「可愛くて、愛らしくて、小柄」小さなギターヒーロー、Jikkiのビッグプロダクト

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女性ロックギタリストJikki(ジッキ)が、ビリー・シーンらと共演を果たしたオリジナルアルバム『いろはうた | Transient』をリリースした。

◆Jikki 画像、PV映像

東京出身、6歳から17歳までピアノを習うかたわら15歳からギターを始めたJikkiは、慶應義塾大学法学部法律学科に通いながら音楽学校「メーザー・ハウス」にてエレキギターを専攻し、学生時代よりミュージシャンの通訳やサポートギタリストなど様々な経験を詰んできた。2009年にはVOX Guitarsのデモンストレーターとしての活動を開始し、1980年代のロックの名曲をカバーした1stソロアルバム『Pop Metal Guitar Venus』を2011年にリリース、その後もKinKi Kids、ももいろクローバーZや女王蜂などのサポートギタリストを務め、2012年にはシルク・ド・ソレイユ「Michael Jackson “THE ONE”」女性ギタリストキャスト・ワールドオーディションではファイナリストまで進出する経験をもつ。

2013年11月20日~12月1日にかけて開催された<TOKYO MOTOR SHOW 2013>では、フォルクスワーゲンブースにてDJ、ダンサー達とコラボレーションしたギターのパフォーマンスを披露して音楽業界の枠を超えて話題となった。そんな多彩なキャリアを誇るJikkiの2ndアルバム『いろはうた | Transient』は、本場ロサンゼルスのトップミュージシャン達との共演に加えて日本のトッププレイヤーとの共演も実現、さらにはミックス・マスタリングまでLAで仕上げた、ギターファン必聴の作品だ。

「Jikkiは、小さなギターヒーローだ。可愛くて、愛らしくて、小柄で、40kgもない位細い…。なのに、容姿からは想像も出来ない本物の演奏をブチかますんだ」――ビリー・シーン

今作でJikkiと共演を果たしたロックベース界の巨匠、ビリー・シーンは彼女へそんな賛辞を贈る。日本側からはTUBEの角野秀行が参加、LAで行われたミックス&マスタリングはTOTO、スティーヴ・ルカサー、イングヴェイ・マルムスティーン、ジェフ・ベック等、そうそうたるギタリスト達の作品を手がけてきたトム・フレッチャーがエンジニアを担当している。さらに、ジャケット写真には、あのU2もリスペクトしている現代美術作家、杉本博司のアート作品が使用されている。杉本の作品がCDジャケットに使用されるのはU2『No Line on the Horizon』に次いで全世界で2枚目となり、今作のタイトル曲「いろはうた | Transient」の歌詞も杉本博司が提供と、紫綬褒章ほか数々の受賞歴を持つ世界が敬う現代美術家とのコラボレーション作品としても注目だ。

サウンド、パッケージ、アート、夢の含有量…全てが世界トップ・クオリティの『いろはうた | Transient』にラインナップされた楽曲は、以下の全10曲だ。甘さと艶と抜けが共存した腰のある素晴らしいトーンを放ち、このような心地よいビブラートを持つ女性ギタリストは、なかなかいない。世界に飛び立つ日本人女性ロックギタリスト、Jikki渾身のギタープレイを堪能して欲しい。


『いろはうた | Transient』楽曲解説

1.いろはうた | Transient
色は匂えど 散りぬるを 我が世誰ぞ 常ならむ(Colors are fading away and away Nothing stays forever)
有為の奥山 今日越えて 浅き夢見し 酔いもせず(Passing through this presence Dreaming without fantasy)
作曲はJikki、世界が尊敬する現代美術作家、杉本博司氏が作詞を手がけた本アルバムタイトル曲。色即是空。 この世には、永遠たるものは存在しない。古から伝わる世界でも類を見ない日本語の傑作「いろはうた」をテーマとした、ロックと日本文学の融合。浮遊感漂う和を感じさせる旋律と副旋律は、エレキギターという西洋の楽器を選びながらも、日本人としてのアイデンティティを大切にしているJikkiの意識を反映している。

2.守護神 | The Sacred Goal Keeper
サッカー日本代表のゴールキーパー川島永嗣選手をイメージして書いたという、Jikkiオリジナルのギターインスト曲。聴きどころは、Jikkiとビリー・シーンの高速ユニゾンや、迫りくるオフェンス陣とゴールを死守する日本の守護神の攻防戦を表現したギターとベースの掛け合いソロ、迫りくる連続シュートを彷彿させるパトリック・カッチアの怒濤のドラムソロ、それを止めるゴールキーパーをイメージした変拍子のブレイク。この曲を、Jikki・ビリー・パトリックのトリオ以上にカッコ良く演奏できる組み合わせは、この世に存在しないだろう。

3.終宴 | Body's End
全てのことは、いつかは終わってゆく...。そのような儚さをJikkiが感じていた時期、突然メロディとコードが全て完成された状態で降ってきたらしい。既に、老若男女・国籍を問わず愛されている、ギターのバラード曲。メロディーメーカーとしてのJikkiの才能を感じさせる1曲である。

4.脳内星粒 | DmB
閉鎖的な関係性に混乱した脳内を、ドラムンベースのビートと、かすかに聞こえる断続的な英語の独白で表現した1曲。なんと、曲を通して2つしかコードが無い上に、コード進行も曲を通して同じパターンで押し通し、しかも全小節食っている...という不思議な曲。なのに、キャッチーで覚えやすい。Jikkiのボーカルが光る1曲でありながら、ギターのトーンはアルバムの中でもピカイチ。

5.幻 | <!-- I love you...-->
Jikki によるピアノ独奏。ピアノのインスト曲でありながら、CDパッケージに隠された歌詞が付けられているコンセプト作品。

6.憂鬱弐篇 | Insanity
たった一度だけ一瞬だけ触ったあなたの手の感触が、心に埋め込まれすぎて、そのまま私は壊れてしまいそう...という狂気(= Insanity)を表現した曲。歌モノなのに、サビはギターソロとなっている。通常のJikkiのギタースタイルは、先にソロの内容を決めてからレコーディングすることがほとんどだが、この曲に関しては、デモ段階でそれぞれ脈絡無く弾いたバラバラの2本のギターを左右に組み合わせる形で、そのまま採用したらしい。

7.深夜 | The Day has Come
深夜から夜明けへ、魂が生まれ変わる瞬間を表現した小曲。次トラック「魂の死と再生 | Death and Rebirth of the Soul」への序曲でもある。

8.魂の死と再生 | Death and Rebirth of the Soul
本アルバムの中でも、ギターインストとしての性格が最も強い曲のうちの1曲だが、なんと作曲にはギターを使用せず、リフも含めて全てピアノで作ったとのこと。本曲は以前ギター・マガジン誌の企画CDに収録されたことがあるが、その時はギター以外は打ち込みだった。今回はビリー・シーン、パトリック・カッチアという強力なリズム隊により、曲自体も生まれ変わった。

9.夢までの距離 | Distance to Your Dreams
「追いかけている夢までの距離は、あとどのくらいあるのだろう?それは誰にも分からないけれど、思ったよりも近くまで来ているのかもしれない」。コーラスでも英詞で歌われている通り、このようなJikkiのメッセージが込められている1曲。アルバムの最後を締めくくるに相応しい、秀逸したギターインスト作品。実はこの曲は、Jikkiが小さい時から敬愛しているギタリスト本人についに会えた時、その喜びを形に残したくて、その日のうちに書き上げた作品だそうだ。

10.[Bonus Track] 守護神 | The Sacred Goal Keeper(Edited short version for music video)
Jikki、ビリー・シーン、パトリック・カッチアの3人で、本曲のミュージックビデオを撮影。ビデオ用に短く編集したバージョンを、ボーナストラックとして収録。

『いろはうた | Transient』
2014年2月7日(金)発売
MFEL-2003 \2,400(税抜)
1.いろはうた | Transient
2.守護神 | The Sacred Goal Keeper
3.終宴 | Body's End
4.脳内星粒 | DmB
5.幻 | <!-- I love you...-->
6.憂鬱弐篇 | Insanity
7.深夜 | The Day has Come
8.魂の死と再生 | Death and Rebirth of the Soul
9.夢までの距離 | Distance to Your Dreams
10.[Bonus Track] 守護神 | The Sacred Goal Keeper(Edited short version for music video)
【ミュージシャン】
Jikki : All Guitars and Voices
Billy Sheehan : Bass
Patrick Caccia : Drums
角野秀行(TUBE): Bass
村石雅行 : Drums
竹田元 : Piano
【エンジニア】
Tom Fletcher


◆Jikki オフィシャルサイト
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