9月にザ・ルーツと制作したアルバム『Wise Up Ghost』をリリースするエルヴィス・コステロが、ロンドンで開かれたリスニング・イベントに出席。彼らとのコラボについて語った。

◆エルヴィス・コステロ画像

両者は、ザ・ルーツがハウス・バンドとしてプレイするアメリカのトーク番組『Late Night With Jimmy Fallon』にコステロがゲスト出演したときに出会ったそうだ。コステロは、ザ・ルーツの司令塔クエストラブにこんな印象を持ったという。

「(2009年に)初めて出演したとき、ザ・ルーツは1978年にアトラクションズが一度だけプレイしたアレンジをものにしていた。次に行ったときは、ジョン・マクラフリンが出るっていうんで、ディアンジェロとマハヴィシュヌ・オーケストラの曲に取り組んでる最中だった。だから僕は、“クエストラブはタイム・トラベラーなのか? 新しいドクター・フーなのか?”って思ったよ(笑)」

レコーディング・セッションは、小さなスタジオで真夜中こっそりと行なわれたという。最初はアルバムを作ることまでは考えていなかったが、完成した曲は1つ2つと増え始め、最終的には15曲も出来上がっていたそうだ。世代もバックグラウンドも全く違う彼らだが、音楽に対してオープンであり、新しいことに挑戦してみようという共通点があるところでその違いがぶつかり合ったとき、魔法が起きたのだと語る。

レコーディングはドラムとボーカルからスタートし、それをもとに少しずつ他のパートが加わっていくという、バンドと一緒にプレイしていくコステロのいつもの方法とは違うスタイルが取られた。「毎日がミックスしていくような過程で進んで行った」という。

コステロがサウンドの面で挑戦するのを恐れないことは知られているが、今回は歌詞の面でも新しい試みをしている。昔の曲の歌詞の一部を再使用したそうだ。「昔の曲のアイディアと新しい歌詞を組み合わせてみたかったんだ」「いくつかの曲でこのコラージュ方法を使ってみた。昔書いた曲は、当時の恐れそのものだった。(時が経て)それが現実になったとは言わないけど、僕にとってより心をかき乱すものになっている。まだ当時から続いているものがあるんだから。リリック・シートを読んでくれたら、僕が何のことを言っているかわかってもらえると思う」

「Refused To Be Saved」の歌詞はもともとパナマ侵攻(1989年)の時期に書いたものだが、「同じ過ちを侵している」イラクやアフガニスタン戦争に当てはまることができるという。

「ダークで恐ろしいイメージの曲が多いが…」との質問に「そういう血が流れてるから(笑)」と答えた彼だが、「ユーモアに満ちたものもあり、希望のあるアルバムと受け取ってもらえれば嬉しい」と考えている。

『Wise Up Ghost』はコステロ、クエストラブ、それにザ・ルーツの長年のコラボレーターであるスティーヴン・マンデルがプロデュース。LAのグループ、ラ・サンタ・セシリアの女性ヴォーカリスト、ラ・マリソウル、ダイアン・バーチらがゲスト出演している。日本盤は9月18日にリリースされる。

Ako Suzuki, London