【ライブレポート】Perfume、初のドームツアー完走に涙。「この3人でよかった」

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12月25日、Perfume史上初となる東京、大阪での2大ドームライブ<Perfume 4th Tour in DOME 「LEVEL3」 supported by チョコラ BB>が東京ドームでファイナルを迎え、その圧巻のステージングで大盛況の中、約16万人を動員する大規模なツアーは全4公演を無事終了した。

◆<Perfume 4th Tour in DOME 「LEVEL3」 supported by チョコラ BB> ライブ画像

全公演のチケットは発売と同時に即日完売、2013年は日本及び海外でも積極的に活動を行い、より一層の3人の成長、そのパフォーマンスに表れていた今回のドームツアーは、新たなネクストレベルに突入した“2013年Perfume”の集大成として、ここに大きく実を結んだ。

Perfume 史上最強のダンスアルバムと称され、セールスも絶好調のニューアルバム『LEVEL3』は、オリコン週間アルバムランキング1位を獲得。5作連続のアルバム首位を記録し、女性グループとしては20年8ヶ月ぶりとなる快挙を達成した。また、119カ国に世界配信された本アルバムは、30か国を超える iTunesエレクトロニック・アルバムチャートにチャートインし、アメリカ、カナダを含む19か国でトップ10入りを果たした。

そんなPerfumeは、初のヨーロッパツアーなど海外での活動も積極的に行い、国際的なリリース、それによるファンの広がりに伴って今回のドームツアーにも日本はもとより世界中からも多くのファンが集い、ニューアルバム『LEVEL3』の世界を思う存分に堪能した。そしてこの日はなんと、キャロライン・ケネディ駐日米国大使も家族とともにプライベートで鑑賞に訪れ、ライブを楽しんだという。

ライブ当日、会場には朝からライブを待ちきれずに全国から長蛇の列をつくるファンが集結した。会場内では3人の登場を心待ちにする拍手とコールが響き渡り、開演前にも関わらず、大きな歓声で盛り上がりを見せていた。

会場が暗転すると、オープニングではステージ上にある白い大きなドームが突如まばゆく輝き始め、ドームに映し出されたプロジェクションマッピングが、鼓動のような音に合わせ、生命を吹き込まれたような動きを見せる。そこにツアースタートへのカウントダウン映像と同じポージングの3人の3D映像が浮かび上がると、オープニングナンバーとなる「Enter the Sphere」が流れ始めた。

メンバー3人は、高さ20メートルを越えるそのドームの頂上に登場した。会場からは驚きとともに、割れんばかりの大歓声と拍手が沸き起こるなか、次に3人がドームの中に下りていき、姿を消す。すると客席の中に位置する3つのステージの白いバルーンが突如膨らみ始め、バルーンが完全に膨らみ終わったのち、割れると、その中から3人がそれぞれのステージに分かれて再び登場した。青くキラキラと光る衣装を纏った姿は眩しいほどに美しく、その立ち姿とダンスパフォーマンスからは凛とした強さを感じさせた。

「Spring of Life」が始まると、3 人はそのまま客席中に位置する別々のステージでダンスパフォーマンスを披露するが、メインステージに設置された大きなLEDにはソロショットの映像が組み合わされ、3人が並んでダンスしているかのように映し出されていた。楽曲が終わると同時に、3人はまたそれぞれのステージから姿を消したが、「Magic of Love」が流れ始め、メインステージを覆っていたドームが上方に開き始めると、さっきまでバラバラの場所にいたメンバーが揃って現れるという瞬間移動を見せた。

MCで自己紹介、会場を大きく3つのグループに分けてのコール&レスポンスでフロアを一段と温めた後は、アルバムのリード楽曲としてこれまでテレビなどでも披露をしてきた「1mm」を披露する。とてつもない量の青と白のレーザーが会場内に降り注ぐなか、メインステージの LED と上下のサービスモニター映像に「1mm」のミュージックビデオと同じ世界観が表現されると、観客も声を出して歌い、盛り上がりを見せる。 続いて初披露となった「Clockwork」では、手で時計の針を表現しながら、楽曲に合わせて右に左にゆらりゆらりと小波のように身体を揺らすダンスが艶やかで印象的であった。

メインステージから客席前面に張り出された花道を通り、ステージを移動したところで「ポイント」が始まると、花道に隠されていたクレーンに乗り込んだメンバーが空中高く持ち上げられた。観客の頭上の真上に円を描くようにクレーンが動くという、ドームライブでしか成し得ない演出が繰り広げられる。観客の1人1人、広いドームの隅々まで想いが届くよう、メンバーはしっかりと大切に曲を歌い上げる。そして 曲が終わると同時に3人はクレーンを使ってサブステージへと降りるというさらなるサプライズで会場を沸かせた。

あ~ちゃんが「私がアルバム『LEVEL3』の中でもとても気に入っている楽曲なんです」と紹介した次のナンバーは「ふりかえるといるよ」だった。次々と繰り出される初披露曲の連続に、観客は 3人の一挙一動に釘づけとなっている。続く「Sleeping Beauty」では、会場外に設置されたブースで3Dスキャンされた、観客たちの画像が映像になって表現された。また、地球が映し出されたその映像には、2013年に訪れたヨーロッパツアーの地名が記され、彼女たちの活動の振り返るかのようなものとなっていた。

「ジェニーはご機嫌ななめ」で3人は素早くサンタの衣装に着替え、ハッピーモード全開でドーム内をグルっと半周し、メインステージと真反対に位置するステージに移動した。 クリスマスならではの特別な演出が作る雰囲気はとても温かく、会場全体が幸せに満ちていた。 そのステージで「ワンルーム・ディスコ」を披露。会場の大きさを全く感じさせない近距離でのパフォーマンスに観客も興奮、総立ちでそれに応えていく。

次のMCの最中は、どこからともなく『ドラえもん』の声がトークに交じってくる。これは各公演日替わりでメンバー3 人が「ドラえもん」の声を担当し、その場でモノマネをするというコーナーだった。「ドラえもん」の声で楽しいトークが広がったあと、再度移動車に乗り込んだところで映画『ドラえもん のび太のひみつ道具博物館(ミュージアム)』の主題歌「未来のミュージアム」がスタート。 ドームをぐるっと一周しメインステージに戻ったところで、あ~ちゃんの「四つ打ちカモン!」という掛け声から、ライブで恒例の「P.T.A.のコーナー」へ移る。そして「だいじょばない」、「ポリリズム」を続けざまにパフォーマンスした後は、「チョコレイト・ディスコ」とキラーチューンを連発しクライマックスへ。

あ~ちゃんは、 「こんなにたくさんの人が、一年で本当に大事な日に Perfume のために時間を使ってくれてありがとうございます」と話すと想いがこみ上げてきた様子で、ぽろぽろと涙をこぼした。 かしゆかは、「本当にこの3 人だからずっとやってこれてるんだなっていうのを実感して。ステージに立つのが本当にこの3 人でよかったなって思いました。皆さんがいてくれたからこそ本当に楽しいライブになったし、ここまで頑張れたと思います。」と涙。のっちは「本当にこの1年、このドームのために駆け抜けてきて、1年の中では試練や挑戦があって打ちのめされたこともあったけど、度胸がついた 1年だったんだなって今日ここに立って実感しました。今日はホームみたいな感じ。自分へのご褒美のようです。『 Level3』のアルバムをもっと好きになってくれてたら嬉しいです。そして私たちのことももっと好きになってくれてたら嬉しいです」と肩を寄せ合い、このステージに立てたことの喜びと感謝の気持ちを心を込めて伝えた。

本編ラストとなる楽曲は「せーの!」の合図で大きくを手の平を上げてスタートする「MY COLOR」。 ドーム全体が明るく照らされ、想いを込めて掲げた手の平と、そのダンスパフォーマンスを通して、ファン1人1人と気持ちをつなげる。 この場所にいる全員が手のひらを上げて、同じ振りを踊り、笑顔で感動を共有する。その光景はもはや神々しいものですらあった。

アンコールが始まると、『LEVEL3』でもラストを飾る「Dream Land」のイントロが流れる。同時にステージ下から現れる、肩から背中にかけて羽のように伸びる真っ白なドレスに身を包んだ 3人を歓喜のファンが迎える。その羽にはプロジェクションマッピングとレーザーによる最先端の演出により、幻想的な光が映し出されていた。会場中に光が散りばめられ、うっとりするような光景に包まれた彼女たちは、眩しいほどに美しかった。

そして、ついにラストを迎える。歌いながらゆっくりとした足どりで中央のメインステージに向かうメンバー。彼女たちがステージへと到着する頃には、上方からドームが閉まるように下りてくる。 ドームの中は光に包まれ、メンバーはその中に一歩一歩踏み込んでいくと、光の中へと消えていった。その様子を観客は、どこまでも追いかけ、見つめ続けていた。

そのまま、閉じたドームには“SEE YOU NEXT LIVE”の文字が。圧巻の演出と幸せいっぱいのムードで魅せたライブは幕を下ろした。



◆Perfumeオフィシャルサイト
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