【ライブレポート】<TOWER RECORDS presents Bowline 2013>がみせつけた、音楽の絆のパワー

ツイート

▲AIR SWALL
▲CROSSFAITH
▲SiM
▲10-FEET
▲マキシマム ザ ホルモン(Photo by 浜野カズシ)
▲BRAHMAN
▲Ken Yokoyama
▲MAN WITH A MISSION
10月27日、タワーレコード主催ライブイベント<TOWER RECORDS presents Bowline 2013>が横浜アリーナにて開催、AIR SWALL、CROSSFAITH、SiM、10-FEET、マキシマム ザ ホルモン、BRAHMAN、Ken Yokoyama、MAN WITH A MISSIONという強力なラインアップが結集、爆音が12000人の熱狂のオーディエンスを包み込んだ。

◆<TOWER RECORDS presents Bowline 2013>画像

オフィシャルレポートが到着したので、ご紹介しよう。

   ◆   ◆   ◆

10/27 Sun.『TOWER RECORDS presents Bowline 2013』@横浜アリーナ

タワーレコードが新たにスタートしたライブイベント「Bowline」。第1回目となる今回のキュレーターアーティストは、本イベント前日に同会場にて初のワンマンライブを行った5匹組ロックバンド“MAN WITH A MISSION”。“肉食”をテーマに選定された全8組(Special Actとして出演が予定されていたDJ STARSCREAMは台風の接近に伴い、安全性確保などの理由から前日に出演がキャンセルされた)が出演した本イベント。チケットは全席即ソールドアウト、当日は爆音に飢えたオーディエンス約12000人が横浜アリーナに集結した。

オープニング・アクトとして登場したのは、四国出身、都内を中心に活動する3ピースバンド“AIR SWELL”。11/20にMY FIRST STORY、SWANKY DANK、AIR SWELL、BLUE ENCOUNTの4バンドによるスプリットアルバム「BONEDS」から“No going back”で威勢よく幕を開けると、開場中にも関わらず、多くのオーディエンスが手を上げて応える。どの楽曲も、アグレッシヴなサウンドと、世の中に疑問符を投げかけるような攻撃的な歌詞が胸に迫ってくる。新世代バンドとしての勢いをそのまま見せつけたステージは、オープニング・アクトと呼ぶには余りにも熱く、オーディエンスを温めた。

本編、まず登場したのは、海外からの評価も熱い、メタルコア・バンド、Crossfaith。1曲目“We Are The Future”から、「行こうぜ!Bowline!」と叫び、早くもフロアではいくつもの渦が巻き起こっている。間髪いれずに“Monolith”“Jagerbomb”と3曲を駆け抜け、短いMCを挟んだ後は「全員半分に分かれろ!」とフロアを二分し、イントロが終わると同時に、ウォール・オブ・デス! Koie(Vo.)の全身全霊のシャウトだけでなく、メンバー全員がそれぞれの持ち場で激しいパフォーマンスを展開し、オーディエンスの心を掴んでいく。コール&レスポンス、座らせてジャンプさせるなど、海外でのライブ経験を積んできた実力をまざまざと見せ付けられたステージだった。

続いて登場したのは、10/23にサードフルアルバムをリリースした、SiM。1曲目の「KiLLiNG ME」でから“JACK.B”で一気にオーディエンスを自分たちのペースに巻き込み、フロアはモッシュ&ダイブの嵐に。MCでは、CDへの思い入れを熱く語ったMAH(Vo.)。自分たちがなぜステージに立つのか、まるで自問自答するような語りに、オーディエンスもじっと聞き入っていた。そして、これまでアルバムのリード曲はイントロだけに留めていたという彼らが、今回は改心(!)したということで、初めてライブでアルバムのリード曲をフルで披露!と、オーディエンスを執拗に煽る。始まったイントロに熱狂する客席…そして唐突に終了する演奏。「やるわけねーだろっ!」MAHが笑う。まんまと騙されてしまったが、皆、楽しそうだ。そしてラストはレゲエパンクサウンドの“Blah Blah Blah”。へヴィ〜ミディアムチューンまで、見せて、聴かせて、躍らせる最高のパフォーマンスだった。

タオルを掲げ、コールするオーディエンスの中登場した10-FEET。1曲目“JUNGLE”の重厚なバンドアンサンブルに、フロアのあちこちでモッシュがはじまる。最前列から最後列までのウェーブでスタートした“RIVER”では、走り回る人々の渦が出来たセンター席を見たTAKUMA(Vo&G)が、「2Fの人たちはスペースないかもしれないけど、その場でまわって!すごい景色見せて!」と叫び、 “goes on”では、「後ろの方盛り上がっていますか?」と歌詞を変えるなど、幾度となく、満員へのオーディエンス全員に届くような煽り方をしていたのが印象的だった。特に、ラストスパート“その向こうへ”、“1sec.”と続いた2曲での盛り上がりは圧巻だった。「天井が開きます!」とわかりやすい嘘をついたり、本日のキュレーター・MAN WITH A MISSIONのことを「陽気な犬たち」と呼び笑いを誘ったかと思えば、胸が熱くなるようなメッセージをさらっと語ったりと、MCも冴えていた。ステージを去る前にTAKUMAが「ええライブは人の一生を変える」と言っていたが、今日のこの短い時間でも、一生を変えられてしまった人は確実にいたと思う。

続いて、異様な熱気の中登場したマキシマム ザ ホルモン。“恋のメガラバ”のイントロと同時に、早くも会場のボルテージは沸点へ。爆音、ヘドバン、ハンドクラップ、シンガロングと、横浜アリーナが揺れまくる。そして早々に迎えた最初のMCでは、ナヲ(ドラムと女声と姉)が、「横浜アリーナってまじウケる!ユニコーンととんねるずでしか来たことないんですけど!」と興奮した面持ちで語れば、ダイスケはん(キャーキャーうるさい方)が「今日のメンツ、ヤバいね!お金払ってでもみたいよね?」、ナヲ「払ってるわ!みんな払ってるわ!」と、会場の笑いをバンバンとっていく。そして、7月に発売されたアルバム『予襲復讐』より、“便所サンダルダンス”“ビューティー殺シアム”、短いMCを挟み“ロックお礼参り〜3コードでおまえフルボッコ〜”と続き、メンバーの熱量に比例するようにオーディエンスのレスポンスも精度を増していく。恒例の「麺カタこってり」は警備スタッフをも巻き込んで完璧に決め、“恋のスペルマ”で締め。強靭な演奏と、類まれなるエンターテイナーとしてのパフォーマンスに、幾度となく鳥肌が立った。

ホルモンの熱気冷めやらぬ中登場したBRAHMANは、“初期衝動”“THE ONLY WAY”など、一気に9曲を披露。“警醒”ではTOSHI-LOWが客席にダイブし、沸きあがる歓声に応えるように圧倒的な歌声を響かせた。ベテランの風格、という一言では表現できない衝動と感動に溢れたステージは、観る者全ての心を激しく揺さぶった。見事なオチで会場から爆笑が沸き起こった息子との微笑ましいエピソードから、日本の今と未来についてまで、TOSHI-LOWだからこそ確かな説得力を持って語られたMCを経て披露された“鼎の問”は、ことさら沁みた。この日、会場内にはBRAHMANも参加する「東北ライブ大作戦」など震災復興支援のブースも設置され、多くの人が足を止めてその活動内容に見入っていた。この日集まった人々に、TOSHI-LOWの熱い想いは確かに伝わっていたと思う。

次のアクトはKen Yokoyama…のはずだったのだが、ステージに現れたのは、アルパカ!?実はこれ、「Bowline」開催までにYouTubeで公開されていた『ジャン・ケン・ジョニーのガゥガゥBowline(仮)』にゲスト出演した際、オオカミに対抗してKen Yokoyamaが被っていた被り物で、本日はバンドメンバーも全員着用して登場。笑いと歓声に包まれる中、そのままの姿で1曲目“Pressure”を披露(曲が終わると同時にすぐ着脱していたが・笑) そして“How Many More Times”“You And I, Against The World”“This Is Your Land”など一気に疾走!モッシュ&ダイブに沸くフロア。ラスト「Believer」では、ステージから降りてのパフォーマンス。コードが絡まってマイクスタンドが回転するというハプニングを救うべく登場したのは、アルパカ仕様のTOSHI-LOW!そのまま残り、Ken Yokoyamaが投げて落ちたピックを拾い客席に投げたあと、客席にふたりしてダイブ、そのまま熱い抱擁を交わすというなぞの大円団となった。「決めっからね、ベテラン、決めっからね」という最初のMCでの言葉通り、いろいろばっちり決めてくれた。

そして本イベントのキュレーターも務める、MAN WITH A MISSIONが登場!“FLY AGAIN”“TAKE WHAT U WANT”で、まだまだ騒ぎ足りない貪欲なオーディエンスを沸きあがらせると、共演者およびオーディエンスの誰にも「負ケルツモリハナイ!」と挑戦的なMCを放つ、ジャン・ケン・ジョニー(Gt/Vo./Rap)。“Get Off of My Way”“Wake Myself Again”のあと、宴にふわさしいゲスト、10-FEETのTAKUMAが呼び込まれ披露されたのは、もちろん発売されたばかりのシングル「database feat.TAKUMA」!最後のMCでは、出演したアーティスト及び、共にキュレーターを務めた主催のタワーレコード、そして最後まで盛り上げてくれたオーディエンスへの感謝が伝えられ、「イツマデモ音楽ヲ愛シ続ケル皆様デイテクダサイ」と真摯な言葉で締め括られ、ラスト“Emotions”へと続き、アンコールでは改めてイベントへの思いや関わったすべての人たちへの感謝を伝え“1997”が披露された。 アッパーでダンサブルなサウンドは、どこにそんな体力が残ってたのかと驚く程の盛り上がりをみせたオーディエンスたちを最後まで躍らせた。

こうして、約8時間にも及び行われた『TOWER RECORDS presents Bowline 2013』は幕を閉じた。キュレーターアーティストと出演アーティストとの結びつきが感じられ、音楽ファンと音楽やアーティストをこれまで以上につなげられるイベントを目指すという『Bowline』のコンセプトを確かに感じられたイベントとなった。

<TOWER RECORDS presents Bowline 2013>
AIR SWELL(Opening Act)
・No going back
・Kick it Knock it!!
・I will pay back
・アンビヴァレンス
・バッドボーイズ セレナーデ
CROSSFAITH
・We Are The Future
・Monolith
・Jägerbomb
・Countdown To Hell
・Eclipse
・OMEN
・LEVIATHAN
SiM
・KiLLiNG ME
・JACK.B
・Fall in Love With You
・Amy
・Rum
・WHO' S NEXT(イントロ)
・Blah Blah Blah
10-FEET
・JUNGLES
・RIVER
・under the umber shine
・goes on
・シガードッグ
・その向こうへ
・1sec.
マキシマム ザ ホルモン
・恋のメガラバ
・便所サンダルダンス
・ビューティー殺シアム
・ロックお礼参り〜3コードでおまえフルボッコ〜
・ビキニ・スポーツ・ポンチン
・恋のスペルマ
BRAHMAN
・初期衝動
・THE ONLY WAY
・賽の河原
・遠国
・汀に咲く
・CHERRIES WERE MADE FOR EATING
・BEYOND THE MOUNTAIN
・SEE OFF
・警醒
・鼎の問
・ANSWER FOR
Ken Yokoyama
・Pressure
・How Many More Times
・You And I, Against The World
・Your Safe Rock
・This Is Your Land
・Ten Years From Now
・Save Us
・Walk
・Punk Rock Dreams
・Let The Beat Carry On
・Believer
MAN WITH A MISSION
・FLY AGAIN
・TAKE WHAT U WANT
・Get Off of My Way
・Wake Myself Again
・database feat.TAKUMA
・distance
・your way
・Emotions
・EN:1997
この記事をツイート

この記事の関連情報

*

TREND BOX

編集部おすすめ

ARTIST RANKING

アーティストランキング

FEATURE / SERVICE

特集・サービス