【インタビュー】Salley「自分の決意を見せたかったし自分に対して言い訳できないものを作っておきたいという気持ちがあった「その先の景色を」」

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まだシングル2枚しか出していないニューフェイスにも関わらず、この堂々たる存在感と、時間と空間と超えるエヴァーグリーンなポップス感覚には、すでに揺るぎない信頼感がある。「赤い靴」、「green」(TOWER RECORDS限定シングル)を経て届いたセカンドシングル「その先の景色を」は、軽やかに刻まれるアコースティック・ギター、四つ打ちの躍動感を隠し味にした心弾むビート、遥かな郷愁を誘う美しいメロディ、そして大地をしっかりと踏みしめて前に向かう決意を綴った力強い歌詞。期待通り、いや期待以上に、Salleyの持つポテンシャルの大きさをはっきりと示す素晴らしいシングルの登場だ。

■みんなはちゃんと地に足をつけているんだけど
■自分だけが踊り続けているという感覚がずっとあった

──デビューから4か月ちょっとで、限定シングルも入れると3作目。快調にリリースが続いてます。

上口浩平(以下、上口):自分たちでペースを決めてるわけじゃないんですけど、アーティスト的にはすごい助かります。ただでさえ世の中の流れは速いので、ちょっとでもきっかけを作らせてもらえるのはすごくありがたいですね。

──ということは、自分たちのペースでやると、もっとゆっくりになるかもしれない?

上口:あー、そうかもしれない。

うらら:でも、どっちかというとせっかちですよ。上口くんは。

──あ、そうなんですね。第一印象と違う…とか言ったら悪いけど(笑)。おっとりタイプに見えるので。

うらら:もう私には、そういうふうには見えないです(笑)。絶対私のほうがマイペースで、みなさんにご迷惑をかけてると思います(笑)。

──意外です(笑)。そんなニューシングル「その先の景色を」は、どんなふうに作った曲ですか。

上口:原型はかなり昔からあって、22、3歳ぐらいの時に作ったものなんですけど。その頃は自分の音楽ができてない状態がずっと続いていて、フラストレーションがたまってて、そういう状態を壊してくれるような楽曲がほしいなとずっと思っていて。うららと一緒にやるということになって、明るい曲を作りたいと思った時に、「そうだ、あの時作ったあのメロディ、良かったな」と。

うらら:二人で曲を作ってみようということになって、上口くんから最初に送られてきたのがこの曲です。その時点では、謎の上口歌詞が乗ってたんですけど(笑)。「書き換えていいよ」と言われたので、歌詞を書き換えました。せっかく二人で作る第一作目になるんだったら、これから音楽をやっていく決意を書いておきたくて、上口くんに対しても自分の決意を見せたかったし、大阪に残してきた友達に対しても“大丈夫だよ”ということを伝える曲でもありたかったし。特に自分に対して、言い訳できないものを作っておきたいという気持ちがあって。

──はい。なるほど。

うらら:自分には弱いところがあって、すぐ言い訳するし、逃げ道があれば逃げ出したくなるタイプなので、自分に言い訳がきかないようにしておきたかったんですよ。もし自分がこの先に、夢をあきらめようとして、言い訳をした時に、「でも、あなたはあの時にこういうふうに言ってますよ」という戒めとして残るような、「あなたは、迷いながらも自分で決意したんでしょ?」というふうに自分に言えるようなものを、と思って書いた歌詞です。

──上口くんも、この曲には始まりの決意をこめたかった?

上口:自分自身に対しての決意は特になかったです。「このユニットはどうなるかわからないけど、とりあえずやってみよう」という感じだったから、あくまでフラットにお互いのセンスをくっつけるほうが、音楽的に健全かな?と思ったので。自分がいいと思った楽曲に、うららが自分が納得のいく歌詞を乗せてくれたらそれでいいかな、と。でもやっぱり、完成した時にはすごくうれしかったです。うららが歌ってくれることで、自分の夢であった“自分の音楽をする”ことがかなえられたので、本当にうれしかった。

──これが本当の1作目なんですね。リリースの順番は逆になってるけれど。

うらら:そうなんです。01、02、03…ってナンバリングしていって、「赤い靴」が03、「green」は06なんですけど、「その先の景色」は01より以前のもので、ナンバリングすることもまだ決めてない時の曲です。

──いろいろ腑に落ちました。これが最初だから「赤い靴」があって、「green」があるんだなって。やっぱり“色”が入ってるし。

うらら:(笑)でもそれ、言われるまで気づかなかったんですよ!「今回は色の名前が入ってないから大丈夫?」とか思ってたら、ファンの人に“色”っていう漢字が入ってますって言われて、「ほんまや~、まったく気づいてへんかった…」って(笑)。

──やっぱり色からイメージを発想する人なんですね。第一作目からそうだったということで(笑)。

うらら:確かに景色とか色とかを思い浮かべながら書いてるから、そうなりがちなんですよね。特に初期の作品には多いのかなと思います。

──うららさんの歌、ファルセットをうまく使って空を舞うような高揚感を感じます。それこそ、Salleyの音楽的要素の一つであるアイリッシュっぽさを感じる節回しだなと思ったんですよね。

うらら:私は何も考えずに歌ってました。がなる感じの曲ではないし、涼しげな感じで歌いたいとは思ってましたけど。ただここで採用されたテイクは、本当に昔に歌ったやつで、今聴くと粗いし、悪く言えば雑なんですよ。最初はちょっと嫌だったんですけど、でもこのセカンドシングルというタイミングであらためて聴くと、初めてレコーディング・スタジオに入って興奮してる自分のみずみずしさとか若さとか、期待感とかがすごく声に出ていて、これはこれでいいなと思ったんですね。自分で聴いても「あの時はこんな気持ちだった」と思って原点回帰できるので、これでよかったと思います。

──サビの“ねえ踊らせて、止めないで”っていうフレーズ。「赤い靴」の“踊っているのは私だけ”につながるところ、ありますよね。

うらら:そうなんですよね。“踊っているのは私だけ”というフレーズはずっと私の中にあったもので、みんなはちゃんと地に足をつけているんだけど、自分だけは踊り続けている、という感覚はずっとあったんで。表現する時に、そういう状態のことを“踊っている”という感じがしちゃうんですよ。

──「green」の、“お願い時を止めないで”というフレーズにもつながるし。やっぱりうららさんの言葉使いのセンスがすべてここに出てるなーという気がします。あ、いや別に、語彙が少ないと言ってるわけじゃないですよ!(笑)

うらら:(笑)でも考え方としてはきっと、全部同じなんだろうなと思います。先が見たいから、今で満足できないから、どうなっててもいいからって…同じこと言ってますね、「green」と。今ビックリしました、私(笑)。

──考え方は一緒なんですよね(笑)。「green」は恋愛で、「その先の景色を」は生き方だけど、基本姿勢は同じというか。

うらら:まったく同じこと言ってるなーと思ってビックリしました、自分で。本当にそうだと思います。

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