【インタビュー】CROSSFAITH、世界デビューアルバム発売「世界的に見ても海外でこれだけやってるバンドはそうない。2012年だけで20ヵ国です」

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CROSSFAITHが9月4日、ニューアルバム『APOCALYZE』をリリースする。アメリカ最大の野外サーキットフェス<VANS WAPRED TOUR 2013>やイギリス最大の野外フェス<Reading & Leeds Festival>への参加をはじめ、母国日本では<OZZFEST>や<SUMMER SONIC 2013>出演など、ワールドワイドな活動を展開中の5ピースによる現在進行形の世界規格サウンドが、熱く激しい。

レコーディングはアメリカ・ニュージャージーで行われた。プロデューサーは前作同様、Machine。その音像は突き抜け、収録された全13曲は、ドラマティックなシンセとエッジの鋭い弦楽器が重厚にして繊細なサウンドスケープを描く。メタルコアやラウド/スクリーモといったスタイルはそのままに、大胆に採り入れた新たな音楽的アプローチにも注目したいところだ。全30ヵ国を廻るものになるという<APOCALYZE WORLD TOUR 2013>を開催中の彼らが、ワールドデビューアルバムと世界を語る。

◆CROSSFAITH 拡大画像

■野球をやるならメジャーリーグじゃないけど、バンドなら海外で──Koie
■<WARPED TOUR 2013>の出演者コンテストで一位に(笑)──Tatsuya
■日本を含め、ツアーでは世界を廻るという意識が強いです──Hiroki

──8月の頭にUSパンクの祭典<WARPED TOUR 2013>(6月15日~8月4日)全41公演から帰って来たんですよね。やり終えてみて、いかがでした?

Koie:あっという間ですね。夏の入口に向こうに行ったからすごく暑くて。最初の一週間は<WARPED TOUR 2013>がどんなものかを様子見して、ライヴもお客さんの反応を観ながら改良を重ねて……と考えているうちに終わりました(笑)。真ん中がめっちゃ早かったです。

Teru:ほんと一言で表せないくらい貴重な経験でした。2ヵ月で41本のスケジュールもバンドにとっても初でしたからね。

──<WARPED TOUR 2013>は、ほぼ毎日ライヴがあるんですよね?

Koie:いちばん長いときで9連ちゃんありますからね。大体、1週間に1回オフがあるけど、それも移動日ですからね。<WARPED TOUR 2013>自体はアメリカのパンク/ラウド・ロック勢が一堂に集まるし、アメリカのシーンでいちばん大きなマーケットなので刺激的でした。

Teru:漠然としていたアメリカのシーンをリアルに感じられたし、今いちばんホットなものを身を持って体験できました。<WARPED TOUR 2013>で一緒に回ったバンドは、日本で東名阪だけ回るバンドとは違う関係性になれますからね。

Koie:毎日、全バンド参加のバーベキュー・パーティーがあって、昨日一緒に飲んだ奴とケータリングでご飯待ってるときに「おっ!」という感じで会うんですよ。それで仲良くなって、お互いのツアー・バスに遊びに行くことも増えたりして。あと、バンドの大小に関係なく、当日の朝に自分は何時からライヴをやるのか、何時からインタビューがあるのか、何時からサイン会があるのか、知らされるんですよ。全バンド平等だから、そういう意味でもいいイベントですね。

──へぇー、そうなんですね。

Koie:夜のバーキュー・パーティーで一週間に一回イベントがあるんですよ。ドラマー対決みたいな出演者だけのイベントが開催されて、そのコンテストでTatsuyaは一位になりました。

──凄いじゃないですか!

Koie:最終ラウンドでブラックダリアマーダーを倒して、一位になりました。レベルはめちゃくちゃ高かったんですけどね。

──Tatuyaさん、ブラックダリアマーダーに勝った気分はどうですか?

Tatsuya:もう、そのときは既にベロベロに酔ってたので、あまり覚えてなくて。とにかく楽しもうと思って叩いてたら、1位になりました(笑)。

──ははは。<WARPED TOUR 2013>を含め、今、日本でこれだけ海外でツアーをこなすバンドはほかにいないと思います。世界で勝負したい、という気持ちは最初からあったんですか?

Koie:結成当時から海外で活動したいと思ってました。俺らはほとんど日本の音楽を聴かず、海外の音楽で育ちましたからね。野球をやるならメジャーリーグじゃないけど、バンドをやるなら海外でやりたいなと。その中でいろんな人に出会えて、去年からそういうベースががっちり固まったんですよ。日本のバンドで海外へ行きたい、CROSSFAITH羨ましい、と思ってる人はいるかもしれないけど……言うたら、海外に一人行くだけでウン十万かかりますからね。決意とチャンス、運と強い気持ちを持たないと、なかなかできないと思います。世界的に見ても、これだけ海外でやってるバンドはいないんじゃないですかね。去年だけで20ヵ国ですからね。

Hiroki:今回の『APOCALYZE WORLD TOUR』では30ヵ国回りますからね。でもそこにお客さんがいて、待ってくれる人がいると思うと、楽しみで仕方がないですね。日本を含めて、世界をツアーするという意識が強いです。

──なるほど。基本的なことも聞きたいんですが、バンドの結成は2006年ですよね。最初はどんな音楽をやろうと思ってました?

Koie:僕とKazukiとTerufumiでCROSSFAITHの前に違うバンドをやってたんですよ。その頃からヘヴィな音楽やミクスチャー・ロックをやってました。で、バンドが解散した後に僕がメタルコアやスクリーモにハマって、こういう音楽をやりたいなと。でも当時は高校生だったから、周りにツインペダルをバシバシ踏める奴がいなくて。僕は高校の軽音楽部で部長をやってたんですけど、そのときに新入生が体験入学で来て、SLIPKNOTの「(sic)」を叩いたのがTatsuyaなんですよ。「こんな奴、見たことがない!」と思って、スタジオに呼んでセッションして、一緒にやろうよって。それが母体の結成ですね。

Teru:最初の1~2枚目の音源はメタルコアにエレクトロを乗せたスタンスで、LINKIN PARKとかに影響を受けてました。でもLINKIN PARKはそこまでヘヴィじゃないし、SLIPKNOT、KILLSWITCH ENGAGEはヘヴィだけど、そこまでエレクトロを取り入れてるバンドじゃない。どういう風に自分たちなりのアプローチをすればいいのか、悩みました。それでバンドにキーボードが入ってる音を参考にするよりも、ダンス・ミュージックやエレクトロの要素を持つ音楽をバンドに取り入れよう、と思ったのが今のスタイルになるきっかけですね。

Koie:CROSSFAITH結成時は似たような音楽性のバンドがいなくて、Teruは試行錯誤してましたね(笑)。

Terufumi:「Blue」という曲で、ブレイクダウンのときにトランス要素の入ったシンセを入れるアイデアが浮かんだんですよ。バンドの中にいるDJやキーボードは引っ込んでるイメージがあったけど、目立ちたいと思ったので、ガッツリ入れてみたら面白い曲調になって。

Koie:Teruが夜中に俺んちに来て、「こんなの入れようと思うんやけど」って聴かせてもらったときに、ぶっ飛んだもの作ってきたなと(笑)。

Teru:1~2枚目の音源はKazukiが曲を作って、それに対してスパイス的に乗せてたんですよ。そうすると、バンド・サウンドとキーボードの音色が両極端になりがちで、自分のアプローチがマンネリ化しそうな感じがして。その頃にENTER SHIKARIとかバンドにエレクトロを入れる人たちも出てきたけど、バンド・サウンドもエレクトロも両方活きてるバンドは俺たち以外いないんじゃないかと。で、『ZION EP』のときに俺の方からメインになるフレーズを持って来て、Kazukiと密で曲作りするようになり、バンド・サウンドとエレクトロのダブルパンチを目指そうと。その延長線上にあるのが今回のアルバムなんですよね。だから、『ZION EP』である程度のスタイルを確立できました。あと、『ZION EP』の前に『PUNK GOES POP』というコンピで、PRODIGYの「Omen」のカヴァーをしたんですよ。PRODIGYはバンドだけど、ダンス・ミュージック的な要素も強いじゃないですか。俺が打ち込みだけで作った曲を、逆にバンド側に提案したらどうだろうって、そういう発想もできるようになって。

Koie:Teruの曲はKazukiの曲と180度違うから、今回のアルバムに関してもヴォーカルは違うアプローチで乗せないといけなくなって、自ずと新しいトライは増えましたね。

Teru:そういう意味で、いろんな可能性がまだまだあるなと。ヴォーカルから作ってもいいし、歌詞から作ってもいいし、次はどんな曲を作ろうかなって楽しみですね。

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