【対談】<MONSTER BOX>、ギルガメッシュやDJダイノジら5者が語るバンドシーンの現状「バンドの歩む道がお客さんたちの人生のサウンドトラックになっていく」

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2月2日、新木場コーストにて開催される新たなロックイベント<MONSTER BOX Vol.00>には、国境もジャンルも超越した全8バンド全6DJが出演する。このイベントのテーマはずばり、ラウドロックシーンに“NWOJHM”(ニューウエーブオブジャパニーズへヴィミュージック)なる新カテゴライズを作り上げ、世間に啓蒙するというものだ。ドイツのESKIMO CALLBOYをはじめ、日本からの参戦バンドも、すべて国境を飛び越えて世界で活躍する猛者ばかり。

イベント開催を前に、ギルガメッシュの左迅、ROACHのtaama、MAKE MY DAYのJulian、そしてDJとして名を連ねたダイノジの大谷ノブ彦と、同じく吉本芸人にしてDJの岩瀬ガッツによる5者対談を行った。対談テーマは“良いライヴとは”という哲学的なものから、各々のバンドの印象、ジャンルの壁とラウドロック、そして海外シーンで活動する意味まで。バンドはもとより、お笑い芸人にも共通する“ステージ”の話で、約100分におよんだ対談は終始笑いっぱなしの熱量の高いものとなった。ぜひともイベント前にこのテキストに目を通して、<MONSTER BOX Vol.00>の意図を感じ取っていただきたい。なお、BARKSでは<MONSTER BOX>特設ページを展開中だ。こちらには参加アーティストの動画コメントなどを掲載しているので、併せてご覧いただきたい。

◆MONSTER BOX対談 拡大画像

■リスペクトし合えるバンドが一丸となって立ち上がったイベント──左迅(ギルガメッシュ)
■自分にとって良いライヴとは、お客さんと握手できた瞬間──大谷ノブ彦(ダイノジ)

▲左迅(ギルガメッシュ)
──対談が始まる前から、バンドマン3人は仲良くお話されてましたけど、付き合いは長いんですか?

taama:左迅とは結構長くて。もう7年ぐらいになりますね。

左迅:歳も近いし、仲良くしてます。

大谷:バンドマンの先輩後輩の上下関係みたいなのって、どういう感じなんですか?

taama:基本は年齢ですね。バンド歴とかじゃなくて。

Julian:そんなに年齢が離れてなければ曖昧な部分もあったりしますけどね。

左迅:そうそう。あからさまに年齢が上そうだったら、ちゃんと敬語だけど。

大谷:縦社会がメチャメチャ厳しかったりは?

Julian:その界隈によってだとは思いますけど、厳しい界隈もあれば、そこまでじゃない界隈もあったり。

左迅:ヴィジュアル系は厳しいですね。

大谷:芸人は、どんだけ歳が離れてても、先に入ったヤツが先輩なんです。だから、小学生マジシャンに敬語を使うこともあったり(笑)。

一同:ハハハハ(笑)。

▲大谷ノブ彦(ダイノジ)
大谷:8歳の小学生に「兄さん!」って呼ぶ不条理がありますよ(笑)。なんでこういうことを訊いたのかというと、今回のイベント<MONSTER BOX Vol.00>は“新世代”っていう言葉を謳っているじゃないですか。同世代感みたいなのがあるのかなと思ったんですよね。で、イベントの概念の話だと、いろんな形の音楽を伝えたいという啓蒙みたいなところもある。そこはどう考えてるのかなと。

左迅:音楽シーン自体、元気がない状態だとオレは感じてるんです。だから、ジャンルとかシーンみたいな細かいことを言ってないで、リスペクトし合える同世代のバンド同士が、一丸となってイベントを立ち上げるのは凄く大事なことだと思ってますね。だから、こういうイベントには積極的に参加していきたい。

大谷:元気がないっていうのは、具体的にいうとCDのセールス?

左迅:それもありますね。インターネットに繋げば曲が聴けるし、ライヴも観れる。それはバンドにとって、世界中の人に簡単に楽曲を知ってもらえるキッカケだったり、チャンスにはなっているんですけど、その反面、音源を買うという行為には直結していないのかもしれない。

大谷:ただ、ライヴ会場に来るお客さんが減っているわけではないですよね。

左迅:そうなんです。だから、ライヴ現場に主軸を置いて、どんどん音楽を発信していく、和を広げていく。それが、いちばん大事なことじゃないかなと。

大谷:みなさんにとって、“良いライヴ”の条件って何ですか?

左迅:どうだろう……深いな~。ライヴとかステージという意味では、バンドも芸人さんも共通していますよね。

大谷:そうですね。オレはクソみたいにチャンスを逃してる芸人で、若いときは凄く生意気だったんですよ。同期の芸人と何回もやり合ったりしてるしね。で、そのころは、自分が作ったモノが相手に受け入れられなくても自分が偉いと思ってた。矛盾してたんですよね、ステージに立って人前でやってるクセに。

──自己満足でOKだったということだと思うんですけど、それが“良いライヴ”を意識するようになったのは?

大谷:確かに若い頃はそれでOKだったんですよ。それがいろんな経験をして変わった。特にDJをやったことが大きかったんです。僕らのDJって、大地のエアギターや演芸を入れるから、みんなと能動的に踊ろうっていうスタイルで。それって、要はお客さんがその世界観を共有してくれたらドッカーンといくんです。そうなったときに、“ライヴって自分の満足感じゃなくて、お客さんじゃん”と思って。だから今、自分にとって良いライヴとは、お客さんと握手できた瞬間なんですよね。

taama:僕も単純にライヴを観てる人と一緒に楽しくなればいいって考えてますね。

左迅:やっぱり、ライヴの出来はお客さんが決めるモノだし、マスタベーションで終わらせるのは違う。自然体でお客さんが楽しんでくれるのがいいライヴだと思ってますね。

Julian:うん。みんなと一体になれるのがいいですね。

大谷:で、ステージと客席の波長が上手く合うと、とんでもないライヴができるっていう。

◆インタビュー(2)へ
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