映画『マン・オブ・スティール』、そのサントラが凄い

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映画『マン・オブ・スティール』のサントラが凄い。ファレル・ウィリアムス等15人のトップ・ドラマーが集結しレコーディングを敢行するという前代未聞のプロダクトとなっている。

◆映画『マン・オブ・スティール』予告編&サントラ・レコーディング風景

日本では8月30日に公開となるクリストファー・ノーラン製作・原案、ザック・スナイダー監督による映画『マン・オブ・スティール』だが、ご存じスーパーマン誕生の歴史的瞬間が初めて描かれた作品だ。全米、ヨーロッパ各国では6月14日に公開され、過去5作のスーパーマン映画を凌駕するメガ・ヒットとなっている。6月公開作品としては2010年の『トイ・ストーリー3』、2009年の『トランスフォーマー/リベンジ』の記録を超え、歴代1位に躍り出た超話題作だ。

本作品の音楽は、映画音楽界のスーパーマンことハンス・ジマーが手掛けている。ハンス・ジマーはこれまでも、『シャーロック・ホームズ』でピアノを燃やし、『ダークナイト ライジング』では、107カ国から何千人もの人々をクラウド・ソーシングし、その新しい制作手法で世界中の音楽ファンを驚かせてきたが、本作でみせた前代未聞の制作手法もなかなかのトピックスだ。

今回、ハンス・ジマーは15人のトップ・ドラマーを集結させ、全員を円のように配置し同時にレコーディングを行っている。ドラマーの面々は、ダフト・パンク「ゲット・ラッキー」でフィーチャリングされたファレル・ウィリアムス、ジェイソン・ボーナム、ジョシュ・フリーズ(ex.ガンズ・アンド・ローゼズ)といった面々だ。ドラム・オーケストラが奏でる迫力のサウンドが宇宙に響き渡るというもので、映画館などのサラウンド環境のみならず、ステレオヘッドフォンでもその立体感、上下感、迫力が伝わってくるようなサウンドメイクだ。

他にも、ストリングス代わりに8人編成のペダル・スティール・オーケストラを配したり、金属を叩きつける音なども使用され、前人未到のサウンドの領域に突入している。この境地に至る彼の発言を聞くに、もはや哲学だ。

「作曲家は部屋の中で一人ぼっちで過ごす孤独な存在だ。だが、この映画の最終的なメッセージは世界を受け入れ、世界に受け入れられることなんだ。僕もそれにならって、ドラマーを何人も起用してみたりした。仲間と一緒に曲作りをしたいというのが当初の実験的な動機だったが、進めていくうちに自分がなぜ音楽の世界を選んだのかを思い出すようになったね。つまり、音楽は人に囲まれて初めて生まれるものなんだ。その考えは映画の根底にも流れていると思う。僕にとって、音楽に取り組む際のキーワードは“遊び”だ。真空からは何も生まれない。ほかの音楽家たちと組んで作業することが大切だと思っている。そうしないと、とてつもなく孤独な作業になってしまうんだ」──ハンス・ジマー

『マン・オブ・スティール』オリジナル・サウンドトラックは映画公開に先立ち、6月26日に発売となったが、全米アルバムチャート(6/29付)では、サントラ作品にもかかわらず9位にランクインする注目を集めている。



『マン・オブ・スティール』オリジナル・サウンドトラック
2013年6月26日発売
SICP3840 \2520(税込)
音楽:ハンス・ジマー
参加ドラマー
・ジョン・JR・ロビンソン(クインシー・ジョーンズ「愛のコリーダ」、マイケル・ジャクソン「ロック・ウィズ・ユー」等)
・ジェイソン・ボーナム
・ジョシュ・フリーズ(Ex.ガンズ・アンド・ローゼズ)
・ファレル・ウィリアムス(ダフト・パンク「ゲット・ラッキー」でフィーチャリング)
・ダニー・ケアリー(オルタナティヴ・ロック系、エイドリアン・ブリュー、キャロル・キングとも共演)
・サトナム・ラムゴートラ(マイケル・ランドウ、リー・リトナー)
・トス・パノス(ロベン・フォード、ラリー・カールトン)
・ジム・ケルトナー(ボブ・ディラン、ジョン・レノン、ライ・クーダ―、エリック・クラプトン等)
・カート・ビスケラ
・トレヴァー・ローレンス・Jr.(ハービー・ハンコック、スティーヴィー・ワンダ、パティ・オースティン、マライア・キャリー等)
・マット・チェンバレン(パールジャム、ブルース・スプリングスティーンの『レッキング・ボール』等)
・ライランド・アリソン(リンゴ・スター等)
・バーニー・ドレセル(ブライアン・セッツァー)
・ヴィニー・カリウタ(フランク・ザッパ、ジェフ・ベック、スティング、ジョー・サトリアーニ)
・シーラ・E
1.LOOK TO THE STARS
2.OIL RIG
3.SENT HERE FOR A REASON
4.DNA
5.GOODBYE MY SON
6.IF YOU LOVE THESE PEOPLE
7.KRYPTON’S LAST
8.TERRAFORMING
9.TORNADO
10.YOU DIE OR I DO
11.LAUNCH
12.IGNITION
13.I WILL FIND HIM
14.THIS IS CLARK KENT
15.I HAVE SO MANY QUESTIONS
16.FLIGHT
17.WHAT ARE YOU GOING TO DO WHEN YOU ARE NOT SAVING THE WORLD

映画『マン・オブ・スティール』
2013年8月30日全国ロードショー
配給:ワーナー・ブラザース映画
脚本・製作:クリストファー・ノーラン/監督:ザック・スナイダー
映画US 6月14日公開・日本8月30日公開

●ハンス・ジマー(Hans Zimmer)
1957年ドイツ生まれ。21世紀のフィルム・ミュージック界を牽引する気鋭のコンポーザー。クリストファー・ノーラン監督の『インセプション』(2010)でアカデミー賞にノミネート。『レインマン』(88),『ブラック・レイン』(89)、『ドライビング・ミス・デイジー』(89)、『テルマ&ルイーズ』(91)、『バックドラフト』(91)等の名作を手がけ、1994年にはアニメ『ライオン・キング』の音楽でアカデミー賞とゴールデングローブ賞をダブル受賞。『シン・レッド・ライン』(98)、『プリンス・オブ・エジプト』(98)、『グラディエーター』(2000)等人々の記憶に残る名作でも知られている。2003年には名誉あるヘンリー・マンシーニ生涯功労賞を受賞、2010年にはハリウッド映画祭の年間最優秀作曲家賞に選ばれ、ハリウッド・ウォーク・オブ・フェームに星を刻んだ。2012年にはノーラン監督の『ダークナイトライジング』(SICP-3578)のスコアを手掛け、ダークゴシックなサウンドで熱い注目を集めている。

◆映画『マン・オブ・スティール』オフィシャルサイト
◆映画『マン・オブ・スティール』サントラ・サイト
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