【速報レポート】<中津川 THE SOLAR BUDOKAN 2013>中津川ソーラーフォークジャンボリー、40年の時を超えて届いた先人たちからのメッセージ

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御年70歳を迎えた小室等。かつて、この中津川で1969年から1971年にかけて3回開催された<「中津川フォークジャンボリー」吉田拓郎の「人間なんて」>で伝説となった、第3回の出演者である小室等。1970年代から活動しているフォーク・グループ我夢土下座と土着民と共に、小室等がこのイベントに参加する意義を考えながら、開演を待った。

◆<中津川 THE SOLAR BUDOKAN 2013> 中津川ソーラーフォークジャンボリー 拡大画像

まず、佐藤タイジが登場し、2012年のソーラー武道館の打ち上げで、中津川でのフェス開催の案が出たこと、そして中津川フォークジャンボリーに出演した先輩たちに出てもらおうという話が出たことが観客に伝えられる。そして「僕の方から紹介させて下さい!」という言葉の後、小室等がステージに上がる。

「年齢は全然違うけど、このイベントにたどりついたタイジ君、あなたは素敵です」と大先輩からの賛辞が贈られ、タイジがステージを後にすると、小室が「昔あった『木枯らし紋次郎』っていうドラマの主題歌です」と、「誰かが風の中で」を弾き語る。

「隣のステージでは堂珍君がやってるけど、さっき紹介されて友達になりました(笑)。エールを送りましょう」と、フォーク世代らしいMCを。ステージ横では、女性2人がライブ・ペインティングをしている。なにやらヒッピー・ムーブメントが蘇っているかのようだ。

「このライブに、地元のミュージシャンが出ないでどうするんですか!?」と呼びこまれたのは地元の4人組フォーク・グループ、土着民。「私の人生サブステージ」という、文字通り自分の人生を歌った楽曲に和やかな手拍子が起こる。小室等を加えた「時給自足で生きましょう」では観客と“ホイッ!”と拳を振り上げるコール&レスポンス。

「もう一方の原住民を呼びましょう(笑)”と7人組のグループ、我夢土下座(カムトゥギャザーと読むとのこと)がステージへ。マンドリン、スティール風に横に寝かせたドブロ・ギターが夜風に心地よい。

「やさしい時代」では小室も加わり、“悲しみは続くわけじゃない やさしい時代がやってくる”と歌う。言ってしまえば平凡に聴こえる歌詞が、平凡だからこそとても染み入ってしまった。

続いて小室等の娘、こむろゆいも加わり、カントリー調の「小さな町」を演奏。観客に向けて、次の歌詞を読み上げ、「みんな一緒に!」と合唱。見ればステージ前の年配の観客は立ち上がり手を叩き歌っている。

大団円かと思いきや、40年前に歌ったという「ゲンシバクダンの歌」を。“ゲンシバクダンは怖いな”と緩い曲調で歌うことでよりその恐ろしさを強調しているようだ。なんと、これは発売禁止になった曲だそうだ。原発に対するアンチテーゼとしてどうしても歌いたかったのだろう。

「もう一曲だけ!ごめんね、ケンちゃん!」と、次の出番を待つエンケンこと遠藤賢司に一声かけてから歌い出したのはヒット曲「出発の歌」。“さあ、今銀河の向こうに飛んで行け”というサビに「聞いたことある!」という若い観客の声が聴こえてきた。時間が40年遡ったような、心穏やかに時間を過ごせるコンサートであった。

取材・文◎岡本貴之 撮影◎平野大輔

◆<THE SOLAR BUDOKAN>オフィシャルサイト
◆小室等 オフィシャルサイト
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