【インタビュー】Cyntia「今までの古き良きCyntiaに新しい要素を取り入れて化学反応で良くなればいいな」

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■「Limit Break」はゼロの状態からパーツを作っていって
■三人で秘密の合宿をしているような感じでした


──ははは(笑)。このあとの「SSS」の曲調が今までになく、ジャジーというか、ブギーというか。今までこんなのやってこなかったでしょう。

YUI:はい。ハネられなくて大変でした。テンポ早いし。

──でも、すごいいっぱいギター弾いてるし(笑)。

YUI:頑張りました……。レコーディング前、この曲が一番不安でした。

──ギタリストもいろいろいますけど、こういう曲は、こういう曲が得意な、ほぼ専門の方とかもいらっしゃるわけじゃないですか。でも弾かなければいけない……それがCyntiaですよね。

YUI:頑張る! SAKIちゃんが、「ロックバンドって、アルバム3枚目くらいにこういう曲あるじゃん」って言うんですよ。

SAKI:そう。3枚目の5曲目くらいに、こういうハネもの系の曲あるじゃないですか! ついにその時が私たちにも来たか……AZUよくやってくれた……と思いましたね(笑)。

──これ、AZUちゃんの曲だもんね。彼女はこういうの得意そう。

SAKI:そうなんです。彼女はハネるの得意なんです。むしろ彼女しか得意じゃないです(笑)。

YUI:だからAZUは余裕でしたね。

──「孤影悄然」はアラビアンスケールの曲で。

YUI:私はこういう曲が「庭」って感じです(笑)。だからレコーディングも楽しかった。「SSS」の時とは大違い。

──この曲は歌詞に四文字熟語というか、故事成語がたくさん出て来て。


▲初回限定盤A

▲初回限定盤B

▲通常盤
SAKI:そう。AYANOは重くてダークな世界観が得意なんですが、今までのアルバムの中にもそういうものを一曲ずつ入れていたので今回も入れようと。「Endless World」だと「色葬和音」で「Lady Made」だと「箱庭のイデア」がそうなんですけど、私とAYANOの中ではこれって続いてるお話なんですよ。その続きということで「孤影悄然」ができて。

──歌詞に出てくる四文字熟語はどうやって探したの?

SAKI:私、学生時代から四文字熟語が好きで、辞書とか、故事成語辞典を見るのが好きだったんですよ。自分がこういう感じのことをここで言いたいっていうのを考えて、ハマる単語を探すんです。漢字の見た目も私の中では重要で、漢字の構成の一部に月が入っててほしいとか、三水のついた漢字があるとか、そうやって探します。「孤影悄然」については、辞書を片手に聞いて欲しい。私自身、人の曲を聴くときにわからない単語があったらすぐに調べる人だったので、皆さんにもその楽しみを知ってほしいです。周りにはもっと分かりやすい歌詞を書けって言われましたけど押し通しました。

──で、この曲のあとの「シオン」がまた良いバラードですよね。歌詞が具体的だから突っ込みたくなるよね?

YUI:なります!

──「私に音を楽しむことを教えてくれたよね」とか、相手が見えてくるような歌詞ですが。

SAKI:今回バラードが「plant」と「シオン」ってあって、どっちかって言うと「plant」は素朴なバラードで、「シオン」はCyntiaっぽい壮大なバラードなんですよね。でも、だからこそ素直な歌詞を書こうと思って。デモを聞いた時点ですごく良い曲だなぁと思って、スラスラ?っと書けたんですよ。実体験を混ぜるとかじゃなく、完全にこの中で生きている人が見えると思って、お話を書いたような感じですね。今作では前向きさとか、自分は社会の歯車だって書いている曲もあるんですけど、そこは自分を投影してる部分もあるんです。でも基本的に私は歌詞に自分を投影していないようにしているので。

──曲が壮大なのに、唄っていることは個人的というギャップに感動しますよね。これだけ壮大な曲に、そのまま壮大な歌詞を乗せたらお腹いっぱいになって、ここまでグッと来ないと思う。

SAKI:本当にその通りで、壮大だからこそ、世界平和とか大地がどうこうとか、そういうところに行きがちですけど、そうじゃないなと。喧噪の中で、周りに人がいっぱいいるけど、女の子が一人で誰か一人のために唄ってる曲だと思って書きました。

──そこがこの曲の良さですよね。「シオン」というのは?

SAKI:これは、花言葉を調べてください。

──花のシオンなんですね。わかりました。最後は9分台の大作「Limit Break」ですが。イントロが長いから一瞬インストが始まったのかと思いましたよ(笑)。

SAKI:YUI、AZU、AYANOの三人でディスカッションしながら作ったんですよ。

YUI:キーも何も決まってなくて、三人で楽器持って集まって、じゃあ、どうしようっていうゼロの状態から、その場で「リフはこんな感じかな?」とか、「鍵盤をギターにしてみよう」とか、そんな感じでパーツを作っていって、曲も長いけど、できるまでも長かったですね。AYANOちゃんが鍵盤入れてる間に二人が寝てるとか、そんなこともありましたし、三人で秘密の合宿をしているような感じでした。今聴くと、ストレートで王道な曲だなと思います。

──これから初めての東名阪ツアーもあるけど、もちろんこの曲もやるんですよね。

SAKI:アルバムのタイトル曲ですしねぇ(笑)。

YUI:頑張ります(笑)。

SAKI:イントロとかブリッジとか長いから、私、マジックでもやったほうがいいかな?(笑)

──新境地すぎでしょ、それは(笑)。でも、ツアーは楽しみでしょう?

SAKI:単独ワンマンのツアーは初めてだし、名古屋と大阪で二日連続ワンマンっていうのも初めてだから、どうしたらいいんだろう?って感じなんですよ。ワンマンのあとって抜け殻のようになっちゃうから(笑)。私たちは何回、限界突破(Limit Break)するんだろう。ツアーが終わるまでは「Limit Break」がテーマです。限界を突破するステージを繰り広げたいと思います!

取材・文●大橋美貴子


『Limit Break』
2月12日発売
初回限定盤A:CD+DVD VIZL-634 \3,570(税込)
初回限定盤B:CD+DVD VIZL-635 \3,570(税込)
通常盤:CD VICL-64104 \2,940(税込)
CD(3タイプ共通)
01.閃光ストリングス
02.Ride on time
03.GeAr.
04.カルマ
05.plant
06.Night Flight
07.エレウテリア
08.SSS
09.孤影悄然
10.シオン
11.Limit Break
DVD(初回限定盤A)
IV<Live 2013>
睡蓮と蝶<Live 2013>
Chilly Nights<Live 2013>
Shaman Dance<Live 2013>
Fly away<Live 2013>

DVD(初回限定盤B)
VJ SAKI
深愛エゴイズム Music Video
VJ KANOKO
Wish<Live at O-WEST>
Lady Made<Live at O-WEST>
VJ AYANO
Return to Myself~しない、しない、ナツ。Music Video
VJ YUI
閃光ストリングス Music Video
VJ AZU

<東名阪ワンマンLIVEツアー>
2014.4.11(金)愛知 名古屋アポロシアター
[問]サンデーフォークプロモーション TEL 052-320-9100
2014.4.12(土)大阪 阿倍野ROCKTOWN
[問]ROCKTOWN TEL:06-6632-6900
2014.4.20(日)東京 新宿BLAZE
[問]HOT STUFF PROMOTION TEL 03-5720-9999

<ONE OF THE MILLION Presents~ヴィジュアニ祭~>
2014/3/13(木)SHIBUYA-AX
【出演アーティスト】
Kimeru / Cyntia / Ceui / ピコ / 飛蘭 / NoB / 葵-168- / LM.C / THE MICRO HEAD 4N'S / Jin-Machine / Virgil
[問]NEXTROAD 03-5712-5232(平日14:00~18:00)


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