【セルフライナーノーツ】三浦大知が最新作『The Entertainer』を語る 後編

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三浦大知の4枚目となるアルバム『The Entertainer』。前回から大知自身によるセルフライナーノーツをお届けしているが、今回はその後編。アルバム収録曲「Listen To My Heartbeat」のミュージックビデオのオフショット画像とともにお届けしよう。

◆「Listen To My Heartbeat」ミュージックビデオのオフショット画像

  ◆  ◆  ◆

「Gotta Be You」

 これはLAで作った楽曲で、何て言うか……LAにつくらされた、みたいな感覚があります。スタジオに毎日入ってたんですけど、スタジオに入る前にホテルの部屋で今日収録するトラックのリストみたいなのがあるんです。どれがいいかばぁ~っと聞かせてもらう中から、じゃぁ今日はこのトラックをやりましょうという形で毎朝選んで、で選び終わったらスタジオに行ってその曲をつくっていくという感じでした。僕の泊まっているホテルがヴィニスのビーチのすぐ横で、部屋からベランダに出るとビーチが見えて、夕方になると夕日が見えたりとか何かそういうシーンがすごく強く焼き付いてたので、このトラックを聴いた時に何か「この場所でつくらないでいつつくるんだろう?」という気持ちにすごくなって。このシチュエーションにピッタリなヴィニスビーチとか、夕焼けが染まっていく感じとか、なんか抜けていく大空とかそういう部分をすごく連想できるなと思って。やっぱり「その土地で生まれる音楽」みたいものもあったりすると思うんです、1曲ぐらいこの場所から生まれてより輝く曲をつくれたらなあと思ってつくりました。

 これもMOMOさんに歌詞をつくって頂きましたが、歌詞の内容も恋愛的なものに聞こえたり、人生観の事を歌っているような感じもして、いろんな切り口がある楽曲だと思います。すごく温かい、心温まる曲になっていると思います。

(少々脱線。LAに滞在中自分のつくっている曲だけを聞き続けているの? という雑談の中から。)

 「Gotta Be You」をつくる一つのキッカケにもなったんですけど、LAで聞くTaylor Swiftが良過ぎて……日本にいる時には代表曲以外では正直あまりチェックしてなかったんですよ。でも、LAで聞くと乾燥したあの気候と、抜けていく空との中で聞くTaylor Swiftが、もうバッチリ過ぎて、そのシチュエーションとかも含めて。やっぱりその土地でつくっていくというか、土地が生み出す何かってやっぱあるよなぁって感じて。例えばサザンオールスターズだったら、桑田さんが湘南っていう場所で書いていく曲がこう、夏みたいな事に繋がって……みたいな事もあったりするじゃないですか? やっぱりその場所がつくっていく曲ってあるよなぁって感じたりしている時に、このトラックがT-SKさんから上がってきたので、これはやってみようと思いました。


「Two Hearts」

 Two HeartsはJ-POPという括りの中でも王道のもの、「王道のラブバラード」が三浦大知のオリジナルでつくれたらいいなぁって感じてつくった曲です。歌詞を書くとなった時に、王道っていったらやっぱり「愛」だろう! という事で。しっかりラブバラードで本当に120%王道の事を三浦大知が全力でやったら、どれぐらいちゃんとオリジナルになっていけるか? みたいな事をチャレンジしながら出来た曲ですね(ドラマ『Answer~「警視庁検証捜査官」』の主題歌)。

 僕は歌詞を書く時に、シチュエーションを決めて書くという事はあまり無くて……。結構自分の気持ちとか概念みたいなところとかを詞に落としていく事が多いんですけども、この曲は王道のラブバラードをつくろうと決めた時から、例えばプロポーズする時の思いとか、結婚式で流れている感じの曲とかそういうイメージになっていくといいなと思って歌詞を書いたので、そういった部分で色々チャレンジできた曲になってます。バラードの中でも、経年変化というか年を増す毎に色々変わっていく曲になっていくんじゃないかなと思います。


「Blow You Away!」

 これは、今まで何曲も共作しているUTAさんと一緒につくった曲なんですけど、UTAさんとはいつもUTAさんの家に行ってあーでもないこうでもないって言いながら「今回はタムがすごく効いた曲が作りたいです!」とか僕が断片的な事をいろいろ言って、「じぁこんな曲はどう?」等のやりとりの中で、いままで色んな曲を作ったりしてたんです。今回、何かちょっと「盛り上がる楽曲、ダンスチューンがいいです」とか言いながら色々とキーワードを出し合っている時に、「何かこう、入場曲みたいなのはどうですかね?」という話になって、これはタイトルがデモの段階だと「ロッキー」っていうタイトルだったんですけど(笑)、何か格闘家がリングに入っていく感じとか、Showがスタートしていく感じのトラックでエンターテイメントショーの始まり! みたいなのが歌えたら面白いんじゃないかなって作った1曲です。結構Showの始まりを感じさせるという意味では、スタートする時、ドライブさせていく時に結構キーとなる曲なんじゃないかなと思っているので、これは早くライブでやりたいなって思ってます。
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