【インタビュー】Rayflower、スーパーバンドの全貌を都啓一とSakuraが語る「スキル優先ではなく、すべてに理由がある」

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■田澤くんの歌詞に出てくる“自己愛”がアルバムタイトルへ──都
■このアルバムとツアーでRayflowerに血液が通う──Sakura

都:この「Border Line」のソロ、実はキーボードを肩から下げて弾いたんですよ。

──ショルキーみたいに?

都:そう。

Sakura:気分を盛り上げるために?

都:そう。1人でガーッって弾きまくって。

Sakura:そういうの撮影しといたほうがいいよ(笑)。

都:撮った撮った(笑)。テンション上げてやるのって大事じゃないですか。

Sakura:音楽は人力だからね。あと、今回は田澤作詞作曲の曲も収録されてる。

都:「Garbera」ね。田澤くん、自分でギターやベースも弾いてるデモを持ってきたんですよ。それを元にちょっとアレンジした曲。出だしから歌でバーンと始まるほうがいいなって。

──キメが痛快な曲でもありますね。

Sakura:ボーカリストが作るメロディが前にくるようなポップな曲だとリズムが平坦になりがちなんだけど、そうならないように筋肉つけた感じですね。

都:ちなみにこの曲の歌詞に出てくる“自己愛”が、アルバムのタイトル『Narcissus』に繋がったんですよ。

──そうなんですね。ギリシア神話からとったのかなと思いつつ、Rayflowerだから“水仙”っていう意味なのかなと。

都:もともと、ナルシスっていう人が湖に映る自分の顔に恋したあまり、溺れてしまって、それが水仙の花になったっていう伝説があるでしょ。ここではナルシストを肯定してるわけではなく、むしろ、「Garbera」の歌詞の“次は「自己愛」捨ててしまおう”っていう意味合いですね。

──なるほど。今、Rayflowerのようなロックをやっているバンドって少ないと思うんですよね。

都:キーボードがいて音楽的にハードな部分を突き詰めているバンドなので、そういう意味では少ないのかもしれないですね。

Sakura:キーボードを内包しているロックバンドが単純に少なくなっているのかもね。同期が増えて、人力の割合が減ってきているというか。

──たしかに人力はRayflowerの1つのキーワードかも。

Sakura:いわゆるループするコンピュータミュージックの良さもあるけど、機械を道具として使う人間臭さのある音楽というか。どっちが偉いかっていったら人間だし、だからこそ、スキルやヴィジョンが必要になってくるし。

──密度の濃さがあった上で、1曲を3分から4分台にまとめていますが、Rayflowerとして決め事があるんですか?

都:いや全然、そういうルールはないですね。頭から最後まで飽きずに聴けるのであれば、分数は関係ないと思う。

──これだけのスーパーバンドだから、10分とか20分のセッションも聴いてみたくなるような。

Sakura:たしかにリフがひとつあれば幾らでもセッションできるメンバーだよね。それはライブで一緒に音を出す回数が増えていく内にありえるかもしれないし、これからなんじゃないかな。

──何十分でもセッションできるメンツが揃ったバンドが、あえて3分とか4分台のポップなロックソングをキッチリと作るところにこのバンドの底知れぬパワーと魅力があると思うんですよ。とは言え、その短い楽曲のなかにテクニカルなフレーズもビシビシ出てくるし。

Sakura:ああ、なるほどね。俺は今回のアルバムを携えて廻るツアーで、やっとRayflowerが結成から第1歩を踏み出すような気がしてるんですよ。これまでライブは2回しかやってないから、やっと血液が通うみたいな。これで人力的なものができるんだろうなって。

都:名古屋も大阪もワンマンで行ってないですからね。やっと、“こういう音楽ですよ”って伝えられる。

──東京公演はもうソールドアウトしてるそうですね。

Sakura:僕個人の考えだけど、ライブなりツアーをすることによって、やっとアルバムが完成すると思ってるんですよ。それができることが嬉しい。

都:血となり肉になるからね。

──最後に2人ともミュージシャンとして多忙な日々だと思いますが、Rayflowerはどんな立ち位置なんでしょうか?

Sakura:ちょっとプレッシャーかけること言っていい?

都:どうぞどうぞ。

Sakura:俺はRayflowerは5人だから、5分の1であるべきだと思ってるんだけど、それはバンドへの忠誠心だから自分の役目を全うする覚悟はありつつ、もっと根幹的なことを言うと、都との友情の証だと思ってる。それだけです。あとは俺、ひとりだけ関東出身でイヤだなって(笑)。

都:ははは。けど、僕はRayflowerに全部を注ぎこんでますよ。いろいろあったけど、このアルバムに僕なりの答えがあります。そのことをツアーできっちり証明したい。それと、これは僕もSakuraさんとの友情の証ですね。

取材・文◎山本弘子



■ミニアルバム『Narcissus(ナルシサス)』
2014年2月19日発売
VTCL-60363 ¥2,000(税抜価格)
1.Border Line
2.Make A Judgment
3.Garbera
4.NIGHT SHADE
5.Words Of The Wise Man ~時の贈り物~
6.libra【Rayflower ver.】

■<Rayflower LIVE TOUR 2014>
3月1日(土)名古屋ElectricLadyLand 開場17:00 開演17:30
[問]サンデーフォークプロモーション 052-320-9100
3月2日(日)梅田AKASO 開場17:00 開演17:30
[問]キョードーインフォメーション 06-7732-8888
3月9日(日)新宿BLAZE 開場16:30 開演17:30
[問]ディスクガレージ 050-5533-0888
前売4,500円(税込、ドリンク代別)
出演:Rayflower/オープニングアクトあり


◆Rayflower オフィシャルサイト
◆Rayflower オフィシャルYouTubeチャンネル

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