平林デザインスタジオ、音色と操作性を向上させたまったく新しいトレモロシステム、HDSトレモロ「V-6c」

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平林デザインスタジオは、自社開発のギター部品として、HDSトレモロ「V-6c」を発表した。

HDSトレモロ「V-6c」は、既成概念を打ち破ったユニークな機構を採用、シンプルかつコンパクトでありながら既存ブリッジの欠点を克服し、音色と操作性を向上させたまったく新しいトレモロシステム。

音色が改良されるほか、音の立ち上がりちが速くなる、音の粒立ちが良くなる、ボディの鳴りが良くなるといった特徴を持つ。また、音のビリツキやチューニングの狂いが発生しにくい、セッティングが容易といったメリットもあわせもつ。

こうした特徴は独自の機構によりもたらされる。HDSトレモロはサドルの中央下部に作用点となる凸部を設け、後方を支点の役割を持つのネジで押さえ付けることにより、弦の高さ調整とサドルの固定とを同時に行う。サドルをプレートに固定する圧力がてこの原理で、理論上一般的な方式の3倍になり、なおかつダイレクトにプレートに接しているので音の伝達のロスが極めて少なくなる。


さらに、一般的なブリッジサドルは2本のいもネジでサドルを介して弦のテンションを受けているが、調整不良や演奏中の振動による片方の弛みで、サドルが傾いたり音のビリツキや伝達不良を発生しやすい欠点がある。それに対し、HDSトレモロの場合は、1本のネジでプレートの下に潜り込ませたスライドアンカーを引っぱり上げる構造により、その欠点を解消したという。HDSトレモロは、サドルがフリーの状態でありながら、弦のテンションだけで十分なプレートへの圧力が得られ、ピッキングの微妙なニアンスを余すところなく伝達する構造になっている。

また、チューニングの安定性、特にアーミング時のリターン精度に関して、HDS トレモロでは新たに2点スタッド内蔵ホルダーを開発、安定した性能を得ている。このホルダーは中央4カ所の穴を利用してボディに取り付け、圧入されたスタッドでプレートの円形ナイフエッジ部を受け留める構造になっている。左右別々にボディに埋め込むタイプと違い、スタッド間のピッチが正確で、なおかつアンカーナットを使用しないのでここでも音伝達のロスを生む部品を一つ減らすことができたという(サドル→ プレート→ スタッド一体型ホルダー→ ボディ)。

HDSトレモロはストラトタイプのギターに一切の追加工せずに、また一切ボディを傷つけることなく交換可能な構造になっている。取り付けに関しては、プロショップでの取り付けが推奨されている。


▲左がHDSトレモロ、右が従来方式のトレモロの機構。

平林デザインスタジオ代表の平林孝介氏は、フジゲンに在籍後独立、プロダクトデザインを核にロジテック、カノープス、大塚製薬、ハーモ、ベスタクスなど各業種で日本を代表する企業も含め、さまざまな分野のさまざまな商品のデザイン開発に携わってきた人物。2006~2012年にはベスタクス役員を兼務。製造本部長着任後直ちに開発を始めた製品は、パソコンを使ったDJという新しいマーケットを切り拓く先駆けとなり、世界に驚きを持って迎えられた。その後それに続くアップルコンピューターとのコラボ製品など、世界的なヒット商品のデザイン&製品開発を数多く手掛けている。

<おもな仕様>
サドル:真鍮
スライドアンカー:真鍮
ブロック:真鍮
ベースプレート:鉄(焼入れ)
ホルダー:真鍮
スタット:鉄(焼入れ/圧入)
サドルピッチ:10.8mm
アーム:直径5mm(オールドタイプ)
総重量:約410g(アーム装着時)
オール削出し加工、クロムメッキ
※前後調整用予備6 角穴付ボルト付属(10mm2本、8mm2本)
※交換用前後及び高さ調整なべ子ねじ16 本、6角レンチ付属
※バネ、バネ掛けは付属しない

◆HDSトレモロ V-6c
価格:25,000円(税別、送料込み)
発売日:2014年2月中旬出荷予定


◆HDSトレモロ V-6c 製品詳細ページ
◆平林デザインスタジオ
◆BARKS 楽器チャンネル
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