【ライヴレポート】VAMPS、ZEPP TOKYO公演“UNDER 20 ONLY”で「言うこと聞かないとお仕置きするからね」

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6月28日よりスタートした籠城型ZEPPツアー<VAMPS LIVE 2013>の追加公演が開催された。この追加公演は、9月4日から9月18日まで、ZEPP TOKYO 10DAYSの規模で行われるもの。“BEAUTY AND THE BEAST”をはじめ、3年ぶりに復活した限定公演を含んだ公演から、BARKSは“UNDER 20 ONLY”をレポートする。

◆VAMPS 拡大画像

「VAMPSのライヴが初めての人もいるから僕の考えてるライヴの楽しみ方をちょっと話してみようかな。いつも言ってるんだけど、ここは自由な場所なんですよ」

ライヴの中盤、丁寧な口調でオーディエンスに語りかけるHYDEを食い入るように見つめる10代の熱を帯びた瞳、瞳、瞳。世代の壁なんてはなから存在していない。ステージ分の高さはあれど、同じ目線で向かい合うVAMPSと客席との光景は“ロックのアティテュードを次代に伝えて云々”などと講釈を垂れる余地もなく、ただひたすらにいい。

最終コーナーに向けて<VAMPS LIVE 2013>はさらにアクセルを踏み込みにかかった。福岡の熱狂も冷めやらぬままに幕を開けたZEPP TOKYO 10DAYS! 2012年はここでトータル19公演行なうなど数あるZEPPの中でも“籠城型”の本拠地と言っていいだろう。ファンクラブ限定公演や“BEAUTY AND THE BEAST”(男性客が1階スタンディングフロア、女性客は2階椅子席)など趣向を変えた企画も散りばめられた今回の10公演。今夜は“UNDER 20 ONLY”、すなわち20歳未満限定をテーマにVAMPS vs 10代のガチなロックンロールパーティーが繰り広げられるのだ。

強まる雨脚もなんのその、続々と駆け込んでくる若者たちのウズウズとした熱気でパンパンに満たされたフロア。明るくはしゃいだざわめきが耳に心地いい。ディープなファンと見受けられる気合いの入ったグループもいれば、VAMPS初心者、いや、ライヴそのものが初めてだという子も多いのだろう、未知の世界に目を輝かせた少年や、少々所在なさげにしながらも待ちきれない様子でステージを覆う黒幕に映し出された時刻のデジタル表示が秒単位でカウントアップされるのを固唾を呑みつつ見守る女の子の姿もある。そんな、いたいけで見どころのある少年少女たちの頭上に降るのはガンズ・アンド・ローゼズの「Welcome To The Jungle」やガービッジの「Systematic Habit」などといったゴリゴリのBGM。決して若者側には寄せないVAMPS流儀のおもてなしだ。もちろん開演時刻も“6:66”。日曜日だからとて手加減なし、あくまでもアダルトなVAMPSタイムを貫く。

開演のきっかり5分前、BGMがヘヴィなダンストラックに切り替わり、ミラーボールが回り始めるや、ステージ前に殺到するオーディエンス。“VAMPS!”“フッフー!”と掛け合い、盛り上がる様が頼もしい。しかも“VAMPS!”は“VAM”にアクセントを置いた最新式の世界仕様、10代の順応力たるや恐るべし。そうして6:66ジャスト、凄まじい歓声の中、ギィ~ッという効果音とともに幕が開いた。その向こうでさらにステージを覆う紗幕に飛び交うコウモリが映し出される。このオープニングはこれまで見ていないパターンだ。黒々と不気味な山を作るコウモリ、その山に重なるHYDEのシルエット。「DEVIL SIDE」のイントロとともに紗幕が落ちて現われたのは全員正装のVAMPSだった。

ちなみにテーマは“先生と執事”らしい。なるほどシルクハットこそ似つかわしくないが渋いダブルのベストに黒の腕カバー、シルバーフレームのメガネという出で立ちのHYDEが先生で、執事は見るからにJu-ken、ARIMATSU、JINだ。しかしジャケットに白シャツながらラフなパンツスタイルで着崩し、しかもサングラスまで掛けたK.A.Zの場合はどちらとも判じ難い。むしろオシャレな不良学生といったほうがしっくりくる気もする。いずれにせよ、大人の本気をビシビシと感じさせる粋なお出迎えにオーディエンスが興奮しないわけがないだろう。

「授業を始めるよ。首とかちゃんと洗ってきた? 言うこと聞かないとお仕置きするからね、ウチは体罰ありだから。ちょっとクセになるかもしれないけど……一緒に行こうぜ」

HYDE先生のアンニュイな口調が「THE PAST」の気怠いシーケンスSEと相まって場内に蠱惑的なムードを醸す。いつにも増してエモーショナルに迫る「SECRET IN MY HEART」。「REPLAY」で容赦なく聴き手をダークな世界へと引きずり込んだかと思えば、「GET UP」の晴れやかな開放感が一気に昂揚の高みへと押し上げる。「SWEET DREAMS」の甘苦い余韻、歪んで滲む「EUPHORIA」の夢幻。あまりに激しく動くためHYDEのベストの肩口からサスペンダーが覗くのがやたらとセクシーに映る。タッピングをしようと何気なくピックを口にくわえたり、台に跳び乗った次の瞬間のしなやかな着地だったりとK.A.Zの仕草もまた然り。セクシャルな要素もロックには必要不可欠なのだ。

「出席を取ります。20歳の人……はいないですね。じゃ、19歳の人」

HYDEが出席簿をおもむろに開いた。ハイ! と威勢よく挙がる手にうなずきつつ「VAMPSのライヴは常に19曲なんですよね。これは“イク”に掛けてます」とのプチ情報、そうだったのか。続いて18歳、17歳……と遡るうち、なんと12歳の将来有望株までいることが判明し、にわかにどよめく場内。それにしても元気がいい。ひっきりなしに飛んでくる歓声に、「そこうるさい! シャッ!」とチョーク代わりにピックを投げて応戦するHYDE。それがまたオーディエンスを色めき立たせるのだから収拾がつかない。

「思ってたよりも元気いっぱいやな。今日、初めて来た人はいるの? それはいいね、その年頃に観るライヴって記憶に残るものが多いと思うんで、今日は刻みつけてやろうかと思って。怒ってほしいんか、オマエら! ……あのね、かわいすぎて怒られへんわ」

そうして冒頭の言葉に続く。VAMPSのライヴは自由に楽しんでほしいこと、みんなで同じ動きをするのではなく、自分の感じ方で好きに踊って表現するのもカッコいいのだということ、もちろん真似するのも自由やけど真似しないのも自由だから、と。HYDEが手渡した想いは10代の柔らかな心へたしかな楔を打ったに違いない。後半戦、「HUNTING」から「MIDNIGHT CELEBRATION」で最初のハイライトを迎えるまでのオーディエンスの狂騒ぶりはそれまでをも越えて凄まじかった。こんなにもしなるのか、と目を見張らんばかりの勢いで前に後ろにと体を激しく揺らし、全身を精一杯に伸ばして拳を振る。“YEAH!”と歌い出しのロングトーン一発、フロア一面に突き上がったピースサインがこの上なく美しかった。

語弊があるかもしれないが、VAMPSの音楽は子供向けのものではない。楽曲としてのポップさやキャッチーさは持ちつつも、口当たりよくシュガーコートされてもいないし、飲み下しやすく噛み砕かれてもいない。むしろ危険で毒々しくて、口に含めば強烈な刺激がダイレクトに舌を刺す。音楽経験がまだ乏しい者にはある意味、ハードルが高いと言っていいかもしれない。だからこそ、VAMPSの音楽を見つけ出し、果敢に踏み込んできた10代がこれだけいるという事実を心強く思う。

少々のインターバルを経て、5人が再びステージに戻ってきたときにはもう先生も執事も跡形なく、本能むき出しの野獣となって、若き野性と組んず解れつエンディングまで駆け抜けた。大人の余裕を見せつけるでも突き放すでもなく、最後まで遮二無二でオーディエンスに挑みかかるVAMPS。この夜、ここに集まった全員が彼らみたいにヤンチャでロックンロールな、いい大人に育ってくれたら、未来もきっともっといい。

残すところ、あと8公演。<VAMPS LIVE 2013>のラストに待ち受けているものは……? ヨーロッパツアーでのロンドン追加公演、また恒例のハロウィンイベント<HALLOWEEN PARTY 2013>の開催も告知された今、その新たなスタートを占う意味でも見逃すわけにはいかない。

取材・文◎本間夕子
撮影◎田中和子

■偉大なる軌跡をたどるベストにして世界デビュー盤
『SEX BLOOD ROCK N’ ROLL』
2013年9月25日(水)日本発売
【初回限定盤A(CD+Blu-ray)】UICV-9036 ¥5,800
デジパック仕様スリーブ付 / ジャケット写真ステッカー封入 / VAMPS CHANCE応募シリアルナンバー封入(全商品共通)
・SHM-CD:全13曲収録、曲順未定
【初回限定盤B(CD+GOODS)】UICV-9037 ¥10,500
完全生産限定10,000セット / シリアルナンバー刻印 / VAMPS CHANCE応募シリアルナンバー封入(全商品共通)
・SHM-CD:全13曲収録、曲順未定
・GOODS:Tシャツ、トートバッグ、マフラータオル、リストバンド、4点封入
【通常盤(CD)】UICV-6660 ¥3,100
VAMPS CHANCE応募シリアルナンバー封入(全商品共通)
全13曲収録、曲順未定
※上記CDは全て高音質再生CDを採用しております。
<3タイトル共通SHM-CD収録予定曲>
●DEVIL SIDE
●REDRUM
●REVOLUTION (REMIX予定)
●THE PAST
●VAMPIRE DEPRESSION
●SWEET DREAMS
●Life On Mars?
●HUNTING (REMIX予定)
●LOVE ADDICT
●ANGEL TRIP
●MEMORIES
●MY FIRST LAST
●SEX BLOOD ROCK N’ ROLL

■<VAMPS LIVE 2013>
9月28日(土) スペイン・バルセロナ @APOLO
10月1日(火) フランス・パリ @Olympia
10月3日(木) ドイツ・ベルリン @Kesselhaus
10月6日(日) イギリス・ロンドン O2 Academy Islington
10月7日(月) イギリス・ロンドン O2 Academy Islington

■<VAMPS US公演>
12月4日(水):Los Angeles House of Blues (Los Angeles) 
12月8日(日):Roseland Ballroom (New York)

■<VAMPS LIVE 2013 in LONDON>ライブ・ビューイング
・生中継──2013年10月8日(火) 朝4:00開演(現地時間10月7日(月)20:00開演)
・ディレイ中継──2013年10月8日(火) 19:00開演
会場:全国の映画館
※開場時間は会場により異なります。
※会場リストなど詳細は http://www.liveviewing.jp/vamps/
料金:全席指定¥3,500(税込み)
<注意>
※生中継は、早朝興行の為、地区条例によりご入場いただける年齢に制限がある場合がございます。ご購入前に必ずご確認下さい。詳しくはライブ・ビューイング・ジャパンオフィシャルホームページ会場リストをご確認下さい。
※ 大阪府では16歳未満の方で保護者同伴でない場合は、終映が19:00を過ぎる上映回にはご入場いただけません。予めご了承下さい。
<プレオーダー>9月16日(月・祝)12:00~9月19日(木)23:59
イープラス http://eplus.jp/vamps-london-lv/(PC、モバイル共通)
<一般発売>9月28日(土)12:00~10月7日(月)12:00
イープラス http://eplus.jp/vamps-london-lv/(PC、モバイル共通)
または、全国のファミリーマート店内のFamiポートにて。
※一般発売は先着順での受付となりますので、予定枚数に達し次第、受付終了となります。
[問]イープラス 0570-07-5050(10:00~18:00)オペレーター対応
※劇場内は、いかなる機材においても録音/録画/撮影は禁止となっております。
※配信中継イベントの為、映像・音声の乱れや中断が生じる場合がございます。予めご了承ください。
※公演が予定終了時間を大幅に超える場合、公演途中でも上映を終了する場合がございます。予めご了承ください。

◆VAMPS オフィシャルサイト
◆HALLOWEEN PARTY 2013 オフィシャルサイト
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