【ライブレポート】INORAN、まだ見ぬ“どこか”に向かい進み続ける<TOUR 2014 - Somewhere ->

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INORANのニューミニアルバム『Somewhere』リリース東名阪ツアー<INORAN TOUR 2014 - Somewhere ->の初日公演が、大阪・心斎橋BIGCATで4月4日(金)開催された。

◆INORAN~拡大画像~

照明が落ちSEが鳴り始めると、突如暗闇の中からINORANが大きなパーライトを持って登場。客席を覗き込むように照らしながら見回したのち、4カウントを取りライブがスタート。

1曲目はいきなり新譜から「A Day Goes On By」。リリースしたばかりにも関わらず、サビでは客席から凄まじいシンガロングが上がり「大阪、会いたかったぞー!」という宣言とともに次曲の「One Big Blue」ヘ。1番が終わったところで一旦ブレイクを入れ客席に耳を澄ませるようなポーズを取ると、至る所からファンからの黄色い声が。次いで「No Name」でも“もっとかかってこいよ!”と言わんばかりに手を招くジェスチャーを見せオーディエンスを煽っていく。

「今日は飛ばしていきたいから、みんなの声を焼き付けていきたい。腹から声を出せる準備はできてるかい!?」と叫んだのち、4曲目の「smoke」。オーディエンスは振動が音になって聞こえてきそうなほどに飛び跳ね「selfless」でさらにボルテージが上がっていく。エコーの効いたグラマラスなボーカルと、グランジな音とが複雑に絡み合い実に神秘的だ。対して「song3」はシンプルなギターコードのロックナンバー。ストレートな歌声とバキバキのカッティングが気持ちいい。粒ぞろいのサウンドが特に魅力的な「no options」の後は、新曲の「Candy」。ワウの掛かったサウンドから漂う気怠さが妖艶な雰囲気を醸し出している。

INORANがアコギに持ち替えると会場がにわかに色めき立ち、インスト曲「HOME」へ。躍動感溢れる壮大なリズムとノスタルジックなメロディーが美しい曲で、サウンドから情景が脳裏に浮かぶようだ。途中INORANが一旦姿を隠し、ドラム、ベース、ギターによるバンドセッションも披露された際には「俺が居ない方が盛り上がってんじゃん!」と茶目っ気を見せる場面も。「去年の暮れから想いが溢れそうになって、珍しくミディアムバラードの曲を書きました」と、込めた想いを語って始まった「sakura」は、まるで心の琴線に直に触れるような、人に寄り添うような1曲。しっとりとした曲に合わせてオーディエンスが各々用意した明かりを掲げる光景がとても印象的だった。

「まだ足りないなあ。後半は飛ばしていくぞ! ついてこれるか?」INORANが問うと、ファンも全力で応えてみせる。「Hide and Seek」ではイントロが鳴った瞬間ハンドクラップが巻き起こり、勢いをそのままに「SuperTramp」「Nasty」へとなだれ込む。もみくちゃになるくらい騒ぎながら繋いだ「Get Laid」で“Get Laid”“Oh Year”のコール&レスポンスを見せたのち「grace and glory」に入る怒涛のキラーチューンラッシュ! そして「親愛なる大阪、ラストだ!」と宣言し「REDISCOVER ON ANOTHER」でフィニッシュ、新曲に始まり新曲で締めるライブとなった。


感じたものを感じたままに、どこまでも自然体で作品を生み出していくINORAN。新作のタイトル通りまだ見ぬ“どこか”へと進んでいく彼が、今後どんな景色を見せてくれるのか…ますますもって期待が膨らむばかりだ。当初予定されていた4/12(土)東京公演の即完に伴い、4/13(日)にはLIQUIDROOMでの追加公演も決まっているので、この機にぜひ体感してほしい。

文●森下恭子
撮影●古石洋平


◆INORAN オフィシャルサイト
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