【ライヴレポート】遠藤ミチロウ、奇妙礼太郎、曽我部恵一、小坂忠らが集結した<HOBO CONNECTION 2014 ~HOBO SPECIAL~>

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リクオとバンバンバザールを中心に開催されているイベントのスペシャル版<HOBO CONNECTION 2014 ~HOBO SPECIAL~>が4月14日(月)に渋谷クラブクアトロにておこなわれた。

◆<HOBO CONNECTION 2014 ~HOBO SPECIAL~>~拡大画像~


▲バンバンバザール

▲リクオ

▲奇妙礼太郎、曽我部恵一

▲遠藤ミチロウ

▲小坂忠
遠藤ミチロウ、奇妙礼太郎、曽我部恵一、小坂忠といった豪華な出演者が集結したこの日。カントリーチックなSEに乗りまず最初に登場したのはバンバンバザールの2人。福島康之(Vo, G)が「ホーボーコネクションへようこそ!今日は最終公演です!」と第一声からベースの黒川修と共に歌い出したのは「FRIDAY NIGHTエビフライ」。いきなりユーモア全開のバンバンらしいオープニングだ。続いてピアノのリクオが福島に呼び込まれて登場。「緊張と緩和のダイナミズムがライヴの醍醐味。ホーボーコネクションお楽しみ下さい!最後までよろしく!」と3人で軽快なリズムで「家庭教師」を演奏。なんとも和むオープニングだが、このムードがホーボーコネクションの良いところだ。

奇妙礼太郎がステージに登場。リクオとの出会いは大阪だったようだ。「最近はステージではシラフです(笑)」と奇妙。フルアコを弾きながら歌い出したのは憂歌団の「嫌んなった」。これ以上ないハマった曲だ。福島とボーカルを分け合い、2人の強烈なボーカルにリクオのホンキートンク調のピアノが絡む。シャッフルにアレンジされた「ラブ・ミー・テンダー」から、ライヴでお馴染みの名バラード「君が誰かの彼女になりくさっても」へ。淡々とした演奏に別れた恋人への想いを綴った歌詞が良く通る声で歌われ、後半でリクオのピアノと共に高まっていく感情表現が見事だった。

今度は曽我部恵一がステージに上る。前半からなんとも豪華なメンバーだ。曽我部と並んだ奇妙は「レーベルの社長です」と紹介。歌い出したのはアニメーションズの「音楽を止めないで」。力強いコーラスを重ねる2人の迫力はアコースティック編成とは思えないほどだ。奇妙がステージを降りると曽我部がメインボーカルを務め、リクオのピアノだけでサニーデイ・サービスの「コーヒーと恋愛」をハンドマイクで歌う。椎野恭一(ドラム)寺岡信芳(ベース)が加わり「碧落-へきらく-」「BABY BLUE」。全てリクオからのリクエストだそうだ。ゆったりとしたリズムを刻む椎野と寺岡のアンサンブルが心地よい。曽我部のライヴ定番曲「満員電車は走る」は弾き語りから始まりバンドが入ってから徐々に熱を帯びていく演奏と歌で観客を圧倒した。曽我部はここでステージを後にした。

「痺れるね!」と曽我部を讃えてからリクオがピアノを弾きながらポエムリーディングのように語る「同じ月を見ている」、「ソウル」でじっくり聴かせた。続いて呼び込んだのは、遠藤ミチロウ!まずはリクオと握手。「2月に倒れた時はみんな心配しましたよ」と言うリクオに「まさかYahoo!のトップニュースになるとは(笑)」とミチロウ。非常に元気そうだ。曲はリクオがピアニカを吹きミチロウがアコースティックギターを弾きながら叙情時な「カノン」でスタート。椎野、寺岡が加わりシリアスなメッセージソング「Just Like aBoy」、そして長年歌い続けているボブ・ディランの日本語カバー「Heven's Door」を披露。先程とはうってかわった剥き出しで赤裸々な言葉達を叫ぶミチロウに観客は静まり返った。

「最高のシンガーです!」と紹介を受けて小坂忠がステージへ。レジェンドの登場を大きな拍手で迎える観客たち。1曲目はリクオのピアノで「What a Wonderful World」。歌い出しから嬌声が挙がる、実に渋い歌声だ。昨年リリースしたアルバムから「向きを変えて」を披露すると、続いて1975年のアルバム『ほうろう』のタイトル曲を歌い健在振りを示した。大人のロックとはこういうものか、と惚れ惚れしてしまった。バンバンバザールがステージに戻り「情熱のありか」、リクオのニュー・アルバムから「Happy Day」が歌われると観客が手拍子で応え盛り上がる。まさにタイトル通り、この日の為にあるような曲だ。そのまま「アイノウタ」へ。ミラーボールが回り観客もコーラスを合唱しながら体を揺らしている。エンディングではリクオがピアノを離れステージ中央に立ち観客を煽る。バンバンの「明るい表通りで」で本編は終了。

アンコールでは、小坂、曽我部を加えたバンドで小坂の「機関車」を演奏。1番は小坂、2番を曽我部の歌で聴かせた。このイベントのキーワード、「HOBO」にピッタリな曲だ。見事なボーカルを聴かせた2人はガッチリ手を握り合った。そして最後は奇妙、ミチロウもステージに上がり、リクオの「光」を全員で歌い、3時間におよぶスペシャルライヴは幕を閉じた。全く隙の無い見事な演奏とリラックスしたムードが風通しの良い空間を作り出し、実に気持ち良く音楽を堪能出来た夜だった。出演者を順番に紹介した後「お客さん自分自身にも拍手を!」と叫び観客に感謝の気持ちを伝えたリクオ。彼が導き、多くの人とのつながりで生まれた心あるイベントはこの先もずっと続いていくに違いない。

取材・文 岡本貴之
撮影・小山琢也

<HOBO CONNECTION 2014 ~HOBO SPECIAL~>
4月14日 (月) 渋谷クラブクアトロ
出演 : 遠藤ミチロウ/小坂忠/曽我部恵一/奇妙礼太郎/リクオ/バンバンバザール
サポート:椎野恭一(ドラム)/寺岡信芳(ベース)

<セットリスト>
1.FRIDAY NIGHTエビフライ(バンバンバザール)
2.家庭教師 (バンバン&リクオ)
3.嫌んなった(奇妙礼太郎&バンバン&リクオ)
4.ラブ・ミー・テンダー(奇妙&バンバン&リクオ)
5.君が誰かの彼女になりくさっても(奇妙&バンバン&リクオ)
6.音楽を止めないで(曽我部恵一&奇妙&バンバン&リクオ)
7.コーヒーと恋愛(曽我部&リクオ)
8.碧落--へきらく(曽我部&リクオwith椎野、寺岡)
9.BABY BLUE(曽我部&リクオwith椎野、寺岡)
10.満員電車は走る(曽我部&リクオwith椎野、寺岡)
11.同じ月を見ている(リクオwith椎野、寺岡)
12.ソウル(リクオwith椎野、寺岡)
13.カノン(遠藤ミチロウ&リクオ)
14.Just Like a Boy(ミチロウ&リクオwith椎野、寺岡)
15.Heven's Door(ミチロウ&リクオwith椎野、寺岡)
16.What’s a Wonderful World(小坂忠&リクオ)
17.向きを変えて(小坂&リクオwith椎野、寺岡)
18.ほうろう(小坂&リクオwith椎野、寺岡)
19.情熱のありか(バンバン&リクオwith椎野)
20.Happy Day(リクオ&福島with椎野、寺岡)
21.アイノウタ(リクオ&福島with椎野、寺岡)
22.明るい表通りで(バンバン&リクオwith椎野)

en1.機関車(小坂&曽我部&リクオ&バンバンwith椎野)
en2.光(出演者全員)

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