ヤマハは、ヤマハエレクトーン「STAGEA(ステージア)」の新モデル 「ELS-02」「ELS-02C」「ELS-02X」を4月10日より発売する。また、ユーザーが現在使用している現行のエレクトーンSTAGEA ELS-01シリーズを買い換えることなく、新モデルと同等の性能にすることができるSTAGEAバイタライズユニット「ELSU-V02」「ELSU-V02X」を5月7日より発売する。

◆「ELS-02」「ELS-02C」「ELS-02X」拡大画像

電子オルガンの代名詞ともいえるエレクトーンは、上、下、ペダルの3段鍵盤を使い、1人でメロディ、ハーモニー、リズムをリアルタイムに表現できる楽器。1959年の1号機発売以来、常に最新の電子楽器技術の粋を集めて進化を続け、これまでに全世界でおよそ480万台以上を販売。中でも2004年に発売した「STAGEA」は、本体各部のユニット化を実現、必要な機能を後から付け加えることで、上級モデルへのグレードアップが可能な点などで好評を得ている。その「STAGEA」が10年ぶりとなるフルモデルチェンジを果たした。


▲左はELS-02スタンダードモデル、右はバイタライズユニットを搭載したELS-01。筐体はそのままだが、液晶をはじめ心臓部は最新のELS-02と同じにアップグレードできる。操作性は変わらない。

「STAGEA」ELS-02シリーズの登場に際して、「STAGEA」ELS-01シリーズのユーザーが、最新の機能を備えたELS-02シリーズと同等のモデルにアップグレードできる、新しいコンセプトのユニットが開発された。ELS-01シリーズに新たな息吹を与える=「バイタライズ(活性化)」することができるということから、「STAGEA バイタライズユニット」と名付けられている。また、これまでELS-01シリーズで作られたデータはELS-02シリーズでも再現が可能なほか、ELS-02シリーズへ買い換えた場合でも、パネルレイアウトが共通なので、操作に戸惑うことなく演奏が可能。さらにELS-01シリーズ同様、グレードアップユニットも5月7日に発売。上達にあわせて上位モデルにグレードアップすることができる。


▲バイタライズユニットはELS-01シリーズの心臓部、液晶などを交換することでELS-02シリーズ相当に進化させることが可能(写真左)。さらに上位モデル相当にグレードアップすることもできる(写真右)。

ELS-02シリーズの新たなフィーチャーとしては、楽器の本質である音に徹底的にこだわり、奏者の感性をより自然に表現できる「スーパーアーティキュレーションボイス」の搭載がある。これはアコースティック楽器の音を自然に再現する、ヤマハ独自のAEM技術を使用したもの。管楽器の演奏に欠かせない滑らかなレガートやスタッカートといった奏法、ギターと指の摩擦音、サックスのブレス音などのアコースティック楽器特有の奏法を、鍵盤のタッチなどを使い、演奏にあわせてより自然に表現することができる。そして、ヤマハピアノの最高峰であるフルコンサートグランドピアノCFXの音をサンプリングしたピアノボイスをはじめ、高品質で多彩なボイスが充実。演奏の幅を広げるだけでなく、奏者の感性をもさらに引き出せる内容となっている。

また、最新の音楽シーンにもマッチできる豊富なリズムを用意。リズムと音色のおすすめを組み合わせてあるレジストレーションメニューもさらに充実。弾きたいと思ったときにいつでも簡単に呼び出せる豊富なメニューには、即興演奏やレジストレーション制作でベーシックなセッティングとして使えるシンプルレジストを搭載。事前の準備なしですぐに演奏が楽しめる。

前モデルとの互換性も大きな特徴。ELS-01シリーズで作成されたレジストレーションや演奏データは同じように再現が可能。また、パネルスイッチや鍵盤のタッチなどはそのまま継承されていおり、操作に戸惑うことはない。ユーザーの演奏やノウハウ、資産を生かしつつ音楽の変化に対応できるエレクトーンとなっている。デザインも、ELS-01シリーズのスタイリッシュなフォルムはそのままに、より精悍でステージに映える、高級感のあるカラーリングを採用している。

ラインナップは鍵盤やボイス数などの違いにより、スタンダードモデルのELS-02、カスタムモデルのELS-02C、プロフェッショナルモデルのELS-02Xの3モデルを用意する。

1月22日に行われた製品発表会ではまず、代表取締役社長の中田卓也氏が登壇。現在のヤマハの商品群をアコースティックヤマハ、エレクトロニクスヤマハと分類すれば、エレクトーンはエレクトロニクスヤマハの原点であるとし、半導体もエレクトーンを作るために工場まで作ってしまったというエピソードを紹介。電子楽器として、そのときどきの最先端の技術を常に取り込み、最高峰の楽器として提案してきたのがエレクトーンだとした。また、「せっかく買った楽器が陳腐化する」「せっかく楽器を買ったのだから長く使いたい」という要望と、「常に新しくなるテクノロジーを取り入れた新しい楽器として常に第一線であってほしい」という願い、その二律背反する要望をなんとかしようと考えて作られたのが2004年のSTAGEA第1号機。なるべくモデルチェンジをしなくてすむように、またはあるベースグレードモデルを購入後上達に合わせて買い換えることなくグレードアップがユニット単位でできるようにと開発したと当時を振り返る。そして今回、新しい機能を持った、新しい時代にも対応できる第2号機ELS-02の開発に至ったが、ここでも長く付き合える楽器という10年前にした約束をしっかりと守った上で提案できるよう、バイタライズユニットを開発。現在使用しているSTAGEAはそのままに、心臓部だけを変えられる仕組みとし、アップグレードやバージョンアップは今後も続けるとした。「これからもヤマハはエレクトーンの文化の発展に尽くしてまいります。また、ほかのヤマハの楽器事業、音響事業、半導体事業、いろいろな事業を行っておりますが、一生懸命わくわくするような提案をしてまりたいと存じます」と締めくくった。


▲オペラの実演はソプラノの小川里美さん、テノールの高田正人さん、エレクトーンプレイヤーの清水のりこさん。9月には3人が出演する銀座オペラの上演が予定されている。

発表会にはゲストも登場。1台でさまざまなジャンルの音楽を奏でられるエレクトーンは、ほかの楽器とのコラボレーションでも活躍、その1つがオペラであるとし、ソプラノの小川里美さん、テノールの高田正人さん、エレクトーンの清水のりこさんによるコラボレーションが披露された。会場となったヤマハ銀座ビルにあるヤマハホールの企画「銀座オペラ」などで活躍するオペラ歌手と、エレクトーンによるオーケストラによる「オペラ『椿姫より』乾杯の歌」は多くの報道陣を魅了した。


▲発表会はエレクトーンプレイヤーの窪田宏さん(写真左)の演奏でスタートした後、ヤマハ代表取締役社長の中田卓也氏(右)が登壇。

エレクトーンのソロ演奏を披露したのはエレクトーンプレイヤーの窪田宏さん。インタビューでは、ELS-02のルックスについて「黒と渋いシルバーが印象的、男性の演奏者が増えるんじゃないか」とし、「カラーリングは変わったが、パネル面は変わってないので今までのSTAGEAと違和感なく演奏できるのが気に入っている」「今まで一生懸命作ったデータがそのまま使える」と互換性も高く評価。また、新音源LSI搭載など進化した点については「データを読み込むのがすごく速くなった」とし、コンサートやライブで曲と曲との間で待たせることがなくなる点がうれしいとコメント。読み込み時間は4~5倍速くなったこと、瞬時に読み込める量も5倍になっていることが紹介された。また、「音色制作時にコピーが可能になったことでより、演奏、音楽面に集中できる楽器になった」「膨大な音色数は演奏者にとって一番うれしいこと。音色が増えただけでなく、音質がすごくよくなった」「特にスーパーアーティキュレーションボイスにインスパイアされて、ワクワクする」と新しいエレクトーンの可能性を語った。

<ヤマハエレクトーン STAGEA>
◆ELS-02 スタンダードモデル
価格:650,000円(税抜)
◆ELS-02C カスタムモデル
価格:980,000円(税抜)
◆ELS-02X プロフェッショナルモデル
価格:1,580,000円 (税抜)
発売日:2014年4月10日(木)

<STAGEA バイタライズユニット>
◆ELSU-V02 (ELS-01/01U/01C/01CU/01CHユーザー向け)
価格:240,000円(税抜)
◆ELSU-V02X(ELS-01X/01XUユーザー向け)
価格:260,000円(税抜)
発売日:2014年5月7日(水)


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