【ライブレポート】ビクターのロック愛に応える熱演の連続。<ビクターロック祭り~音楽の嵐~>

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ビクターエンタテインメントが主催するライヴ・イベント<ビクターロック祭り~音楽の嵐~>が幕張メッセにて開催され、所属アーティスト9組が詰めかけた観客を魅了した。

当日、幕張メッセ最寄りの海浜幕張駅には朝から大勢の若者が集まっていた。ちなみに幕張メッセ・イベントホールではAKB48握手会がおこなわれていたようで、会場へと向かう混雑に輪をかけていた。会場となる国際展示場に足を踏み入れると、早速、“ビクターの犬”ことニッパー君がで~んとお出迎え。みんな携帯片手に記念撮影をしている。<ビクターロック祭り>というだけあって、提灯が飾られ、ハッピを身に纏ったスタッフがお客さんをさまざまなイベントブースに招いている。ニッパー君の首に輪をかける輪投げが大人気だった。


この日のライヴは国際展示場の9~11を使い、ワンステージでおこなわれた。定刻の12時になるとライヴがスタート。オープニングはSPECIAL OTHERSだ。ゆっくりと小気味良いリズムを全員が刻みだし、フルアコがメロディを奏でる。ロックフェスとしてはなかなか渋めのスタートだ。しかし徐々に熱を帯びてくる演奏に眠たげな週末の体が起こされて行くのか、左右に体を揺さぶる観客が増えてきた。見渡すと、早くも会場は後方までギッシリと人が詰め掛けている。「AIMS」ではイントロから歓声が上がり、手拍子が起こる。ベースの又吉はビクターロック祭りのハッピを着て演奏しており微笑ましい。「メジャーデビューしてからビクターにはお世話になりっぱなしです! まあ今いろんな事があると思うんですけど(笑)」とのMCに苦笑いする観客たち。「いろんな事をいう人たちがいると思いますけど、俺たちにとっては良い会社です!」と感謝を述べるメンバー。曲により多少のボーカルは入るものの、こうしたインストゥルメンタルが普通に受け入れられているところに日本のロックフェスの成熟を感じさせる。


続いてスポットが当たると中央に赤い衣装にネックレスを下げた家入レオが登場。2013年は初の全国ツアーをおこなうなど、ビクター若手のホープとして大活躍を見せている家入。ライヴで鍛えられてきた自信を感じさせる表情だ。「太陽の女神」で伸びやかで瑞々しい歌声を響かせると「ひとつになりましょう~!」と2曲目の「SHINE」へ。歪んだギターと艶やかなピアノの音色がポップな曲調を際立てている。等身大の自分から大人の世界に手を伸ばすような曲「a boy」。ハイトーンながら耳馴染みの良いボーカルと、想像以上に激しくロックなステージングで観客を驚かせた。最後は観客を煽りながら歌った「サブリナ」で締め、大きくジャンプ。こうしたイベントで彼女を知らない観客を相手にパフォーマンスすることで成長していくであろう逞しさを感じた。


SEが流れる中ゆっくりと登場したTHE BACK HORNは「コワレモノ」からスタート。メロディアスな「声」で一気に盛り上げる。破壊的な轟音に乗って必要以上に観客にアピールすることなく歌と演奏を叩きつける硬派なバンドらしいステージだ。ドラムの松田がマイクを握り「今日は沢山音を感じて良い1日にしてください!」とMC。新曲「シンメトリー」をはじめ小細工無しの豪快でストレートなロックで熱演した。


ガラッと雰囲気が変わり、Coccoのステージ。冒頭「沖縄の海に、辺野古のジュゴンに捧げます」との言葉から始まったのは「ありとあらゆる力の限り」。青い海を思わせる衣装を着たCoccoが長い手を伸ばしながら訴えかけるように熱唱する。「ドロリーナ・ジルゼ」ではジャングルビートを思わせるドラムに負けない歌唱力を聴かせた。歌の世界観、ボーカルは違えど他のバンドに遜色ないロックスピリットに溢れたライヴを見せ、最後は「樹海の糸」を歌い終わりバンドメンバーと手をつなぎ観客に深々とバレリーナ風に礼。観客からは大きな拍手が送られた。スクリーンに映る顔はどれも笑顔だ。
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