【ライブレポート】武藤彩未、愛らしさと凛々しさ、圧倒的存在感を持つアイドルシンガーのその魅力

ツイート

武藤彩未は12月29日、赤坂BLITZで行われた<武藤彩未 ライブハウスツアー2013「TRAVELING ALONE」>、“PART:2 新たなる旅立ち”のツアーファイナルで2014年4月にメジャーデビューすることを発表した。「メジャーデビューが決定しました!」と満面の笑みの彼女に「おめでとう!」と会場からの大歓声と拍手。武藤彩未の新たなる旅立ちの瞬間は、喜びに溢れたとても温かいものだった。

◆武藤彩未 画像

「8歳からたくさんの方に支えていただいて、ようやくソロデビューというスタートラインに立つことができます」。赤坂BLITZでそう話した武藤彩未は、8歳の頃からキッズモデルとして活動を開始し、可憐Girl’sやさくら学院といったグループで活動を行ってきた。そして、2012年にさくら学院を卒業したのち、彼女は1年4カ月もの間レッスンを積み重ね、2013年7月に満を持して渋谷O-EASTで初のソロライブを開催した。

ソロとして初舞台に立った武藤彩未は、自身のルーツでもある1980年代の音楽を辿ることで原点回帰をはかり、現代に継承する“DNA1980”プロジェクトを彼女自身の誕生日である4月29日に発表。両親が松田聖子を始めとする80年代アイドル歌謡曲を聴いていたということもあり、身近でアイドル歌謡曲に触れてきた彼女ならではの80年代アイドルのDNAが注入されているパフォーマンスを見せた。

清涼感があり伸びやかでありながら芯の強い、声量も抜群。その持ち前の歌唱力で、松田聖子、斉藤由貴、浅香唯、堀ちえみ、中森明菜、浅香唯、小泉今日子、早見優、河合奈保子といったそうそうたるアイドルたちの曲、全34曲をカバーしてきた。その時々、楽曲によって表情を変えながらも、ブレることのない歌声はカバーでありながらオリジナリティも感じることができ、見ていてとても清々しい気持ちにさせてくれる。可愛らしい衣装、歌唱中の笑顔、そして手の振りその指先までもが、80年代アイドルを彷彿させる“アイドル然とした”愛らしさと凛々しさを兼ね揃えており、まさに“DNA1980”。現代としては、他に例を見ない新鋭のアイドルといえる存在として、ソロ活動の約8ヶ月間で着実に個性を確立していったのではないかと思う。

9月に2度目となるSHIBUYA‐AXでのライブを終えたあと、10月からは、<TRAVELING ALONE>をスタートさせた。このツアーはライブハウスツアーとして敢行した。各会場、1公演200~300名キャパ程度のライブハウスツアーは、これまで様々な会場でパフォーマンスしてきた彼女にとって、観客をより近くにしてどのようなライブを作るか、ある意味、武者修行のようなものとなったのではないだろうか。このツアーでは、女性ファンも目立ち、武藤彩未の愛らしい表情と佇まいに魅了されている姿がとても印象的だった。武者修行の成果は、12月29日、<TRAVELING ALONE>ツアーのファイナルとなった赤坂BLITZ公演で存分に発揮されていた。ライブハウスで、より近い距離でファンとライブを楽しみ、その手応えを掴んだ彼女はこの日、ツアーの集大成にふさわしい、堂々としたパフォーマンスを見せた。

「ツアーファイナルへようこそ! 武藤彩未です」と言い、長いお辞儀をしてスタートしたライブでは、まずは「女神のサジェスチョン」、「桜ロマンス」というオリジナル曲から披露し、その後は、「青い珊瑚礁(松田聖子)」、「少女A(中森明菜)」、「セシル(浅香唯)など、自身でセレクトしたという“DNA80メドレー”を見せた。彼女の頼もしいパフォーマンスとめくるめく名曲に、身を委ねて楽しんでいる観客の姿が見受けられた。そして、ライブ途中で行われる恒例のコール&レスポンス“彩未エクササイズ”(※タイトルが長いとのことで、“AYMX”と本人が改名(笑))での一体感には、「年末にひとつになれて幸せです」と喜んだ。

「これまで80年代の楽曲を歌ってきました。本当に大好きなので、こんなに歌えて幸せでした。時代を越えても歌い継がれる歌。私もそういう歌が歌えればいいなと思います」そう言って、本編ラストではファンの間ではすでにお馴染みとなったオリジナル曲「彩りの夏」を披露。両親が“未来を彩るように”と名づけてくれた名前の一文字を使ったこの曲を大切に歌い上げた。

そして、アンコールが始まり、真っ白のステージに映し出された、「2014年4月メジャーデビュー決定」の文字。武藤彩未、そして観客全員で喜び合ったこの瞬間は、冒頭で述べたとおり、とても感動的であった。アンコールでは、これからの彼女の活動を期待させるオリジナル曲を3曲披露。「宙」、「A.Y.M」、「永遠と瞬間」、それぞれが80年代歌謡曲の要素をしっかり受け継ぎながらも、前衛的なサウンドアレンジによって作り出された曲たちは、彼女にぴったりだなと思った。

「これからまさに私の一人旅が始まります。ソロとして向かう道は楽しいことばかりじゃなく、苦しいこと、うまく行かないことも沢山あるかもしれないけど、自分自身今思う事、やれる事を精一杯頑張っていきたいと思っているので、これからも応援よろしくお願いします!」そう言ってステージを去っていった彼女だったが、この日はサプライズ。客電がついても観客の鳴り止まない歓声に応え、再度ステージに登場した。

「もう1曲歌っていいですか? それでは、「彩りの夏」!」。このとき聴いた「彩りの夏」は、扉が開いて新たな道がどこまでも広がっていくイメージ。まさに新たなる旅立ちの門出にふさわしい1曲だった。「2014年4月のデビューに向けて、一生懸命頑張っていきます。今日は本当にありがとうございました」

2014年4月。新しい季節に新しい旅路。そのとき武藤彩未はどのようにデビューを飾るのか、今からとても楽しみだ。

<セットリスト>
1.女神のサジェスチョン
2.桜ロマンス
3.時間というWonderland
4.悲しみよこんにちは(斉藤由貴 1986年)
5.青い珊瑚礁(松田聖子 1980年)
6.涙のペーパームーン(石川秀美 1983年)
7.リ・ボ・ン(堀ちえみ 1985年)
8.少女A(中森明菜 1982年)
9. セシル(浅香唯 1988年)
10.なんてたってアイドル(小泉今日子 1985年)
11.C-Girl(浅香唯 1988年)
12.夏色ナンシー(早見優 1983年)
13.夏の扉(松田聖子 1981年)
14.学園天国(小泉今日子 1989年 ※オリジナルはフィンガー5)
15.スマイル・フォー・ミー(河合奈保子 1981年)
16.彩りの夏
EN1.宙
EN2.A.Y.M
EN3.永遠と瞬間
WEN.彩りの夏


◆武藤彩未 オフィシャルサイト
◆武藤彩未 オフィシャルInstagram
この記事をツイート

この記事の関連情報

*

TREND BOX

編集部おすすめ

ARTIST RANKING

アーティストランキング

FEATURE / SERVICE

特集・サービス