【インタビュー】ストーン・テンプル・パイロッツ「色々なことがすごい勢いで起きている。いい状態のときってそうなんだろうね」

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2013年5月、リンキン・パークのチェスター・ベニントンを新ボーカリストに迎え、新体制で精力的に活動しているストーン・テンプル・パイロッツ。この10月にはミニアルバム『High Rise』を発表し、<<LOUD PARK> 2013>と大阪での単独ライヴのために、新メンバーでの初来日も果たした。そこでBARKSは、<LOUD PARK>出演直前のチェスターとロバート・ディレオ(B)にインタビューを敢行。短い時間だったが、再出発にかける彼らの意気込みを聞くことができた。

◆ストーン・テンプル・パイロッツ画像

――新体制でのミニアルバム『High Rise』は、これまで以上にパワーが伝わってきて、とても素晴らしい仕上がりに感じます。チェスターの加入が、このバンドにとてもよい“化学反応”を起こしたようですね?

チェスター・ベニントン(以下チェスター):うん、まさにいい化学反応だね。それはすぐに感じたよ!たとえば同じジョークでみんなが笑えるみたいな、人間的に共感できるところが多かったし、すぐに全員が同じ気持ちになったんだ。ストーン・テンプル・パイロッツ(以下STP)のこれまでの資産を受け継いで最高の音楽を作るんだ、ってね。だからほんの数分プレイしただけで、これはいけるぞ、と確信したよ。

ロバート・ディレオ(以下ロバート):最初に言っておきたいんだけど、せっかく日本で話を訊いてもらえる機会なのに、日本語を話せなくてゴメンね。チェスターについてはみんな知っているとおり、ミュージシャンとして素晴らしい才能を持っているんだ。でもそれだけじゃなく、人間的な部分ですごく僕らは合うと思った。彼も言っていたけど、共感するところが多いからね。僕らにとっては、素晴らしいミュージシャンを迎え、同時に素晴らしい友人を得たってことなんだ。あと、僕らの子供同士も仲がいいんだ。よく一緒に遊んでるんだよ。

チェスター:そうそう。同じ学校に通ってるんだ。

――チェスターの加入によってバンドにもたらされたもの、その中でもっとも大きいのはどんなことですか?

ロバート:前に進んでいくためのエネルギーを、久々にこのバンドが持つことができた。それが一番大きいね。EP『High Rise』の5曲はチェスターと一緒に作ったんだけど、これが今後のSTPの音楽を示していると思うし、新しいSTPがここから始まるんだと感じているよ。

――チェスターを迎えた新体制になって、曲はすぐできたんですね?

チェスター:そうなんだよ。僕が参加して初めて全員でミーティングをした後、それから24時間のうちにロバートとディーンと僕とで、すごくたくさんのアイデアが出せたんだ。もう10曲とか15曲とか作れるくらい。そのときに、これはスタジオに入ったらすごくクリエイティブなことができるぞって思った。EPの5曲もそこから出来上がったものなんだけど、これはまだ新しいSTPの最初の一歩。ほかにも曲がたくさんできているから、それを早く世に送り出して、新しいSTPの方向性をみんなに伝えたいね。それと、僕は自分の歌い方とか、メロディや歌詞に対するアプローチが、今までのリンキン・パークの僕と違うことも見せたい。それはこのEPでも出せたと思うけど、今後のフルアルバムでもどんどん見せていきたいと思っている。

――チェスターにとってSTPは若い頃からよく聴いていたバンドだそうですね。加入してみての印象は?

チェスター:僕はずっとSTPのファンだったから、クリエイティブですごいバンドだと思っていたし、それは加入した今も変わらない。ホントにみんな最高のプレイヤーだと思う。ロバートは世界でも屈指のベースプレイヤーだし。

ロバート:サンキュー。

チェスター:どういたしまして(笑)。とにかく全員が楽器の達人だから、スタジオではみんなのプレイ、サウンド、そのクォリティに本当に圧倒されたよ。これだけレベルの高い人たちと演っているといいメロディも浮かんでくるから、その意味ではやりやすいね。よく質問されるのが、ライヴでは前任者のスコットをマネして歌うかってことなんだけど、僕は自分がファンだったときに、ライヴで一緒に歌ったり、バスルームとか車の中でもSTPの歌を歌っていたんだよね。今もそれと同じように歌っているだけなんだ。ステージでも自由にやらせてもらえてるから、本当に楽しいよ。

――ボーカルを変えるというのは、けっこう勇気がいることですよね。バンドにとって大きな影響のあることだから。

ロバート:でも、ボーカルがいなかったらこうして日本にも来られなかったからね(笑)。

――ボーカリストが交代しても、このバンドの音楽の重要なところは変わっていないようですね。

ロバート:そうだね、変わっていないよ。ディーンと僕が曲を作っている限り、STPのサウンドになると思う。そこにチェスターという新しいエネルギーが加わったことで、STPの魂みたいなものも復活したんじゃないかな。ここまでの道のりは長かったけど、今のこのよい状態をこれからも維持していきたいね。

――このメンバーチェンジ以降、新曲発表、ツアー決定、ミニアルバム発表、来日と、すごく動きが早いように思います。解散、再結成も経て長い歴史を持つSTPですが、今が一番充実しているのでは?

ロバート:そうだね。そう思うよ。

チェスター:ホントにそう。色々なことがすごい勢いで起きている。いい状態のときってそうなんだろうね。でもこれは、僕らが今新しい音楽を作り、これからも作り続けるっていうことを世界に知らせたいと思って一生懸命動いていたからじゃないかな。僕にはリンキン・パークもあるから、STPに使える時間は限られている。それを可能な限り有効に使おうと思って毎日長時間仕事したり、すごく色々なことをしたよ。だから動きが早く感じられるのかもね。今回作れたのはEPの5曲だけだけど、時間の制約の中でクオリティの高いものを作ろうとすると、ここまでが限界だと思ったからなんだ。でもまだフルアルバムを作れるくらいのアイデアがあるから、早くみんなに聴いてもらえるようにしたいね。

▲チェスター・ベニントンがサインをスラスラ~
▲そしてロバート・ディレオもサインを。このレアなサイン色紙はBARKSプレゼントコーナー(https://www.barks.jp/present/)にて限定1名様に。
――今回日本では、<LOUD PARK>と大阪の2回のライヴがありますが、どんなことを期待していますか?

ロバート:チェスターのリンキン・パークは日本でもビッグネーム。ファンもたくさんいるんだよね。でもSTPは新たな一歩を踏み出したところだし、今まで来れなかった分をこれから取り戻したいんだ。今回のライヴがそのきっかけになればと思っている。今晩と明後日のライヴに何を期待していいか、僕自身もよくわからないけど、とにかく今ここにいられることがすごく嬉しいんだよ。それと、チェスターは日本に何度も来てるけど、僕らは20年ぶり。だからこの一週間をすごく楽しみにしていたんだ。僕は日本の文化とか音楽にも魅力を感じているので、色々なことを楽しみたいね。

――では最後に、日本のファンにメッセージを!

チェスター:まず、ライヴに来てくれるみんなにありがとうと言いたい。僕は日本には何度も来ているけど、そのたびにアットホームな気持ちにさせてくれる。ホントに日本は大好きなんだ。リンキンパークを代表してお礼を言っておくよ。STPとしては、今回初めて見る人も多いと思うんだけど、僕自身も聴いて育った音楽なんで、STPの音楽の持つエネルギーを感じてもらいたいし、一緒に音楽を分かち合いたい。何度も日本に来たいと思っているから、これからもよろしくね。

ロバート:完璧なメッセージだね、もう他に言うことがないよ(笑)。僕も日本のみんなには本当にありがとうと言いたい。STPにとって久々の日本なのですごく楽しみにしているし、チェスターが言ったとおり、これからも日本に何度も来たいと思っている。僕らの音楽を日本のみんなに楽しんでもらえたらうれしいね。

Live Photos:William Hames
取材・文:田澤仁


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