ロックとアートの深い関係、ジャケ写は「ロックの美術館」

ツイート
最近は音楽はもっぱら配信で買ったり、ストリーミング・サービスで流し聞きすることが多い、という人もいるだろう。CDのような“モノ”だと場所も取るし…という気持ちもわかる。

◆「ロックの美術館」画像

しかし、ポピュラー・ミュージック、中でもロックにおいては、その“入れ物”も作品の一部として発展してきた。当初はあくまでも“包装”だったかも知れないが、やがて収録されている音楽と密接な関係を持ち始め、更には音楽表現の延長と言えるほどになり、“ジャケ写”それ自体が単独で語られたりするようにまでなっていった。

ザ・ビートルズの『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』や、ヴェルヴェット・アンダーグラウンド&ニコの同名アルバムについて誰かと話す際に、ジャケットの“あの絵柄”が知らず知らずのうちに頭に思い浮かんでいたりすることはないだろうか。そう、優れたアートワークは、中身の音楽と同じくらい重要とさえ言える。

そんな、音楽とそれを包む“入れ物”の関係を考察し、ポップ・カルチャーの未来を見据えるのが、音楽雑誌「クロスビート」で連載中の美術評論家楠見清によるコラム「アートワーカホリック・アノニマス」だ。1997年に始まった前身コラムから16年、それらをまとめて大幅に加筆、新規原稿も多数加えた集大成が書籍「ロックの美術館」である。

新旧、洋邦問わずに幅広い対象に迫った本書を読めば、ロックとアートがどのように関わってきたのか、そしてどのように影響を与え合ってきたのか、縦横無尽に俯瞰出来るだろう。ロック、ポップ、アート、デザイン…その一つでも興味がある人には、是非手に取ってみて欲しい一冊だ。

主な登場ミュージシャン:ザ・クラッシュ、ザ・フー、ジョン・ケージ、ヨーコ・オノ、ベック、ソニック・ユース、はっぴいえんど、ノイ!、フランツ・フェルディナンド、ローリー・アンダーソン、アンダーワールド、シガー・ロス、小山田圭吾、ブライアン・ウィルソン、ビースティ・ボーイズ、ニルヴァーナ、クラフトワーク、ヴェルヴェット・アンダーグラウンド、レディオヘッド、ロキシー・ミュージック、マイケル・ジャクソン、ブライアン・イーノ、ディーヴォ、YMO、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン、オアシス、プライマル・スクリーム、ビョーク、デヴィッド・ボウイ、ブラー、他多数

主な登場アーティスト:ナムジュン・パイク、Chim↑Pom、会田誠、TOMATO、ジェイミー・リード、村上隆、ピーター・サヴィル、ライアン・マッギンレー、大竹伸朗、ビッグ・アクティヴ、アンディ・ウォーホル、木村恒久、ヒプノシス、スタンリー・ドンウッド、リンダ・マッカートニー、ジャクソン・ポロック、奈良美智、ピーター・ブレイク、デミアン・ハースト、つげ義春、ギャヴィン・ターク、デザイナーズ・リパブリック、岡本太郎、シェパード・フェアリー、イントロ、バンクシー、ジュリアン・オピー、江口寿史、ゲルハルト・リヒター、他多数

書籍「ロックの美術館」
著者:楠見清
判型:B6変型判
頁数:328ページ
本体価格:2,520円(税込)
この記事をツイート

この記事の関連情報

*

TREND BOX

編集部おすすめ

ARTIST RANKING

アーティストランキング

FEATURE / SERVICE

特集・サービス