ローランドから手や指で演奏できる電子パーカッション「HandSonic HPD-20」登場! 民族楽器から最新ダンス系サウンドまで850音色を搭載

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ローランドから、手や指で叩くことで直感的に演奏できるデジタル・ハンド・パーカッション「HandSonic(ハンドソニック) HPD-20」が9月27日に発売された。世界各国の打楽器からドラム・セット、ダンス・ミュージック向けのサウンドまで豊富な音色を搭載、新たにWAVファイルを取り込んで鳴らすことにも対応した「HandSonic」の最新モデルだ。

「デジタル・パーカッション」は、1台にさまざまな打楽器の音色を備えたデジタル楽器の1種。「デジタル・ハンド・パーカッション」となると、スティックではなく「手や指で」打面を叩いて演奏する楽器だということが想像できるだろう。用途としては、アコースティック・パーカッションの代わりとしての使用はもちろん、アコースティックの打楽器セットに特殊な打楽器音や効果音でアクセントを加えるなど、ライヴ演奏での強い味方となる。

また、音楽制作の分野では、思いのままに叩いたリズム・フレーズを曲作りに活用するという人も多いし、最近ではダンス・ミュージックにおけるパフォーマンスの場でも注目されている。そんなデジタル・ハンド・パーカッションの新製品として、アコースティックからエレクトロニック系まで豊富な音色バリエーションを装備、ライブや音楽制作などあらゆるシーンで活用できるモデルとして登場したのが「HandSonic HPD-20」だ。

■850種類の音色を用意、SuperNATURALサウンド・エンジン搭載で演奏表現力もアップ

内蔵音色は850種類。コンガ、ジャンベ、カホン、タブラなど世界各地のパーカッションに加え、スチールパンなどのメロディック・パーカッションや、ティンパニなどのオーケストラ・パーカッション、Vドラムで高い評価を受けるアコースティック・ドラム音色を用意。さらにエレクトロニック系サウンドやダンス・ミュージック向けサウンドも豊富に取り揃えている。「HandSonic HPD-20」をライブ・セットにプラスするだけで、極めて多彩な音楽表現ができるのだ。

音色数だけでなく音質向上も重要なチェックポイント。「HandSonic HPD-20」は、デジタル・パーカッションとしては初となる最新音源SuperNATURALサウンド・エンジンの搭載により、パッド部の演奏表現力を徹底的にブラッシュ・アップ。楽器の振る舞いまでも再現することで、これまで難しかったパーカッション特有の奏法や表現も、より自然に再現できるようになっている。ローランドのシンセサイザー「JUPITER-80」「JUPITER-50」やサウンド・モジュール「INTEGRA-7」が、SuperNATURALサウンド・エンジンの搭載で、従来以上に自然で豊かなサウンドを実現したことで注目を集めたことを覚えている方も多いだろう。あのエッセンスが「HandSonic HPD-20」にも詰め込まれているのだ。

■心地よい演奏感のパッドと多彩な表現を可能にするコントローラー


▲演奏の中心となるパッド部は、メイン・パッド(M1~M5)とサブ・パッド(S1~S8)に13分割。手前の2つのパッド(M1、M2)は、叩く場所によっても音色が変化する。プレッシャー・センスでたとえばM1を押し込みながらM2を叩くと、音が短く(ミュート)なったり、音程(ピッチ)が上がったりする。

▲液晶パネルの上にあるのがDビームコントローラー。パッド外周にはリアルタイム・モディファイ・コントローラー、ROLLボタンなどが配置され、演奏中の音色変化がカンタンに楽しめる。
「HandSonic HPD-20」のルックスを際立たせているのが、13分割されたパッドの存在。各パッドにはそれぞれ異なる音色を割り当てることができ、1台でたくさんの楽器の音や効果音を演奏することが可能だ。演奏表現の要でもあるこのパッド部には、打感に優れたシリコン素材を採用。手のひらを使った力強いショットから、指先を使った繊細な演奏まで、打楽器ならではのダイナミックな演奏表現を実現している。

すべてのパッドは叩く強さを検出するだけでなく、押し込むことで音色をコントロールできるプレッシャー・センスに対応する。たとえば、手前にある大きな左のパッドを押し込みながらその右のパッドを叩くと、音が短く(ミュート)なったり、音程(ピッチ)が上がったりする。ROLLボタンをオンにした状態でパッドを押し込めば、音が繰り返し鳴り続ける「ロール」もカンタンに表現可能。ロールの速さをパッドごとに変えることもできるので、連打のための鍛錬も不要というわけだ。また、手前2つの大きなパッドでは打点位置の違いによる音色変化も得られる。さまざまな手法で、微妙な演奏ニュアンスが思いのままに表現できる。これは実際に演奏して初めて実感できる部分だろう。

音色セットの切り換えがカンタンなのもライヴ派にはうれしいところ。音色セットは、打面に割り当てた音色をひとつにまとめたもので、本体に200セットが保存可能。そのうち100セットには、さまざまな音楽ジャンルを網羅した音色セットをあらかじめ用意。曲やライヴの展開に合わせて、瞬時に切り替えながら演奏できるようになっている。

パッドに加えて光センサーにより、かざした手の動きで音色変化などをコントロールできる「Dビーム・コントローラー」や、パッド部の左上に用意されたつまみとボタンがセットになった「リアルタイム・モディファイ・コントローラー」も用意。演奏中、瞬間的に音程や音色、エフェクトを変化させることで、オーディエンスをハッとさせるようなパフォーマンスもOKだ。ちなみに、これらの操作内容がすべて液晶ディスプレイで確認できるのも見逃せないポイントだ。

■音づくりもバッチリ! WAV取り込み&レイヤー機能

演奏表現と同様、音づくりのための機能が充実しているのも「HandSonic HPD-20」の魅力の1つ。従来モデルから大きく進化したのもこの音づくりの機能だ。

その1つめはシンセではおなじみのレイヤー機能。パッドごとに2つのインスト(楽器音)が割り当てられるようになっている。2つのインストは重ねて鳴らすだけでなく、叩く強さに応じて切り替えられたり(ベロシティー・スイッチ)、バランスを変化させることも可能(ベロシティー・ミックス/フェード)。同じ音色を割り当てて、チューニングを微妙にずらすことで音に広がりを付けたり、強く叩いたときだけアタック感を強調するなど、工夫次第でより演奏表現を広げることが可能だ。

そして、さらに注目したいのがWAVファイルの取り込み。パソコンで作ったオーディオ・ファイルをUSBメモリー経由で取り込み、ユーザー・インストとして鳴らすことができるのだ。ユーザー・インストは、内蔵のインストと同様にエディットやレイヤーをしたり、エフェクトをかけることが可能。また、ループ再生にも対応するので、ブレイクビーツも手軽に演奏可能。ループに合わせてプレイを重ねることでより複雑なサウンドを構築するもよし、ライヴ中盤で「ここは体力を温存しておきたい」という場面でも活躍してくれる。もちろん、SEにももってこいだ。

■演奏の録音も本体だけで可能、練習やDAWでの制作にも


▲パソコンで作ったオーディオ・ファイルはHPD-20に取り込んで演奏可能。また、QUICK RECで録音した演奏をオーディオ・ファイルで書きだして、USBメモリー(別売り)経由でパソコンへ持っていくこともできる。
楽器演奏のスキルアップに欠かせないのが、自身の演奏を録音して聴くこと。「HandSonic HPD-20」では、QUICK RECボタン1発で、すぐに演奏を録音することができるようになっている。録音した音を聴くことで客観的にジャッジできるのだ。レコーディング方法はリアルタイムで、分解能480クロック/4分音符、最大記憶音数は約30,000音。録音したトラックにさらに音を重ねてプレイすることもできるし、USBメモリーにオーディオ・ファイルとして書き出すことも可能だ。

QUICK RECで録音した演奏は、オーディオ・ファイルとしてパソコンに持っていけるので、DAWソフトを使った楽曲制作にも生かせる。パッドを叩きながら思いついたフレーズをどんどん録音していけば、自分専用のリズム素材がいくらでも出来上がる。しかもそれは、打ち込みではカンタンに生み出すことのできない、人間味あふれるビートだ。プレイヤー志向の人だけでなく、トラックメイカーも要チェックなのだ。

パソコンとの連携に関しては、MIDI端子やUSBオーディオ/MIDIインターフェース機能が装備されているのも忘れてはならない。パッドによる演奏を、MIDIやオーディオでパソコンにレコーディングできるのはもちろん、ソフトウェア音源のコントローラーとしても活用できるので、楽曲制作環境にもバッチリ組み込める。さすがローランド!と思わせる部分だ。

■外部パッドやハイハットも追加OK、充実の拡張性

最後に拡張性についても触れておこう。本体リアパネルには、足を使ってさまざまなコントロールを可能にするFOOT SW端子に加え、外部拡張パッド用のTRIG IN端子、ハイハット・コントロール・ペダル用のHH CTRL端子が用意される。これらを利用すれば、キック・パッドを接続して足で演奏する、バー・トリガー・パッドを追加する、足を使ってハイハット音色の開閉をコントロールしたり、音色を変化させる、といったことが可能。「HandSonic HPD-20」を核としたコンパクトなドラムセットが出来上がる。

このほかリアパネルには、前述のUSBメモリー経由でのパソコンとのオーディオ・ファイルのやりとりに使うUSB MEMORY端子、オーディオ/MIDI信号をやりとりするパソコン接続用のUSB COMPUTER端子を用意。デジタル・オーディオ・プレーヤーをつないで曲に合わせて演奏を楽しむためのMIX IN端子(ステレオ標準タイプ)も搭載。本体での演奏音とミックスしてライン&ヘッドフォンに出力されるので、ミキサー不要でお気に入りの曲でセッションが楽しめる。

また、アクセサリーとして、高さや角度調節が自在に行えるパッド・スタンド「PDS-10」、持ち運びに便利な専用キャリング・バッグ「CB-HPD」(パッド・スタンド用ケースも付属)をラインナップ。外部パッドなどは豊富なVドラム・シリーズのアクセサリーがそのまま使用可能だ。


▲本体リアパネル。左からUSB MEMORY端子、USB COMUTER端子、DC IN端子、MIDI IN/OUT。その右は上段右からMIX IN端子、OUTPUT端子(L/MONO、R)、PHONES端子、下段がFOOT SW、TRIG IN、HH CTRL端子。

▲オプションとの組み合わせ例。キック・トリガーKD-7と、ハイハット・コントローラーFD-8を組み合わせれば、コンパクトなドラムセットが構築可能(写真左)。アクセサリーの専用キャリング・バッグCB-HPDは本体用に加えパッド・スタンド用ケースも付属(写真右)。

ここまで盛りだくさんの機能や拡張性を挙げてきたが、「HandSonic HPD-20」最大の魅力は、やはり手や指で直感的に演奏できて、それがとても楽しいということ。ローランドのWebサイトに掲載されたイメージムービーやデモサウンド(下記リンク)をチェックしたあとは、ぜひ実際に楽器店で触ってその魅力を実感してほしい。

<おもな仕様>
パッド:10インチ、13分割、プレッシャー・センス付き※外部パッド(別売)を1つ接続可能。
キット数:200
音色数:850
キット・チェイン:15チェイン(50ステップ/1チェイン)
ユーザー・インスト:ユーザー・インスト数=最大500(製品出荷時のユーザー・インストを含む)、音の長さ(合計)=モノラル 12分、ステレオ 6分、ファイル形式=WAV(44.1kHz、16ビット)
エフェクト:マルチエフェクト=3系統・25種類、アンビエンス=10種類、3バンド・キットEQ
接続端子:OUTPUT(L/MONO、R)端子(標準タイプ)、PHONES端子(ステレオ標準タイプ)、MIX IN端子(ステレオ標準タイプ)、TRIG IN端子(TRS標準タイプ)、HH CTRL端子(TRS標準タイプ)、FOOT SW端子(TRS標準タイプ)、MIDI(IN、OUT)端子、USB COMPUTER端子(USBタイプB(オーディオ、MIDI対応))、USB MEMORY端子(USBタイプA)、DC IN端子
インターフェース:Hi-Speed USB(USBオーディオ、USB MIDI、USBメモリー)
電源:ACアダプター
外形寸法:311(W)×404(D)×102(H)mm
質量:2.4 kg

◆HandSonic HPD-20
価格:オープン(予想実売価格 8万7千円前後)
発売日:2013年9月27日

◆HandSonic HPD-20 製品詳細ページ
◆HandSonic HPD-20 イメージムービー
◆FrontScene HandSonic HPD-20
◆ローランド デジタル・パーカション・ページ
◆ローランド
◆ローランド チャンネル
◆BARKS 楽器チャンネル
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