【インタビュー】Superfly、ベストアルバム&ロングツアーを語る「人間力をもっとつけていかなきゃっていうのが今の目標なんです」

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『Superfly BEST』──これまでの配信限定曲を含む全シングル曲に、過去・現在・未来がテーマの新曲3曲を加えた初のベスト・アルバムは、Superflyにとって集大成という以上の意味を持つものだ。また、2013年3月から4月に開催されたSuperfly 5th Anniversary Super Live<GIVE ME TEN!!!!!>ファイナル、さいたまスーパーアリーナ公演を完全収録したLIVE DVD/Blu-rayのリリースも発表となった。以前は「ベストアルバムはまだ早い」と考えていたそうだが、2012年から2013年4月まで続いた長いツアーの間に気持ちが変化、「今は胸を張って、このベストアルバムを届けたいと思います」と言う。では、そういう心境になったのはなぜなのか。それを探るために、まずはツアーをじっくり振り返ってもらった。

◆Superfly 画像

■自然と6年間の締めくくりみたいな感情になっていった
■ Superflyは続いていくよっていうメッセージを伝えたかったので

──まずは長かったツアーを振り返って話を聞きたいんですが。2012年6月に始まったファンクラブ・ツアーから、そのあとのホール・ツアー、そしてアリーナ・ツアーと、ずっと続いていった感じでしたよね。

志帆:そうですね。全部で一個って感じでした。メンバーも大きくは変わってないので、みんなで一緒に「次はホールだね」「次はアリーナだね」って気持ちを高めながら続けてましたね。

──トータルで57本。それだけの本数をやり終えたときの気持ちはどんなものでした?

志帆:正直、これだけやったらもういいよって感じになるかと思っていたんですけど、不思議と続いていく感じがしたんですよ。ポジティブな意味での課題も見えたし、ああ、この感じだったらこの先も続けていけるなって。すごくいい気分でした。まだ自分のなかに力が残ってる感じ。ヘトヘトになって終わるかと思ってたんですけど、表現って楽しいな、伝えるって楽しいな、続けていきたいなって素直に思いながら終えられたんです。

──まだまだライブというものを追求したい、と。

志帆:うん。ライブって何回やっても緊張感が拭えないし、スリリングだし、緊張しすぎて出る前に逃げ出したくなることとかもあるけど、やっぱりすごく面白い。奥が深いなぁって思いますね。

──ツアーの最中はどんな気持ちで臨んでいるんですか?

志帆::とにかく1本1本、完璧を目指したいと強く思っていました。ちょっとした失敗も嫌だったし、声も常に完璧な状態で臨みたかった。それはホール・ツアーもアリーナ・ツアーもずっと思ってましたね。

──今回、そこまで完璧を目指した理由は何かあるんですか?

志帆:アリーナ・ツアーが終わったら、しばらくライブがなくてお客さんに会えないっていうのがわかっていたから。だから悔いのないようにしたかったんですよ。それはメンバーにも伝えました。アリーナ・ツアーには全部注ぎ込みたい!って。

──それにしてもあれだけ長いツアーとなると、精神的にも体力的にもかなり過酷なものがありますよね。

志帆:ありますね。それは思いました。ライブって過酷だなと。やっぱり常に研ぎ澄ましてないといけないから。例えば1週間とか空くと、素の私に戻ってしまいそうで、それが怖いからずっと研ぎ澄まされた感覚をキープするためにはどうするかって考えたりして。

──キープするためのコツとかってあるんですか?

志帆:まず、ネガティブなことは考えないようにする。私、考えがちなほうなので。それから洋服とか。

──洋服?

志帆:うん。フェミニンな服は身につけない。特に“Live Force”のツアーは戦闘モードっていうことがポイントだったので、男らしくあろうと。あとは食事ですね。ライブ前にはお肉を食べるとか(笑)。体調を整えるために普段は野菜を中心に食べているんですけど、ライブは肉食モードで臨みたいから、前日にはお肉を食べるんです。

──変わるもんですか?

志帆:変わってる……気がする。願掛け的なとこもあるんですけどね。

──メスライオンのようになるんだ、と。

志帆:そうそう(笑)。たくさんの人と対峙するにはそのくらいエネルギーが必要なんだって改めて思ったので。お客さんとも、なあなあじゃなくて、いい意味での緊張感を持って向き合いたいから。

──でも、ファンクラブ・ツアー、ホール・ツアー、アリーナ・ツアーと、それぞれ内容が違うものだし、会場の大きさも演出も違うから、緊張感の持ち方もまた変わってくるでしょ?

志帆:そうなんですよね。そこはやっぱり、メンバーもちょっと戸惑ってました。特にホール・ツアーからアリーナ・ツアーの切り替えに関しては、内容がまったく違うので意志疎通を図るのにけっこう時間がかかりましたね。延長戦の気持ちじゃ困る、しっかりモードを切り替えていきましょうって話をしました。

──改めて振り返ると、ホール・ツアー<Live Force>は志帆さんにとってどういうものでした?

志帆:今までやったライブのなかで最もテーマ性をはっきりと打ち出せたものでしたね。心の開放というテーマがあったので、どんどん気持ちが開放されていく流れをどうやったら作れるのか考えてやったんですけど、それは成功したと思います。ファンクラブ・ツアーを経てのツアーだったので、メンバーもみんなすごく研ぎ澄まされてたし。何回も時間が止まりました。

──時間が止まった?

志帆:はい。「あぁ」という楽曲を歌ってるときに、止まったんですよ、時間が。そのなかで私ひとりが動いてるような感じがして。たぶんそれは、スポーツ選手がよく“景色がとまってボールが見える”とかって言いますけど、それに近い感覚なんじゃないかと思ってて。私たちはそれを“ゾーン”と呼んでいるんですが、そこに入った瞬間が何度もあったんです。修行のように同じことを繰り返して、イメージトレーニングも繰り返して、それで初めて起こる現象だから。それは興味深かったですね。やっぱり日に日によくなっていった感じがありました。でも、ショックな出来事もあって。

──それは?

志帆:一公演を延期してしまって。でもそれによってメンバーもスタッフも今までで一番、一丸となったし、支えあえたんですけど。

──公演延期は初めてのことだったでしょ。だから相当、精神的ショックも大きかっただろうと思ったんですが。

志帆:はい。相当ショックでしたね、あのときは。アルバム『Force』を作っているときから自分を追い込んでいたので、ギリギリではあったんですよ。長い間ずっと気を張りまくってて、それがプツッと切れないようにしながらトレーニングしたりしてバランスを整えてたんですけど、ちょっと予想外のトラブルがあって、私もえらく動揺してしまって、喉も酷使してたからケアが追いつかなくなってしまって。いろいろ重なってしまったからだと思うんですけどね。『Force』の曲の歌詞があまりにストイックすぎて、それが全部自分に突き刺さってきたっていうのもあったし。

──確かに相当ストイックな歌詞ではありましたよね。

志帆:はい。だからメンタルの維持がたいへんで。ちょっと俯瞰で見ないと全部自分にそのまま返ってきちゃう。曝け出すのも、やっぱり力がいるなぁって改めて思いましたね。

──でも、そこから感動的な復活を果たして。

志帆:それはもう本当にスタッフ、メンバー、お客さん、みんなで一緒に乗り越えたって感じだったので、感謝の気持ちしかなかったです。

──その感謝の気持ちがアリーナ・ツアー<GIVE ME TEN!!!!!>のコンセプトに繋がった。

志帆:そうです。それは大きいと思います。本当に心の底からみんなに「ありがとう」と伝えたかったから。アリーナ・ツアーはその感謝の気持ちを伝えるには何が必要かってことを考えながらセットリストや演出を組み立てていったんです。

──アリーナ・ツアーはある意味、これまでのSuperflyの集大成とも言えるような選曲であり、見せ方でしたよね。

志帆:はい。自然と6年間の締めくくりみたいな感情になっていったので、それを素直に表現できればいいなあと思って。『Force』がストイックなアルバムだったから、逆にお祭りモードでできたらいいなと思ったんですよ。感謝祭的な感じで(笑)。

──何しろ1曲目がデビュー曲の「ハロー・ハロー」だったし。

志帆:もう、毎回あそこで泣きそうになってました。やっぱりデビュー曲だから、いろんな想いがグルグル回っちゃって。

──アンコールの最後の最後が「Rollin’Days」だったことにも、強いメッセージを感じました。

志帆:あれで締めたかったんです。Superflyはまだまだ続いていくよっていうメッセージを伝えたかったので。

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