【インタビュー】新山詩織、3rdシングル「ひとりごと」が奏でる新境地「1つずつ自分に質問して、1つずつ答えながら歌詞を書いていった」

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新山詩織が11月13日、3rdシングル「ひとりごと」をリリースする。1stシングル、2ndシングルで新山が綴ってきた歌詞は、現役女子高生である彼女が日常の葛藤ややり場のない想いをテーマにしてきたものだ。しかし「ひとりごと」は自身と深く向き合ったことで、その先にある「伝えたいこと」が、より明確化されたという。一度完成していた歌詞を真っ新な状態にリセットし、衝動のままに塗り替えたというメッセージは、紛れもなく新山の今が映し出されたものとなった。また、恒例となった感のあるカップリング収録カバー曲には、奥田民生の名曲「イージュー★ライダー」をセレクト。現在17歳の新山と同じく、17年前に発表された楽曲には普遍的な美しさも、新たな発見も刻み込まれた。
「これまで何気なく聞いていた楽曲が、その制作者がいかに身を削ってできたものなのかが分かった」とは新山の自身の言葉だ。新境地とも言える作詞方法はもとより、2013年の夏にさまざまな巨大フェスに出演し、それらの経験が大きくフィードバックされた現在の自身について語ってもらった。

◆「ひとりごと」ミュージックビデオ

■弱い自分も含め自分だから、そういうところも
■大事に持っていけたらいいよなぁって最近思えるようになった

──2ndシングル「Don’t Cry」から4ヵ月、いろんな夏フェスにも参加していたけど、8月には憧れだった<rockin’on presents ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2013>にも出演したということで。楽しめた?

新山:はい。始まる前までは、緊張と楽しさが半分半分だったんですけど、当日、ステージに上がってライヴをさせてもらったときは、楽しさ嬉しさ興奮で胸がいっぱいでした。

──お客さんとしてフェスを観に行ったことはあったんだよね?

新山:はい。今年出させていただく2年前に、お父さんと一緒に行ったことがあったんです。そのフェスが、まさに<ROCK IN JAPAN FESTIVAL>だったので、まさか、その2年後に自分がそのステージ立つことになるとは思ってもいなくて。いままでは自分が見上げていたステージに、今度は自分が立っているんだ……って思うと、すごく不思議な気持ちになりました。中学の頃にバンドをやり始めて、ずっとフェスには憧れがあったので、本当に信じられないくらい嬉しかったです。当時は、中学1年の頃に初めてカバーした曲がYUIさんの「TOKYO」って曲だったので、YUIさん目当てでフェスに行ったんですけど、初めて見るいろんなアーティストさんのステージを生で感じることが出来て、本当に刺激的だったのを今でも覚えているんです。でも今回は、憧れのアーティストさんと同じステージに立たせていただけるという、別の嬉しさもあって、本当にいい経験が出来たと思っています。

──2年前のフェスでYUIさん以外に気になったアーティストは?

新山:THE米騒動っていうバンドで。ドラムの方がかなり印象的で、家に帰ってから調べて音源を聴いてみたりしましたし、軽音楽部で曲を練習していた木村カエラさんとかも、すごく印象的だったのを覚えてます。やっぱり実際に見ると迫力が違うなって。ライヴってやっぱりいいなって思いました。

──今回はどうだった? 自分も出演する側になって見た景色は違った?

新山:はい。裏側はこんなふうになっていたんだ!っていう純粋な驚きもあったし、雑誌でよく見ていたアーティストさんが目の前を歩いていたりして、本当に不思議な感覚になりました。でも、そこで、自分も届ける側として、音楽をやっているんだな……っていう、“今”を実感したりもしたんです。

──誰かとお話し出来たりも?

新山:ずっと好きだった東京スカパラダイスオーケストラのみなさんとご挨拶させていただきました。すごく嬉しくて。

──ふふふ。普通の女の子だね(笑)。

新山:はい(笑)。やっぱり届ける側になっても、そういう感動はいつまでも持っていたいなと思いました。

──そうだね。

新山:今までは、ステージの上のアーティストさんの姿しか見れなかったけど、今回フェスを経験したことでステージの裏側の姿も見れたので、その人たちの人柄も見えたりして、より深く好きになれたなって思えたんです。

──今は、同じく新山さんが歌う楽曲たちを通して、いろんな人が新山詩織というアーティストに対して興味を抱いてくれているわけだからね。実際、前シングル「Don’t Cry」の取材をさせてもらってから、いろんなアーティストを取材する度に、“最近、新山詩織っていう子がすごく気になる”っていう声を聞いたよ。

新山:すごく嬉しいです。自分が人にどう思われているんだろう?っていうのは、ずっと気になってきたことでもあったし、今も、自分の歌う歌がたくさんの人たちに響いてくれることと、いろんな視点で自分のことを見てもらえるというのも、とてもいいことだと思います。

──今回のシングル「ひとりごと」は、通算3枚目になるわけだけど、デビューシングル「ゆれるユレル」、2ndシングル「Don’t Cry」とリリースしてきて、今回の「ひとりごと」を完成させた現在、アルバムが見えてきたり、今後、自分がどういう歌を歌っていきたいかが、より鮮明に見えてきたという感覚はある?

新山:「ゆれるユレル」や「Don’t Cry」は、学校であった出来事を素直に書いてきたという感覚があったけど、今回の「ひとりごと」は、そこから一歩出て、今、自分が感じることを素直に書いてみたという感覚でもあったんです。実は、「ひとりごと」には、今乗ってる歌詞とは別の歌詞を作っていたんですが、レコーディングの直前に全部1から書き換えたんです。ほとんど出来上がっていた歌詞を、レコーディングの2日前くらいに見直していて、“今、歌いたいことと違うかも……”って思って、この歌詞を書いたんです。

──なにかきっかけがあったのかな?

新山:高校の卒業を控えて、いろいろと考えたというか。歌を通して自分と出逢ってくれた人たちに、自分はこれから何を伝えて、どういう自分でいたいと思っているんだろう?って考えて。“私はこうやって歌っていきたいんだ。こういう自分でいたいんだ”って、1つずつ自分に質問して、それに1つずつ答えながら、この「ひとりごと」の歌詞を書いていったんです。「だからさ」(2012年12月12日発表0thシングル)を書いたときと同じ、衝動的な気持ちでした。自然と手が動いて、メロディに歌詞を乗せられたんです。

──本当に衝動だったんだね。最初の歌詞はいつ頃書かれたものだったの?

新山:今年の夏休み頃でした。初めて自分が渋谷のスクランブル交差点に立ったときの、不思議な気持ちを書いたものでした。行き交う人たちと自分との間に、距離を感じてしまったというか。そんなことを書いた歌詞だったんです。今思えば、すごく自分ごとの歌詞だったなって思います。

──きっとその感覚は、今も新山さんの中にあると思うけど、突然歌詞を書き換えようと思ったのはどうしてだったの?

新山:自分でもはっきりとはわからないんです。でも、“もう1回1から書いてみよう!”って思う気持ちがすごく強く芽生えてしまって、その気持ちを押さえることが出来なかったんです。

──その、“歌詞を塗り替えたくなる衝動”みたいなのは、よくあるの?

新山:いや。今回が初めてでした。前作「Don’t Cry」も、もともと書いた歌詞があったんですけど、映画『絶叫学級』の主題歌になることが決まって、0から書き直したりしたんですが、今回のように、ただただ衝動的に歌詞を塗り替えたくなったのは初めてでした。

◆インタビュー(2)へ
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