学生の時も同じ練習していた頃を思い出した」(小田原)とコメント。

続いては、邦楽メドレー(「黄砂に吹かれて」~「神様お願い」~「木枯しに抱かれて」~「BAN BAN BAN」)、鈴木茂の「風邪引いて、練習できなかった。頑張って、みんなに追いついていく。それでは洋楽メドレーをどうぞ」というMCを挟んで、洋楽メドレー(「ブラウンシュガー」~「ホワイトルーム」~「ヘルタースケルター」~「デトロイトロックシティ」)とメドレー2曲を披露した。

再度、司会の山本が登場し各メンバーの使用楽器について質問すると、「Fenderの40周年モデルです。94年のものです」(横内)、「1964年製か1965年製のギターです。エフェクター自作。ブースターで音が太くなる。名前は特にない」(鈴木)、「フレット打ち変えて初日です」(伊藤)と会場を盛り上げた。

伊藤が、ゲストギターの外園を呼び込み、「オマハ/モビーグレープ」がスタート。3本のギターが、分厚いサウンドと、ノリノリのロックンロールをかき鳴らす。前半ラストは、「メンフィス/ベンチャーズ」「グッドタイムバッドタイム/レッド・ツェッペリン」など陰の名曲が披露され、一旦休憩に。

約15分の休憩を挟み、後半は、「ハッシュ/ディープパープル」でスタート。重実がここぞとばかりにオルガンをこすりまくる。後半2曲目はなんと「SMELLS LIKE TEEN SPIRIT/ニルヴァーナ」。まさかのニルヴァーナに、観客からも歓声が。アラキマキヒコと浦田の掛け合いによる鋭いボーカルも圧巻。つられたように、横内のギターもうなりをあげる。

「ムーブオーバー/ジャニスジョプリン」では、ここまでほぼバッキングに徹していた鈴木茂のギターが炸裂。ロックンロールなチョーキングが心を躍らせる。曲が終わると、司会の山本が登場し、スペシャルゲスト山本恭司が登場。4月初頭にスノーモービル転倒により右手首を骨折しており、ギプスで固定された状態。「招き猫奏法(笑)」と本人は語り、「このパフォーマンスは、今後も見られないかもしれないので、貴重かも」と観客を沸かせる。

山本がメインとなる一曲目は「Sweet Sweet Surender」。イントロで山本恭司は、解放弦を完全ミュートし、左手のアタックのみで音を紡ぎ出す片手奏法を披露。リバーブ感たっぷりの音色で、美しいイントロを奏でる。シャガれた中に哀愁を感じる山本のボーカルと、重実のピアノにより会場はアダルトなムードに。サビでは、ボーカル3人も加わり、多重コーラスで豪華な雰囲気に。ギターソロでは、バイオリン奏法にも似た鮮やかな旋律が、会場のムードをさらに盛り上げる。ステージ最前線に座った山本が、終始バックを引っ張り、曲が終わると同時に、大歓声があがった。

ここで、ドラムのトラブルにより横内と山本とのトークセッションがスタート。二人の出会い、馴れ初めなど、貴重な話が飛び出す。ドラムセットが回復すると、話の延長上で、打ち合わせ無しの、バンドセッションなども飛び出す。セッションは徐々にエスカレートし、山本恭司のテンションも上がりきったところで「ジミ・ヘンドリックスでパープルヘイズ」とタイトルコール。イントロが始まると同時に、観客の声援が会場に鳴り響く。声援に応えるかのように、ロックなシャウトを響かせる。横内と鈴木のソロ回しも見応え十分。

圧巻なのは、山本恭司のソロだ。左手一本で奏でるギターソロと自身のボーカルをハモらせるパフォーマンスを披露。会場は、圧倒的なテクニックに引き込まれ、さらに山本からのコールアンドレスポンスにより、会場は一体となった。

曲が終わると、山本恭司が「37周年、タケさんも、茂さんも先輩で、さらに大大先輩の上田正樹さん。」と、スペシャルゲストボーカルの上田正樹を呼び込む。上田は登場するなり「B.Bキングとレコーディングした曲をやろうと思います。今日は、とってもいい感じだ。それでは、セッションをします。」と言い放ち「Feelin'Fine」をスタート。上田のファンキーでブルージーなボーカルが飛び出すと、会場は一転。海外のブルースショーを見ているかのようなムードに。セッションというだけあり、ギターソロでは、山本恭ソロ(レガート奏法)~外園(若さあふれるファンキーソロ)~重実ファンキーなピアノソロで盛り上げる。上田のボーカルから、次は、鈴木ソロ~伊藤ベースソロ、上田のボーカルから、山本のギターソロとアドリブソロの応酬に。上田がメンバーもオーディエンスも巻き込んで、これ以上ないグルーヴが生まれる。

ここで、横内&三人ボーカルが退場し、「好きな事やろーや」という上田の一言から「That's all I wanna do」がスタート。重実のエレピのファンキーなイントロが印象的。曲中には、鈴木と外園のギター対決も。リバーブのかかった広がりのある大きなギターソロの鈴木に対し、ファンキーで細かなテクニカルフレーズで外園が対抗。ラストは、上田のボーカルとともに、重実もピアノを打楽器のように連打し、テンションは最高潮に。

「線路鉱夫の人のための曲です。海外ではR&Bだったんだけど、日本に入ってきたときに、みんなの歌になりました」という上田の曲紹介から、「I'll be working on the railroad」がスタート。イントロでは、ボーカル・アラキマキヒコの声帯模写による汽車音のパフォーマンスも。誰もが一度は聞いた事あるメロディラインがファンキーなリズムに乗せて響く。2番からは日本語で歌い、観客をさらに盛り上げる。

ここで、上田、外園が退場。「タケ(横内健亨)のリクエストです」と伊藤広規の掛け声から、「マニックディプレッション/ジミ・ヘンドリックス」がスタート。リクエストしたという横内の、ジミヘンを彷彿とさせる、激しいソウルフルなギターソロが炸裂。

プログラムのラスト曲「ロックンロールフーチークー/リック・デリンジャー」では、イントロで、横内がステップを踏みながらリフを奏でるパフォーマンスで観客を楽しませる。ギターソロは鈴木。最後の力を振り絞らんばかりに、ロックなギターをかき鳴らす。負けじと、横内も続いてギターソロで対抗。圧巻の対決に、観客からは拍手が。

大歓声のうちに、メンバーが退場する。歓声と拍手は止むことなく、自然とアンコールを求める手拍子に。間もなくメンバーが登場すると、会場は歓喜の声が上がった。アンコール1曲目は、ジェフ・ベックのインスト曲「フリーウェイジャム」。横内のイントロリードギターが鳴り渡る。それを後押しする重実のファンキーピアノバッキング。さらに、重実はシンセソロをここぞと弾きまくる。

ギターソロでは、外園が若さあふれる大胆プレイをみせる。それに触発されたように横内も今日一番のプレイを見せつける。ギターソロラストを飾るのは、鈴木。二人のプレイとはまったく別の、ロングトーンスタイルで切り込む。そのビートは段々スピードを増しテンションは最高潮に。まさに、ギターマンを象徴する聞き応えのある一曲となった。

そして、ライブのフィナーレを飾る1曲は、イベントタイトルにもなっているディープ・パープルの「Smoke on the Water」。ゲストも含めたメンバーが総出演した。横内の渾身のギターソロに続き、片手奏法の山本恭司のギターソロ。上田のボーカルと山本恭司をあおる。その掛け合いに触発されたかのように、鈴木のギターソロがうなりをあげる。外園は、パワフルでテクニカルなギターソロに加えて、頭の後ろで弾くジミヘン奏法も飛び出す。各メンバーが、存分に持ち味を披露し、フィナーレにふさわしいパフォーマンスとなった。

次回のライブは、5/9(木) 渋谷 JZ Brat SOUND OF TOKYO(東京・渋谷)が予定されている。参加ミュージシャンは、今剛(G)、土方隆行(G)、伊藤広規(B)、西脇辰弥(Key)、岡井大二(Dr)、政野早希子(Vo)、アラキマキヒコ(Vo)、StuartO(Vo)の予定となっている。

<Guitar☆Man LIVE #003 -SMOKE ON THE WATER->
第1部
1.BURN/ディープ・パープル
2.Fox Lady
3.邦楽メドレー(黄砂に吹かれて/神様お願い/木枯しに抱かれて/BAN BAN BAN)
4.洋楽メドレー(ブラウンシュガー/ホワイトルーム/ヘルタースケルター/デトロイトロックシティ)
5.モビーグレープ/オマハ
6.メンフィス/ベンチャーズ
7.グッドタイムバッドタイム/レッド・ツェッペリン
第2部
1.ハッシュ/ディープ・パープル
2.SMELLS LIKE TEEN SPIRIT/ニルヴァーナ
3.ムーブオーバー/ジャニスジョプリン
4.Sweet Sweet Surender
5.Purple haze
6.Feelin'Fine
7.That's all I wanna do
8.I'll be working on the railroad
9.マニックディプレッション/ジミ・ヘンドリックス
10.ロックンロールフーチークー/リック・デリンジャー
EC1.フリーウェイジャム/ジェフベック
EC2.SMOKE ON THE WATER

◆ギターマン・オフィシャルサイト
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