【インタビュー】片桐舞子(MAY'S)「一人の女子としての生き方や世界観をフォーカス出来たら良いなぁと思ってタイトルも『Solo』にしました」

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MAY'Sのメンバーとして10年を過ごして来た片桐舞子が、一人の女性シンガーソングライターとして初めての作品を作り上げた。ソロ活動の一歩にふさわしく、『Solo』と名付けられたこの作品は、現代社会をしなやかに生き抜くシングルウーマンたちが共感必至の内容。素のままの片桐舞子が、女性達の背中を優しく押してくれるような一枚に仕上がっている。ソロ活動の経緯から制作秘話まで、アルバムのエピソード満載でお届けしよう。

■女の子はみんな思っているけど絶対口にしないことってある
■でも「そういう曲があってもいいんじゃない?」と思って

──初のソロアルバム『Solo』はガールズトークを聞いているような、女性の本音満載の作品ですね。

片桐舞子(以下、片桐):今作は完全に女の子に向けて作品を作ったんです。シングルで仕事を頑張っていて、毎日いろんなことに追われてちょっと疲れを感じたりする中で、恋することや綺麗になることにも希望をたくさん持っている……。そういう女の子に向けてという目線がすごく強いですね。自分のソロのアルバムっていうこともそうですが、一人の女子としての生き方や世界観をフォーカス出来たら良いなぁと思ってタイトルも『Solo』で。

──「Solo」の語源はイタリア語で、「唯一の」とか「唯一無二」という意味合いもあるから、舞子さんから女性に向けた「みんながオンリーワンなんだよ」っていうメッセージも感じますよね。自分自身を大事にとか、自分自身を愛してあげてね、とか。

片桐:女子の本音って言っちゃえば簡単なんですが、こういうことって女性が言わないほうがいいよねっていうことだったり、絶対みんな思っているはずだけど、絶対みんな口にしないことってあるじゃないですか。ちょっと見栄を張ってる自分がいたり、強がっている自分がいたりして、抱えているけど口に出さないこともあると思うから、「そういう曲があってもいいんじゃない?」って。そこが「唯一無に」とか「オンリーワン」っていうところに引っかかったのかもしれませんね。

──女性に向けてというコンセプトは前々からやってみたかった?

片桐:それが! 今回、ソロアルバムを出そうってなったきっかけから話すことになるんですが、普通、グループでやっていると、「本当はこういうことがやりたいけどグループでは出来ないからソロ活動したい」っていうのが普通の流れだと思うんですよ。でも、私たちはまったくソロでやる気がなかったんです。

──それは意外な!

片桐:この話をすると「変わってる」って言われるんですけど(笑)。そもそも、ソロをやりたいかやりたくないかっていうよりも、ソロで何かが出来るという感覚がなかった。MAY'Sでフラストレーションを感じていないんです。MAY'Sでやりたいことはできているし、愛情を持って、MAY'S=自分って思っているところもたくさんある。それは河井純一(MAY'Sトラックメイカー)にしてもそうだと思います。その上で、メンバー同士、スタッフのみんなも入れた形で、MAY'Sとしてベストアルバムを出して、ベストアルバムのツアーをやって、次はMAY'Sとしてどうなろうかっていう話をしていたんです。その時に周りの意見として多かったのが「二人のソロが聴いてみたい」っていう声で。初めてそこで「あっ!そうね!」と。

──それで舞子さんはソロで何をしようかということになるわけですね。

片桐:はい。どちらかと言うと私の場合は、MAY'Sじゃない私一人の片桐舞子として表現出来ることってなんだろう?ってソロになって初めて考えたんですね。最初はすごく不安もあったし、MAY'S自体が色んな音楽のジャンルで、色んなテーマでやれているぶん、自分探しが大変でした。「自分ってなんだろう?」「自分が今まで生きて来た人生ってどんなだったろう?」「これから先、片桐舞子としてどんなことを唄いたいんだろう?」「どんなメッセージを伝えたいんだろう?」っていう自分探しから入ったというか。良い意味でも等身大っていうのが、自分自身が知ってたものじゃなかったんです。このアルバムを作ることで初めて出逢った自分っていうのもすごくたくさんいました。「私、こんなことも思ってたんだな」っていう。

──自分と向き合うために何かしたんですか?

片桐:作文を書いたんですよ(笑)。

──テーマは「自分」?

片桐:はい。3曲目の「TOKYO BLUE」という曲で、JIN NAKAMURAさんと一緒に作らせてもらってるんですね。ソロプロジェクトの中で、一番最初の打ち合わせをしたのがJINさんだったんです。その時に、「じゃあ、せっかくだから僕も片桐舞子の人となりを知りたいし、本当に伝えたいことや、奥の奥も引き出したほうが良いと思うから、何でも良いから、自分が歌詞に書きたいことや自分が面白そうだなと思うことを全部書いてみて!」って言われて。面白いことを言う人だなぁと思いつつ、自分も片桐舞子としてどんなものを作ろうか考えていたので、それは面白いと思って書いてみたんです。

──どんなことを書いたんですか?

片桐:私はこう思ってるとか、人が居ないところでは実はこうだ、とか。実生活に対しても恋愛に対しても、正直それを歌詞にするのはどうかと思うよっていうようなことも全部書いたんです。もう何10個も! それをみんなで共有したり、JINさんとそれについて話をしたり。これを掘り下げたら面白そうとか、そういうのを作文のように長くしていったり。その作文の中から「TOKYO BLUE」という作品も生まれたし、他の曲もその作文の中から、自分自身が、今回のアルバムでは私はこういうものを表現したいんだろうなっていうものも見つけていったんです。

──そうやって舞子さんが開いていくことで、制作する人みんなとイメージの共有も出来ますからね。

片桐:そうなんです。そういうものを出して行くと、自分の中にある貯めていたものがなくなるじゃないですか。その無くなった先にも、もう一個か二個くらい残ってるものがあるんですよね。でも一回空にしないと、それは見つからなくて。その作業が出来たことは、今回ソロ活動をやってみての大きな収穫だったかなぁと思います。テクニック的な部分よりも、気持ちのレベルアップが出来たというのは、ソロをやれたからこそだと思いますね。MAY'Sだと困った時はすぐに相談出来る相方もいますし、常に二人で一つの良いものを作るという感覚でずっとやってきていたので、一人でやるっていうプレッシャーはありましたが、一人でもこうやって出来るんだとか、逆に一人だからこそ、こういうことが出来たんだろうなって思えたことが良かったです。

◆インタビュー続きへ
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