【ライブレポート】the god and death stars、初の東名阪ワンマンツアーファイナルでみせた未来「また会いましょう」

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the god and death starsが2月16日、バンド史上初となる東名阪ワンマンツアー<world tour 2014 [down of the god] >のファイナル公演を渋谷CHELSEA HOTELにて開催した。このツアーはCD『mary bird milk』リリースにともなって行われたもの。記録的な降雪がまだ足元に残る中、渋谷CHELSEA HOTELは熱心なファンで満員となり、その静かなる熱気が、後に展開されるライブの熱さを予感させるようであった。

◆the god and death stars 画像

ライブは「the introduction」でスタート。フロントに立つaieとkazuがドラムの大嵩潤と向かい合わせになりながら、規則的なビートを刻んでいく。このシーンはこの後も数多く見られたが、“トリオという最小限のバンド編成で、どこまで集中力の高い演奏を披露できるのか”というロックの禅問答のようなステージングだ。最小限の人数だからこそ、伝えたいことを全身で表現する彼らのパフォーマンスに、フロアを埋めるオーディエンスの集中力も一気に高まっていった。

前半戦のクライマックスは突然やってきた。ハットを目深にかぶり、うつむき加減に歌い演奏するaieに、ライヴハウス全体が引きずり込まれるように演奏は静かに加速していく。そして「love hole」「プール」「千年樹」と一気に畳み掛けるかのごとく放たれる楽曲たちに、フロアは一気に熱気を帯びた。時折見せる、お互いのプレイのみを集中して確かめるようなステージング、そのバンドの集中力の高さに圧倒されるばかりである。

ライヴ中盤で披露された「canine」「ハッピーJ」など、キャッチーな楽曲には客席から歓声が上がる。そんな中でも、彼らは必要以上にオーディエンスへ演奏以外のアピールはせず、ただひたすらに楽曲を演奏していった。そのストイックさ、ある種ため息にも似たオーディエンスの息遣い、これらが手に取るようにわかる瞬間もある。その研ぎ澄まされた感性が、彼らを東京アンダーグラウンドシーンの頂点まで高めた理由の一つであると言えるだろう。

そして今回リリースされた新譜からの「無実の無視」からは一気呵成、オーディエンスに激しい演奏を叩きつける。フレットを縦横無尽に駆け回るkazuのドライヴするベースが、大嵩潤のタイトで安定したリズムに被さり、そこにaieの硬く歪んだ音色のギターが絡み合う怒涛の展開圧巻だ。「複雑な倒立」のエンディングで、激しくインプロビゼーションを展開する3人に、オーディエンスはただただ熱狂の拍手を送るばかりであった。

「また会いましょう」

飾り気など一切なしの言葉でフロアに語り掛けたaieが、この言葉に続いて放ったのは、新譜に収録された「母乳」だ。キャッチーなメロディラインの中に、哀愁や孤独感を強く感じさせた詩が乗った同曲は、彼独特の世界観が色濃く表れたもの。この楽曲がセットリストの最後方に置かれたことによって彼らの今がダイレクトに感じられるようで、最も秀逸な展開であったと言えるだろう。熱狂するオーディエンスを無視するかのように、フロントの二人は背を向けてインスト楽曲「dawn of the god」を演奏。豪快なフィードバック音を残し、ステージを去っていった。

このライブでは、<god end>と題された次回ワンマンが5月6日に下北沢シェルターにて開催されることがaieから発表された。アンダーグラウンドシーンから羽ばたき、オーバーグラウンドシーンを軽やかに飛び回るべく動き出したthe god and death stars。彼らの今後の飛躍に期待が高まるばかりだ。

撮影◎Reiko Arakawa

■<the god and death stars world tour 2014 [down of the god]>
2014年2月16日(日)@渋谷CHELSEA HOTELセットリスト
1.the introduction
2.エレファント
3.殆ど腐敗
4.半分人
5.夜空の手前
6.brother mustang
7.love hole
8.プール
9.千年樹
10.canine
11.ハッピーJ
12.emmny
13.無実の無視
14.ハートランド
15.addle apple
16.ザゾンビ
17.ロカ
18.tonight is the night
19.飛ぶ鼠
20.複雑な倒立
21.母乳
22.dawn of the god

■<The god and death stars “god end”>
2014年5月6日(火・祝日)
下北沢SHELTER
開場 18:00 開演18:30
チケット前売り:\3,500 当日¥4,000

■アルバム『mary bird milk』
2月12日発売
DSGD-007 \2,500(税別)
1.母乳
2.無実の無視
3.夜空の手前(LIVE)
4.brother mustang(LIVE)
5.love hole(LIVE)
6.プール(LIVE)
7.canine(LIVE)
8.addle apple(LIVE)
9.ザゾンビ(LIVE)
10.ロカ(LIVE)
11.飛ぶ鼠(LIVE)
12.複雑な倒立(LIVE)


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