ジェフ・ベック『ブロウ・バイ・ブロウ』、こだわりの極み

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ディープ・パープル『ライヴ・イン・ジャパン』の新音源登場に続き、こちらも見逃せないアイテムだ。ジェフ・ベック『ブロウ・バイ・ブロウ』が「SA-CD(5.1チャンネル・サラウンドとCDのハイブリッド盤)」かつ「7インチ紙ジャケ」で3月26日に登場する。

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即完売したベック・ボガート&アピス『ライヴ・イン・ジャパンー40周年記念盤ー』に続く、ソニー・ミュージックこだわりのリイッシュー第2弾で何より高品質なサウンドが大きなポイントだ。

ハイブリッド盤とは、SA-CD層とCD層が合体した二層構造のディスクのことで、通常のSA-CDが対応プレイヤーがないと再生できないところ、ハイブリッド盤にはCD層も含まれるため通常のプレイヤーでも再生ができるという優れものだ。マルチ・チャンネルとはSA-CD層のサラウンド・ミックスのことで、今回の5.1chの場合はスピーカーを6本(内1つは低音域専用のサブ・ウーファー)設置することで、それぞれのチャンネルに振り分けられた音によって包みこまれたような音空間を体験することができ、各スピーカーから再生される音もSA-CDならではの高音質なものとなっている。通常のステレオCD盤とは異次元のリスニング体験ができるものだ。

『ブロウ・バイ・ブロウ』の5.1ch部分は、1975年に4chミックスとして世に出たものの一般には定着しなかったアナログ盤マルチ・チャンネル=「クアドラフォニック」盤をSA-CD用5.1ch用にバージョン・アップしたもの。センター・スピーカーとサブウーファー用のチャンネル2つを新たに追加しているという。『ブロウ・バイ・ブロウ』のSA-CDはかつてアメリカとイギリスで生産限定盤として発売されたが、当時のSA-CD対応プレイヤーの普及率の低さから生産枚数の少ないコレクターズ・アイテムとなり、その後も中古盤がファンの間で高額で取引されてきたという経緯がある。それが今回、日本盤として初めて登場するというわけだ。

5.1chサラウンドの音は、まるで録音中の音そのものを聴いてるかのような生々しさで、2chミックスでは聴こえなかった音まで露わになっているというが、驚くべきことにオリジナル・ステレオ・ミックスとは一部異なるギター・テイクが使用されているという。ファンにとっては慣れ親しんだ作品でありながら、まったく新しい発見があるバージョンのようだ。また、CD層にもこれまでのリマスター盤とは異なるSA-CDそのものからからトランスレートしたマスターが初採用され、リマスター盤CD特有の音圧を上げるためのコンプレッション(圧縮)感が少なく、よりオリジナル・マスターに近いナチュラルな音像が実現されている。

パッケージは、アナログ・レコード世代には懐かしい7インチ・シングル・サイズ紙ジャケ仕様だ。一見するとこれまでと同じジャケットも、よく見るとオリジナルの「クアドラフォニック」LP盤を忠実に復刻したデザインで、クアドラフォニックのロゴ、当時のレーベル・ロゴがジャケットにプリントされている。この7インチ紙ジャケは通常のCDパッケージより二回りほど大きいこともあり、手にした際にアナログLP盤により近い「所有しているありがたみ」を感じることができ、同時に雑誌よりは小さいため置き場所に困るほどでもないサイズといえる。また、CDディスクは7インチの黒い円盤状の台紙に固定されて内袋に収められており、一見するとアナログ盤のように見える気の効いたギミックも施されている。

日本盤アナログLPの初版帯が付き、ジェフ・ベックの代表曲『哀しみの恋人達』の日本盤シングル・ジャケットや『ギター殺人者の凱旋』の邦題のアイディアの元となった、1975年の海外アルバム発売告知ポスターがこの度初めてオリジナル・デザインで復刻・封入されている。また、ブックレット(20P)の内容も読みごたえあるものになっており、1975年のオリジナルLP初版、1994年のSBM(Super Bit Mapping)版、2001年のリマスター版のそれぞれに掲載されていた当時のライナーノーツが全て復刻掲載されている。さらに、5.1ch盤の元となった「クアドラフォニック・ミックス」についての丁寧な解説も、2006年版ライナーノーツを執筆した佐藤晃彦による改訂版として新たに掲載されている。5.1chを聴く上での親切なガイドライン的なライナーノーツとなっているのだ。

ジェフ・ベック『ブロウ・バイ・ブロウーSA-CDマルチ・ハイブリッド・エディションー』(来日記念盤)
3月26日発売
EICP 10001 完全生産限定盤 ¥5,000+税
(1)【SA-CD 5.1ch】 75年に4chミックスとして世に出た「クアドラフォニック」盤をSA-CD用5.1chへとヴァージョン・アップ、通常のステレオ・ヴァージョンとは異次元の驚愕のサラウンド・ミックスかつ高音質盤。
(2)【CD】 SA-CDからトランスレートしたマスターを初採用、コンプレッション感の少ないナチュラルな音像を実現
(3)7インチ紙ジャケット(アナログ・シングル・サイズ)
(4)75年にUSで限定発売されたオリジナル「クアドラフォニック」LPのアートワーク初復刻(クアドラフォニック・ロゴ入りジャケット/ゴールド・レーベル仕様)
(5)邦題『ギター殺人者の凱旋』のアイディアの元となった、海外アルバム発売告知のオリジナル広告デザイン・ポスター封入
(6)本作収録のベックの代表曲「哀しみの恋人達」(Cause We’ve Ended As Lovers)の日本盤シングル・ジャケット(2タイプ)復刻封入
(7)佐藤晃彦による“クアドラフォニック・ミックス”の解説(06年ライナーノーツに加筆した14年版)
(8)懐かしのライナーノーツ復刻(75年オリジナルLP版、94年SBM版、01年リマスター版)
(9)オリジナルLP初版帯復刻
(10)オリジナル「クアドラフォニック」LPのレーベル面を模した本作独自デザインのインナー・バッグ(内袋)封入

◆ジェフ・ベック・オフィシャルサイト
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