20周年のアニバーサリーイヤーを経て、PENICILLINが2013年第1弾シングル「幻想カタルシス」を10月9日にリリースする。哀愁を帯びたフックのあるメロディとダイナミックなPENICILLINサウンドが融合するタイトル曲は、彼らの大ヒット曲「ロマンス」と地続きにあるナンバーだ。そして、カップリングは21年目を迎えた彼ら初の試み。3タイプ同時発売されるCDには中森明菜の「飾りじゃないのよ涙は」など’80年代に一世を風靡した大ヒット曲のカバーがそれぞれ1曲ずつ収録されている。ポップな歌謡曲すらも自分たちの色に染めあげてしまう個性とアクの強さ。これこそが20年以上続いてきたバンドの底力と思わずにいられない。

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■'80年代当時の歌謡曲って日本独特の音楽だった
■その良さは大なり小なり今のロックやR&Bに受け継がれている──HAKUEI

──結成21年目のシングル「幻想カタルシス」は、歌謡なメロディと炸裂する派手なギターサウンドが、これぞPENICILLINと言えるキラーチューンだと思いました。カップリングに’80年代に大ヒットを記録した曲のカバーが収録されているのも新たな試みだけど、事前に何か話し合ったことは?

千聖:3年ぶりのシングルリリースではあるんだけど、でも、あまり気負うことはなかったよね。

O-JIRO:「バラードじゃないよね」とは言っていましたね。

HAKUEI:ただ、今回、カップリングにカバーを入れようっていう企画がもともと決まってたんです。

──そっちが先に決まっていたんですね。

千聖:メーカーの人から、カバーシリーズでやってみるのはどうですか?って提案があったんですよ。HAKUEIくんの声で昭和歌謡を歌ってみたら面白いんじゃないかと。で、みんなで話したら、いいじゃんってことになった。PENICILLINって意外とカバーしてないんですよ。

──音源だとチープトリックぐらいですか?

HAKUEI:ああ、あれはデビュー当時の無料配布シングルに収録された曲で、リアレンジしたわけじゃなく、コピーした曲を僕が歌ったっていう。なので、公式にカバーをリリースするのは初めてですね。

千聖:だから、“今さら?”とか“オリジナルのほうがよくない?”って言われないものにしようと思ったし、別にももクロのカバーだってできちゃうけど(笑)、平成のヒット曲じゃなくて、昭和のほうが面白いかなって。

HAKUEI:スタッフからのアイデアに僕が賛成した理由も、単純に興味があったっていうのもあるし、当時の歌謡曲って日本独特の音楽だった気がするんですよね。ああいう哀愁のあるメロディを歌う歌手は今は少ないけど、歌謡曲の良さは大なり小なり今のロックやR&Bに受け継がれていると思うから、歌謡曲のドンズバに近い曲を選んだんです。自分が小、中学生の頃に聴いて子供ながらに“いい曲だなぁ”と思っていた曲を今のPENICILLINがやったら面白いだろうなって。その話があってのシングルだったので、「幻想カタルシス」を作るときは、意識はしてないつもりだったけど、頭の片隅にカバーのことがあったのかもしれないですね。

──カバーのことも後でじっくり質問しますが、まず「幻想カタルシス」は、どんなふうに出来た曲なんですか?

千聖:いつものようにメンバーそれぞれが曲を作って持ち寄ったんだけど、曲出し期間の最終日になっても、積極的なオレは、もう1曲、作ってみようかなって(笑)。バッ!と作ったからボツになるかな?と思って持っていった曲なんだけど、HAKUEIくんが気に入ってくれて、「これ、やりたいね」と。で、1回、歌ってもらった上で少しメロを変えたりとか。

HAKUEI:僕が書いた曲が最終候補曲になっていたんだけど、「幻想カタルシス」のサビのメロディのほうが今回のシングルのコンセプトに合ってる気がしたんですよ。ただ、AメロとBメロにもっと起伏があったほうがいいなと思ったから、「そこをチャレンジしませんか?」って言ったら「やろうよ」と。

千聖:ある程度の構成、例えばサビ始まりとかはデモの段階で決まってたんだけど、ほかのAメロとかBメロの旋律は話し合って。

HAKUEI:俺はサビで始まって、Aメロで1回落としてBメロで徐々に盛り上げて、またサビでバーンと行きたいって。

千聖:だから、最終的にはみんなで調理して作りましたね。キーボードをここに入れたらどうだろう?とか。メロディーや雰囲気などは、王道と言えば王道なんだけど、アレンジも加わって新鮮味もあったね。まぁ基本、オレらインディーズ時代、雑誌とかで自分らのセールスポイントを説明するときに「激しくてメロが切なくてカッコいいバンド」って書いてたんだから、そういう意味ではドンズバ曲じゃないかと思う曲ですね。

O-JIRO:PENICILLINってメロディアスで切なくて激しいバンドっていうのがありつつ、キャッチーであることもすごく大事にしてると思うんですよ。この曲は構成にしてもストレートでわかりやすい。ただ、あまりにもツルッとしたアレンジはつまらないので、アクがありつつ、ダイレクトに伝わる曲にしたいなって。

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