スマホでの歌詞ランキングが、ヒットに直結?

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総務省調査によると、スマートフォンの世帯普及率は、2011年末の29.3%に対し、2012年末は49.5%と急増をみせ、2013年では確実に半数を超えている状況という。事実、歌詞検索サイト「歌ネット」でも、2013年1月~6月での歌詞ページ閲覧数が、PC(パソコン)が約7.000万回(PV)に対し、スマホでは約8.900万回と、2010年12月のスマホ版開設以来、初めてスマホ版が上回っている。

◆歌ネット楽曲別ランキング画像

音楽チャートアナリスト・つのはず誠によると、歌ネットが発表した2013年上半期ランキングでも、スマホでの歌詞サイトへのアクセス数の急増が、歌詞ランキングの上位曲にも変化をもたらしていると指摘する。2012年の歌詞閲覧数上半期TOP10では、きゃりーぱみゅぱみゅ「つけまつける」のような、歌詞で突出した人気の楽曲がダウンロードやCDのセールスに大きく影響したと見られるものは、10曲中3曲に過ぎなかったものが、2013年上半期では、1位のSEKAI NO OWARI「RPG」、3位のケラケラ「スターラブレイション」、6位のRihwa「Last Love」など、ダウンロードで大ヒットした楽曲に加え、4位のmiwa、5位のONE OK ROCKなど、CDセールスが自己ベストを更新したアーティストも見られ、TOP10中5曲と前年にも増して、音楽配信やCDアルバムのヒットに繋がってきているという。さらにTOP20にまで目を向けてみると、11位のきゃりーぱみゅぱみゅ、19位のC&K、20位のGENERATIONS from EXILE TRIBEとここでもセールスアップをしたアーティストが顔を出す。

他にも、歌詞サイトならではの現象として、2位のソナーポケット「片想い。~リナリア~」は、歌詞の中に「既読」という言葉が入っている事がSNSで話題になり、わずか1日で歌詞表示数194,244回を記録したとつのはず誠は指摘する。また、3位のケラケラもデビュー曲「さよなら大好きだったよ」が、発売前にしてディリーランキング1位を5日間も記録し、歌詞サイトではいち早くブレイクの予兆が見られた。

スマホの普及による歌詞サイト発のヒットの増加は、まぎれもなくSNSの発達と大きく関係しているとはつのはず誠の弁だ。テレビやラジオ、店頭で流れていて気になった曲をすかさずスマホで歌詞サイトをチェックしそれが魅力的だと思えば、SNSを通してその魅力を伝えるということが、ますます日常化しており、そういう意味においては、心にぐっと来る歌詞を持つ楽曲がより多くヒットに恵まれることにt流との指摘もある。

昨今では、握手会やイベント参加特典によるCDのヒットは今もなお堅調だが、楽曲のヒットとは違う力学でシーンが動いている。スマホ経由の歌詞閲覧の急増は、シンプルに楽曲ヒットへの指標のひとつになるのかもしれない。

◆2013年歌ネット上半期楽曲別ランキング
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