アルバム『SCUMS』を引っ提げて行った全国ツアー<NIGHTMARE TOUR 2O13 beautiful SCUMS>。その最終追加公演が4月20日、東京・日比谷野外大音楽堂で開催された。

◆NIGHTMARE ライブ画像

2005年、初の野音ワンマンを行なって以降、メンバーにとってもファンにとっても思い入れのあるこの会場では、毎回ライブをやるたびに記憶に残る素晴らしいステージを行ってきた彼ら。野音との相性がとてもいいナイトメアが、今回もまたやってくれた。

降りしきる雨のなか、野音でまたひとつ、素晴らしきSCUMSたちが伝説の“悪夢”を作った――。

雨男はたしかにこのバンドにはいるが(笑)、ここまでの激しい雨と真冬のような寒さは想定外。野外にしては最悪の条件が並んだ。それでも、“ナイトメア+野音=素晴らしい悪夢”が見られると信じるファンで場内は埋め尽くされ、立ち見席まで出るほどのにぎわい。降りしきる雨のなか、映画『The Nightmare Before Christmas』のテーマ曲のSEが響き渡ると場内に声援が沸き起こる。

ライブは「My name is”scum“」で幕開があけた。カッパ姿のお客さんたちがいっせいに雨などお構いなしに暴れまくる。とたんに、寒さを忘れそうになるぐらいの熱気が客席からわき上がる。激しい雨で白く染まる視界、そこに舞台後方に積まれたブロックのセットの白、カッパ姿のお客さんの白が重なると、黒い衣装で着飾ったメンバーの“闇“オーラがより際立って映える。野外だろうが雨のなかだろうが、この揺るがない存在感はナイトメアならでは。

今回のツアーは彼ら自身が新しいナイトメアのライブ空間作りに挑んだツアーだった。アルバム曲ほぼ全曲をやりきるセットリスト構成。本編はメンバーがしゃべらない、あおらないというMCレスのスタイルをとおし、ブロックを次に始まる曲のフックとなるショートSEでつないでいくという試みがあった。ライブのなかでもCD同様にナイトメアにデジタルサウンドを大胆に同機させた「終わる世界の始まりは奇なり」から「Dazzle」のブロックには、この試みは非常にマッチしていた。CDではクールにグルーヴするデジタルなナイトメアに思えたこれらの楽曲も、ライヴでは「404」など他の曲と温度差をまったく感じさせないノリと一体感を場内に作り出していたところは、このツアーの大きな成果だと思う。

雨のなかで聴くと本当に格別だった「雨と夜に堕ちて」、そこから懐かしい「シアン」「Lost in Blue」を連発する場面には、その切な過ぎるメロディー、歌に野音が濡れた。

しっとり心まで濡れたあとは「ERRORs」からラスト「Deus ex machina」まで、メンバーもファンもびしょ濡れになりながらとことん暴れまくる。振り切れまくりのファン、それを見てさらにテンションが上がるメンバーの相互作用で、ライブは最後までどんどんボルテージを上げていった。こんなに寒いのに、こんなに手足は冷たいのに、死ぬほど楽しい。メンバーの表情が、プレイがそう物語っていた。

本編が終わっても、さらなる高みを求めるファンの怒濤の声援に答え、このツアーで毎回レア曲が演奏されるアンコールパートでは「時分ノ花」を披露すると、イントロだけで観客がどよめく。このとき雨の野音は晴れ渡り、奇麗な花が咲いたように思えた。

アンコールでは饒舌なおしゃべりが解禁。前日、雨の野外でのライブについて、hydeに相談のメールをしたら「雨? じゃあ盛り上がるね」というメッセージをもらったというエピソードを話した柩(G)は、「これまでのライブでいちばん楽しい」ととびきりの笑顔を見せる。さらにNi~ya(B)が「ナイトメアがこんなに雨が似合うバンドだとは思わなかった」と語ると、YOMI(Vo)からは「ヴィジュアル系のなかでも野外が似合うバンド5本の指に入る」という発言が飛び出した。さらに調子に乗ったYOMIは、自ら“雨男”だと言う咲人(G)が放った「びちゃびちゃだよ~」という発言に乗っかり、咲人に「お前らみんな濡れてるかーー!」と叫ばせることに成功して大喜び。RUKA(Dr)は「俺裸足でやってんだけど、凍傷になりそう。早くライヴやろう。(観客を指さして)だって寒いでしょ?」とメンバーをせかして、再びライブへ突入した。

アンコールのラストには彼らが大事な場面でしか演奏しない「Star[K]night」も披露した。雨で夜空の星は見えなかったけれども、場内は観客の大合唱に温かく包まれ、ライブは感動的なフィナーレを迎えた。

8月にメジャーデビュー10周年を迎え、アニバーサリーイヤーに突入するナイトメアは、同月にシングルと野音の前日に行なわれた中野サンプラザでのライブの模様を収録したDVDを発売する。「お前ら、楽しみに待ってろよ! ずっとついてこいよ!」と最後にファンに向かって叫んだ柩。10周年、またどんな新しいナイトメアを彼らが仕掛けてくるのか、夏までわくわくしながら待っていたい。

文:東條祥恵

■SET LIST
1.My name is “SCUM”
2.ASSaulter
3.UGLY DUCK’S WILL
4.DIRTY
5.終わる世界の始まりは奇なり
6.riddle
7.404
8.Dazzle
9.雨と夜に堕ちて
10.シアン
11.Lost in Blue
12.ERRORs
13.DISSEMBLE
14.BEHIND THE MASK
15.mimic
16.VERMILION.
17.Deus ex machine
-Encore-
18.I’m not
19.時分ノ花
20.バックストリートチルドレン
21.惰性ブギー
22.極東乱心天国
23.My name is “SCUM”
24.Star [K] night

Album 『SCUMS』
2013年1月30日発売
【type A】CD+DVD
YICQ-10284/B ¥3,780(tax in)
[DVD]
MUSIC CLIP「Assaulter」
【type B】CD+DVD
YICQ-10285/B ¥3,780(tax in)
[DVD]
MUSIC CLIP「終わる世界の始まりは奇なり」
【type C】
YICQ-10286 ¥3,150(tax in)
[CD]
1.My name is “SCUM”
2.ASSaulter
3.mimic
4.riddle
5.雨と夜に墜ちて
6.DISSEMBLE
7.ERRORs
8.終わる世界の始まりは奇なり
9.Droid
10.404
11.I’m not
12.Deus ex machina
13.BLACK OUT(※type Cのみ収録)
14.BEHIND THE MASK(※type Cのみ収録)

◆ナイトメア オフィシャルサイト
◆ナイトメア『SCUMS』特設サイト
◆BARKS ヴィジュアル系・V-Rockチャンネル「VARKS」