30年近いキャリアを持ちながら、音楽的な探究心を損なうことなく、そのクールな佇まいで活動を続けるBUCK-TICK。<中津川THE SOLAR BUDOKAN 2013>への参加は正直意外な気もしたが、自らもフェスを主催する彼らだけに、どんな客層も“BUCK-TICK現象”に巻き込む術は心得ていることだろう。

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REVOLUTION STAGEに壮大なSEが流れ、女性ファンの嬌声が上がる。SEがエレクトロニカなビートに変わると、メンバーが次々と登場。大歓声と手拍子に迎えられて、テンションが上がっているのか、ドラムのヤガミトールは登場と共にスティックを客席に放り投げた。迷彩柄のパンツに黒いブーツの今井寿(G)、黒装束を身に纏ったヴォーカル櫻井敦司が姿を現わすと、一際大きな歓声が上がり、オープニング曲「真っ赤な夜」でライヴがスタート。“真っ赤に染まるんだ”というリフレインに両手を突出し声を上げる観客たち。相当な人数がREVOLUTION STAGEに詰めかけている。明らかにこのフェスのここまでで一番の集客だ。

続くバスドラ4つ打ちのダンス・ナンバー「Baby,I want you」の強烈なビートに急かされるように、既に誰もがBUCK-TICKの世界に入り切っているようだ。曲の最後には観客に“Baby,I want you”とコーラスをさせて挑発的に腰をくねらせる櫻井。MCでは“みなさん、今日は明るいけどいきましょうよ”と、夜行性のパーソナリティを自覚したコメントで笑いを誘う。続く曲も4つ打ちでリズムが前に出る「羽虫のように」。曲中、今井ともう一方のギタリスト星野英彦が立ち位置を逆転して演奏。途中、マイクが落ちるアクシデントがあったものの、慌てずにゆっくりとマイク・コードを手繰り寄せる櫻井がむしろカッコよく見えるから不思議だ。

ヤガミトールがイントロでフロアタムの重いジャングル・ビートを叩きだすと、再び観客の多くが手を上げて踊り出す。「Memento mori」は、ジャングル・ビートと琉球音階が融合した実に不可思議な魅力を持った曲だ。強い日差しに照らされたここ中津川に、沖縄のムードが漂った。「Alice in Wonder Underground」では、櫻井の演劇性を感じさせる立ち振る舞いに今井のサブ・ヴォーカルが挿入され、BUCK-TICKならではのダークなポップさを際立たせる。“熱いぜ……行くぜ!”と拡声器を手にサイレンを鳴らす櫻井。曲は英詞の「ICONOCLASM」だ。1989年、オリコンチャート1位を獲得したアルバム『TABOO』の冒頭を飾るナンバーが披露される。2つのコードを行き来するフレーズを樋口豊が弾くゼマイティスのベースがリードした。妖しげに女性を誘う曲「CLIMAX TOGETHER」にステージ付近の女性ファンはすっかり魅了されている様子だ。

“みなさん、今日はありがとう、そして佐藤タイジ、どうもありがとう。みなさんにとって、良い日でありますように。”という櫻井のMCから最後はパンク・ビートで踊らせる「独壇場Beauty -R.I.P.-」へ。一気に観客が弾け、後方のファンまでノリノリで飛び跳ねている。今井が前に出てソリッドなギター・ソロで視線を集めた。正直、日中の野外フェスはアウェイではないかとすら思っていたことをお詫びしたくなるほどの一体感。もはやジャンルなど超越した余裕のステージングで、その存在感を見せつけてくれたBUCK-TICKであった。

取材・文◎岡本貴之 撮影◎三浦麻旅子

■BUCK-TICK@REVOLUTION STAGE SETLIST
1.真っ赤な夜
2.Baby,I want you.
3.羽虫のように
4.MISS TAKE~僕はミス・テイク~
5.Memento mori
6.Alice in Wonder Underground
7.ICONOCLASM
8.CLIMAX TOGETHER
9.独壇場Beauty -R.I.P.-

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