【ライブレポート】GLAY、全国アリーナツアーファイナル「GLAYはいつもみんなの心の中にいます! だから夢の重さに負けないで」

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GLAYの全国アリーナツアー<GLAY ARENA TOUR 2013 “JUSTICE & GUILTY”>ファイナル公演が5月6日、さいたまスーパーアリーナにて行われた。その速報は5/7付BARKSニュースでお伝えした通りだが、ここで改めて、より深くライブの詳細に迫るレポートをお届けしたい。

◆GLAY 画像

「デビューしてから19年経っても、こうしてたくさんの人に笑顔で迎えられるこの環境を、本当に幸せに思います。神様に“人生もう一度やり直せるけど、何になる?”と聞かれても、迷わず“GLAYのボーカル”と答える自信がある。これからも、みんなに幸せを届けるために、僕らは音楽を届けていきます!」

本編ラストの曲を前にして、そう語ったTERUの口調には、確信と優しさが満ち溢れていた。そして披露された「運命論」の厳かな音色に合わせて客席から沸く手拍子と、その模様を映し出すモニターに現れる歌詞が、“生きるとは愛すること、愛されること”というGLAYの最も核となるメッセージをツアーファイナルに集まった人々の胸に沁みわたらせてゆく。

「GLAYはいつもみんなの心の中にいます! だから、夢の重さに負けないで」

アレンジして歌われるライブならではのリリックに、オーディエンスの手拍子がさらに熱を帯びて、満場の笑顔が綻ぶ。そこに生まれる温かな一体感と幸福感こそが、全22公演にのぼる今回のツアーの集大成であり、目指すべきゴールだったのだ。

2013年1月に2枚同時リリースされ、オリコンランキング1位・2位を独占したアルバム『JUSTICE』『GUILTY』を引っ提げ、2月23日にスタートした<GLAY ARENA TOUR 2013 “JUSTICE & GUILTY”>の最終日は、午後3時開演という異例のスケジュール。しかし、それが集ったGLAYファンのテンションを下げることなど微塵もない。ミステリアスなSE「gestalt」をバックにオープニング映像が高揚感を高め、「JUSTICE[FROM]GUILTY」が火薬の炸裂音と共にライブの幕を切って落とすや、さいたまスーパーアリーナを埋め尽くした2万人は両腕を掲げて大熱狂! フロアを大きく揺らす中「My Private“Jealousy”」ではクライマックスに大合唱も起こって、シリアスなムードで疾走する序盤戦から、会場一体となって気勢をあげる。

「今回のツアーで本当に感じたことがあります。やっぱ俺らはライブが大好きだし、お前らが大好きなんだなって。今日もトコトン愛させてください!」

TERUのアカペラ始まりから一転ハードに弾ける「PARADISE LOST」、タイトル通り一斉にタオルの嵐が吹き荒れる「華よ嵐よ」、カラフルに色を変えるライトを浴びてセクシーに腰を振る「everKrack」。どの曲が演奏されても即座にオーディエンスが反応し、大きなうねりで圧倒するのは、3ヶ月にわたるツアーを経て、彼らの身体に2枚のアルバム曲が染みついているからだ。もちろん、それはメンバーも同じことで、清らかな天上を思わせる“JUSTICE”を下手に、暗く冷たい“GUILTY”を上手に象ったステージを行き交う様には、堂々たる風格がしかと備わっている。

ここで、最初のクライマックスが到来。TAKUROのアコギが冬の寒さの中にほんのり温かさを灯す「冬の遊歩道」から、ピアノで繋いで「春を愛する人」が歌い出されると、悲鳴にも似た歓喜の声が! 冬から春へのドラマティックな展開で魅了し、その余韻残る中で始まった通称“てっこの部屋”では、アコギを抱えたTERUとTAKUROが男女でパート分けしたオーディエンスと共に、いわく“ツアー史上最高の絆”を「SMILE」で作り上げてゆく。この今ツアー恒例のセッションも、コーラス練習をほとんど必要としないくらい場内の息もピッタリで、さすがツアーファイナル!と感心しきり。首に“SMILE”と入れたTERUも“バッチリ!”と太鼓判を押すが、ファルセットを交えた二人のハーモニーも、この2ヶ月余で磨き上げられた珠玉のものであった。

メンバーそれぞれに衣装チェンジした後半戦でも、さまざまな趣向と演出で観客の目と耳を楽しませることに。ギタープレイをキメるTAKUROが背後のモニターで無数に重なる「Super Ball 425」や、“GUILTY”サイドの石階段でHISASHIが奏でるクラシカルなギターソロを前奏に、炎の玉があがる「FATSOUNDS」。さらに、リリカルにして力強いバラード「真昼の月の静けさに」で、噴きこぼれる感情をグッとこらえるような情趣深い歌を聴かせたTERUは、続く「傷だらけの太陽」で想いを解放するようにギターをかき鳴らし、観る者の心までをもガッチリと鷲掴む。

「GLAYの音楽は何年経っても、みんなの熱い想いで色褪せることなく響いていくと信じてます。この曲も20年間、輝いてきました。思い切り熱い曲にしましょう!」――TERU

そしてタイトルコールされたのは「彼女の“Modern…”」。結成初期から演奏され続けてきた代表曲の登場に会場が沸騰すると、上手にHISASHI、下手にTAKUROとステージの両端から2人のギタリストがお馴染みのフレーズをハモらせ、TERUはカメラに投げキス。JIRO作曲によるパンクチューン「Ruby’s Blanket」では銀テープが飛び、旅立ちを歌ったリリックが、ツアーを終えて新たな階段を上ろうとしている彼らの“今”と重なって、胸を熱くさせる。そこでトドメのように歌い叫ばれた「みんなも夢を見続けようぜ!」という台詞が、どれだけの威力を持って胸に刺さったかなど、もはや説明するまでもないだろう。

2012年12月に2枚同時発売された最新シングル「JUSTICE[FROM]GUILTY」で始まり、「運命論」で締めくくられた本編。アンコールではJIROが「俺は生まれ変わったらTERUになりたいよ。誰よりも気持ちよさそうに声を出してるから!」と訴える場面もあったが、事実、彼のヴォーカルは素晴らしく伸びやかで、ロックかつポップでメッセージ性の深いGLAY楽曲を真っ直ぐ我々に届けてくれていた。対する楽器隊の演奏も実にバランスよく、巨大なさいたまスーパーアリーナの空間すみずみにまで、まろやかな音色を響かせていたのはサスガ。HISASHIのギターヘッドに“祝!JUSTICE&GUILTY千秋楽”のくす玉がぶら下がり、TAKUROがバズーカでお宝をファンに飛ばした「ピーク果てしなく ソウル限りなく」では、客席をゾーン分けしての細かい煽りにオーディエンスも大合唱。どれだけビッグバンドになろうとも、ファンと近しい距離であり続けようとする彼らの心意気こそ、20年にわたってGLAYというバンドが愛されるゆえんであるに違いない。

「今日はしんみり終わるんじゃなく、楽しく終わりたい。最後にこの曲を一緒に歌ってください!」

そう煽ってセンターでギターを奏でるTAKUROと向き合い、ゆっくりとラスト曲「Bible」を歌い始めたTERUは、長いツアーの締めくくりに感慨深げな様子。加えて、レーザー飛び交う中でアッパーに振り上がる拳の波が目の前に広がり、「強く生きていこうぜ!」「お前ら絶対離さないぞ!」との台詞に応えての大合唱が耳に飛び込んでくると、まるで熱い巨大なオーラの球に呑み込まれていくような心地を覚えて、こちらも感涙を禁じ得ない。これまでの20年で、いったいどれだけの人が、こうしてGLAYの楽曲に勇気づけられてきたことだろう?

「これからも、ずっとずっと、みんなの心に光を、愛を届け続けます!」

真摯な決意の言葉を体現すべく、“届け!”とばかりにノンブレスで限界まで伸ばされた渾身のロングトーンに、場内からは大きな拍手と歓声が。最後はメンバーもオーディエンスも全員で手を繋ぎ、JIROの「また会いに来るからな!」を合図にジャンプする。さらにステージを去り際、客席に向かって深々と一礼し、マイクレスで「また一緒に楽しい時間を持ちましょう!」と叫んだTAKUROの顔には、形容しがたい達成感と、充実感と、そしてファンへの感謝が滲んでいた。

その約束を果たすべく、終演後には早速シングル「DARK RIVER/Eternally/時計」の7月24日リリースが発表。トリプルタイアップということで、より幅広く世に浸透してゆくであろう3曲が魅せる新たな“夢”は、我々自身の夢をも叶える手助けともなるはずだ。

取材・文◎清水素子

<GLAY ARENA TOUR 2013 “JUSTICE & GUILTY”>
2013.5.6@さいたまスーパーアリーナSET LIST
1.JUSTICE [FROM] GUILTY
2.棘
3.My Private“Jealousy”
4.MERMAID
5.PARADISE LOST
6.華よ嵐よ
7.everKrack
8.冬の遊歩道
9.春を愛する人
10.SMILE
11.WHO KILLED MY DIVA
12.Super Ball 425
13.FATSOUNDS
14.真昼の月の静けさに
15.傷だらけの太陽
16.FACTORY
17.Prize
18.彼女の“Modern…”
19.Ruby's Blanket
20.運命論
encore
en1.More than Love
en2.ピーク果てしなく ソウル限りなく
en3.BEAUTIFUL DREAMER
en4.Bible


■「Eternally」配信情報
GLAY SPECIAL LIVE 2013 in HAKODATE「GLORIOUS MILLION DOLLAR NIGHT VOL.1」テーマソング
・5月8日よりdwango.jp、iTunes Store、G-DIRECTにて先行配信
・5月15日より レコチョク、music.jp、アーティスト公式サウンド他にて順次配信

■トリプルタイアップシングル情報
「DARK RIVER / Eternally / 時計」
7月24日発売
【CD+DVD】PCCN-00009 ¥1,800
【CD only】PCCN-00010 ¥1,200
「DARK RIVER」 NHKドラマ10「激流~私を憶えていますか?~」主題歌
「Eternally」 GLAY SPECIAL LIVE 2013 in HAKODATE「GLORIOUS MILLION DOLLAR NIGHT VOL.1」テーマソング
「時計」 NHKドラマ10「激流~私を憶えていますか?~」挿入歌
※NHKドラマ10「激流~私を憶えていますか?~」
放送予定:6月25日(火)~8月13日(火)NHK総合 午後10:00~10:48(連続8回)

■20周年に向けて大型ライブ目白押しのGLAYが、故郷函館で繰り広げる真夏のお祭りライブ第1弾!
<GLAY SPECIAL LIVE 2013 in HAKODATE「GLORIOUS MILLION DOLLER NIGHT VOL.1」>
7月27日(土)、28日(日)
函館・緑の島野外特設ステージ
OPEN 13:30 / START 15:30
GLAY 函館公演特設Site http://glay-hakodate.jp
[問]WESS GLAY函館公演インフォメーションダイヤル 0180-991-166(24時間テープ対応)

■全国アリーナツアーBlu-ray & DVD発売
『GLAY ARENA TOUR 2013 “JUSTICE & GUILTY” in YOKOHAMA ARENA』
2013年6月5日リリース
【Blu-ray】LSVB-0008  \6,500(税込)
【DVD】LSVD-0019、20  \6,000(税込)
※G-DIRECT オリジナルアイテム(送料無料)
※7/27、28に行われる函館野外ライブのチケット先行予約チラシ封入

◆GLAY オフィシャルサイト
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