PENICILLINのギタリスト・千聖の主宰により“Hybrid Music Project”なるコンセプトを掲げ、既存のイメージに捉われない多彩な音楽表現を展開してきたCrack6。結成10周年のアニバーサリーイヤーとなる今年は、すでに2枚のシングルをリリースし、後輩バンドたちを招いて世代を超えたイベント・ツアーを開催するなど、精力的な活動を繰り広げている。さらに、この夏は全国4ヶ所でワンマン・ツアー<シグナリズム>を敢行。8月3日のファイナル公演・原宿アストロホールでも、詰めかけた人々の熱気を呑み込み、倍返しするようなダイナミックなステージで、独自の存在感を示してみせた。

◆Crack6@原宿アストロホール~拡大画像~

ステージを覆うスクリーンにSF映画のようにコスミックな映像が映し出され、本日のメンバー紹介に続き“いつスタートするの?”“今でしょ!”と流行りの文言でフロアをテンションUPしたところでスタートしたのは、最新シングル「シグナリズム」。六芒星をあしらったCrack6フラッグを振りながら、マイクを握ってお立ち台に足を掛ける千聖……ならぬMSTR(ミスター)の悠然とした佇まいとギターソロでの高速タッピングに、オーディエンスは一気に腕を回して床を揺らす。

コーラスでも大活躍するU6(G)が今ツアーから加わり、トリプルギター編成となって一段と激しさを増したサウンド&パフォーマンスの真ん中に立って、ヴォーカリストとギタリストの顔を瞬時に切り替えるMSTRの姿は、戦場で部隊へと指示を飛ばす司令官の如し。歌いながらギターをかき鳴らす、いわゆる“ギターヴォーカル”とは、ちょっと趣が違う。やはり彼は、Crack6という空間の“MASTER=主”なのだ。

とはいえ、決して孤高なわけでも独り善がりなわけでもない。「一撃必殺!!!!!!」のユニゾンに合わせてフロント陣が左右にステップを踏み、「Blade in the Soul」で一斉に頭を振れば、JIRO 6(Dr)も凄まじいブラストビートを叩き込んで、猛烈な一体感を体現。流麗な和メロと重厚なバンドサウンドの取り合わせが斬新な「桜花の空」を挟み、客席に対しても“初めて来た人は、動きを間違えても気にしないで”とMSTRが呼びかける。

一転、「イキナリ×××」「記憶の匣」を並べてデジタル/エレクトロな側面を垣間見せるが、それも彼らが持つ引き出しのホンの一部分。サイレン鳴り響く中フラッグを振って拡声器から歌を放つ「773H」、“Crack!”“Six!”とフロアと掛け合う「CODE NAME”666”」、サウンドプロデュースを務めるSHIGE ROCKS(G)&MSTRで激烈なハモりをカマす「Brilliant Life」と、バラエティ豊かなメニューに一瞬たりとも目が離せない。

「目、悪いんですよ。頭は良いんですけど……」と、MSTRいわく“ワンマンだから許されるトーク”で笑わせた客席をセンターから二手に分け、ジャンプ対決させた「キラ☆キラ」では、「ライヴっていうのは勝ち負けだぞ!」とTENZIXX(B)も煽りまくり。結果は引き分けとなったが、「心の定規が一緒だった」という寸評には確かな知性が漂って、先程の台詞が事実であることを証明する。ラップも交えたミクスチャーチューン「電撃ミサイル2006」からの終盤では唸りをあげるフライングVを操る一方、本編を締め括る「Loveless」で悲恋をメロディックに歌い上げるMSTRの姿が。スーパーテクニックを誇るギターヒーローでありながら、バンドの要となってメッセージを伝えるヴォーカリストでもあることを証明した彼に、割れんばかりの“MSTR!”コールが贈られた。

「人間、迷うこともある。そんなときは原点だったり過去に戻ることも大事。この音楽シーンを一緒に盛り上げていきましょう」─MSTR

「主食はみんなの声援なんで、無いと死にます。よろしく!」と満場の声に応えて登場し、オーディエンスと共にタオルを大きく振る「マリーゴールド」で幕開けたアンコールでは、そんな真面目なMCも挟みつつメッセージの面を強くアピール。中でも真剣な眼差しでフロアに腕を差し出し、届けた壮大チューン「True Sympathy」は、“僕の音楽はいつも 君のために 輝き続けると誓う”という歌詞が彼の本心であることを、その場の全員に熱く知らしめた。7月31日に誕生日を迎えたSHIGE ROCKSをサプライズで祝い、“気愛 愛 愛 愛 愛 愛羅武勇!”と会場中で「気愛~愛羅武勇~」を合唱したダブルアンコールの最後は「NEO」。“We are Crack6!”と叫び、フラッグを掲げるMSTRは、やはり迷い多き人生を歩む人々を導く先導者であった。

何事も“続ける”ことには困難がつきまとう。内的なモチベーションの変化、外的な障害を乗り越えて、なお一つのことを長く持続するというのは、決して容易いことではない。だからこそ、自らのソロプロジェクトたるCrack6を10年、そして母体バンドのPENICILLINを20年続けてきた彼の生き様に学ぶべきことは多いだろう。ライブ中「結成して10年、今回のツアーが一番いいです」と語ったMSTRには、未だキッズの魂が宿っている。終演後に発表された12月のアルバムリリース、その後のワンマンツアーでも、未来を拓くための重要なシグナルが我々に向けて発信されるはずだ。


取材・文●清水素子
PHOTO●菅沼剛弘

<セットリスト>
1 シグナリズム
2 パラサイト
3 破壊不可能
4 ftte#6
5 一撃必殺!!!!!!
6 Blade in the Soul
7 桜花の空
8 イキナリXXX
9 記憶の匣
10 773H
11 CODE NAME "666"
12 Brilliant Life
13 キラ☆キラ
14 電撃ミサイル2006
15 Crazy Poker Face
16 Set Me Free
17 Loveless

EN1
18 マリーゴールド
19 Decay
20 True Sympathy

EN2
21 気愛~愛羅武勇~
22 シンセカイ
23 NEO

【Crack6 今後の予定】

イベントライブ
「Bands Shock REVOLUTION ~びじゅある祭2013~」
13.10/13(土) 大阪 服部緑地野外音楽堂

イベントライブ
「BRAND NEW WAVE ~HALLOWEEN PARTY 2013~」
13.10/26(土) 渋谷 O-WEST

イベントライブ
「Crazy Monsters ~HALLOWEEN PARTY 2013~」
13.10/27(日) 渋谷 O-WEST

ワンマンツアー
13.12/28(土) 渋谷 O-WEST
14.1/5(日) 名古屋 ell. FITS ALL
14.1/11(土)・12(日) 大阪 RUIDO
詳細、後日発表。

2013年12月 10th Anniversary 第一弾 ALBUM リリース決定。

【PENICILLIN 今後の予定】

ワンマンLIVE
O-JIRO BIRTHDAY LIVE「PENICILLIN とのさまGIG 2013」
13.9/14(土) 渋谷 CLUB QUATTRO  OPEN 17:00 / START 18:00
13.9/21(土) 梅田 Shangri-La  OPEN 17:30 / START 18:00

「PENICILLIN TOUR 2013 とのGIG to ROCK ROCK II」
13.9/15(日) 渋谷 CLUB QUATTRO  OPEN 16:00 / START 17:00
13.9/22(日) 梅田 Shangri-La  OPEN 17:00 / START 17:30
13.9/28(土) 名古屋 ell. FITS ALL  OPEN 17:30 / START 18:00
13.10/6(日) 恵比寿 LIQUDROOM  OPEN 16:00 / START 17:00

千聖 BIRTHDAY LIVE「ROCK×ROCK “ろ9周年”」
13.9/29(日) 名古屋 ell. FITS ALL  OPEN 17:00 / START 17:30
13.10/5(土) 恵比寿 LIQUDROOM  OPEN 17:00 / START 18:00

HAKUEI BIRTDAY LIVE「SUPER HEART CORE ‘13」
13.12/15(日) SHIBUYA AX  OPEN 17:00 / START 18:00

2013年10月9日(水) NEW SINGLE リリース決定。
詳細は近日発表。

◆Crack6 オフィシャルサイト
◆Crack6 オフィシャルモバイルサイト&ファンクラブサイト「CLUB NEO」
◆PENICILLIN オフィシャルサイト