眩しい真っ白な光に包まれた感覚に陥る「Anthem of Light」で幕を明けるLUNA SEAのオリジナルアルバムがついに世に放たれる。バンドのルーツと今を見事に1本の線で結んだRYUICHIのヴォーカルと歌詞、濃密で圧倒的なバンドアンサンブル――。「楽曲が生まれてきた理由そのものが5人で音楽を鳴らしたいという衝動でしかない」とSUGIZOは語る。クリエイティヴな欲求が薄れたときに人気絶頂でありながら、いさぎよく“終幕”という結論を出したLUNA SEAらしい。そして、新しいアルバムを『A WILL』と命名した理由は、あまりにも深い。今のLUNA SEAの全てがここに在る。

発売するために作るわけじゃなく、純粋に今の自分たちを体現したい。
そういう想いから、このアルバムは生まれてきたんです。


――アルバム『A WILL』は力強くもあり、美しくもあり、LUNA SEAという幹がしっかりあった上で新しい花が咲いたような印象も受けました。SUGIZOくんはどう受け止めていますか?

SUGIZO:自分の中で音源はいつも完成してから1週間で過去のものとなってしまうので、“もっと、この部分はこうしたかったな”っていう課題は既に諸々はありますが……、厳しい目線は置いておくと、これは40代のバンドがなかなか実現できないアルバムだと思います。おこがましいけど純粋というか、無邪気というか。

――というと?

SUGIZO:まず、ここに収録されているのは2010年の初頭にLUNA SEAを再生させようと自分たちが意を決したあとに、自然発生的に生まれた曲たちなんです。そのときは、いつの日かアルバムという形に結実されるだろうという漠然とした考えはあったものの、具体的な計画はなかったので、“今のLUNA SEAが本気で音楽を作ったらどうなるかやってみたいね”ぐらいの感覚だったんですよ。いわば、結成したてのロックバンドみたいな感じですよね。始めたばかりの頃って曲が自分たちの存在証明じゃないですか。発売するために作るわけじゃなく、純粋に今の自分たちを体現したい。そういう想いから、このアルバムは生まれてきたんです。

――数年かけて集まった曲たちの中から選んだんですか?

SUGIZO:そう。その作業をしたのが今年2013年ですね。

――ちなみに何曲ぐらいの中から選んだんですか?

SUGIZO:収録曲数の倍以上はありました。レコーディングが途中まで終わっていて、でも今回パッケージされてない曲もたくさんありますよ。

1stアルバムみたいな存在なんですよ。楽曲が生まれてきた理由そのものが
5人で音楽を作りたいっていう衝動でしかないから、純粋だし、みずみずしい。


――ゼロから作り上げたオリジナルアルバムっていう?

SUGIZO:そうなんです。だから、1stアルバムみたいな存在なんですよ。楽曲が生まれてきた理由そのものが5人で音楽を作りたいっていう衝動でしかないから、純粋だし、みずみずしいと、感じています。

――SUGIZOくん自身も終幕前のLUNA SEAに曲を書くときと意識が違ったんですか?

SUGIZO:そうですね。アルバムを何枚も重ねていくと“次はこういうことをやってみたい”とか“こういうアプローチをしてみたい”という、いわば方法論優先になってくるんですよ。それは悪いことではなく、だからこそ実験的な楽曲や新しいスタイルが生まれてきたりするんですけど、今回は違うんですよね。今の自分たちが本気で音をかき鳴らしたらどうなる? っていうところが出発点なので……。そこが根本的な今回の動機ですね。

――2011年にはファーストアルバム『LUNA SEA』(1991年)をセルフカバーした『LUNA SEA』をリリースしましたが、今回のアルバムは初期のLUNA SEAと今のLUNA SEAのスケール感が融合したような印象を受けたんです。

SUGIZO:それは嬉しいし、意図した通りですね。バンドを始めた頃のアティテュードを再確認するためのセルフカヴァーでもありましたからね。そう考えたらファーストが2回、続いてるんだね(笑)。

――言われてみたら、確かに。

SUGIZO:それと、大事なのはシングル「THE ONE -crash to create-」を作り終えたからこそ生まれたアルバムだってことですよ。

――REBOOT後初のシングルであり、約23分の大曲でしたね。

SUGIZO:「THE ONE―」は、LUNA SEAの深遠で宇宙的な世界観を突き詰めた楽曲で、ある意味、限界への挑戦だったんですよ。ああいう大作を作ったことによって、次に初期衝動のカタマリのような、みずみずしい曲たちが生まれてきたと実感しています。だからこそ、シングル「The End of the Dream」や「Rouge」のようなLUNA SEA流問答無用のロックンロールが生まれたわけで。「THE ONE―」が『A WILL』に大きな影響を及ぼしたことは間違いないですね。月と地球のような関係だと俺は認識しています。

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