【インタビュー】HaKU、辻村が語る聴き手との“シンバイオシス”。「僕らはずいぶん時間をかけて、遠回りをして、ここに辿り着いた」

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今度のツアーでオーディエンスとこのアルバムを共有できたと実感したときに
やっとアルバムが完成して、そのあとに次のテーマが見えてくるのかな


──新たなアプローチ方法を得て、バンドは進化しましたね。

辻村:確かに、このアルバムは僕らの進化だと思っています。今回、ピアノを入れたい曲があって、この際もう打ち込みでもいいのかなと一瞬は思ったんです。で、ギターの寛茂に言ってみたら、なんとギターからピアノの音が出てきた(笑)。それは今まで生音にこだわってきた結果だと思うので、頑張ってきてよかったなと単純に思いましたよね。

──そうですね、生音をこれだけ重ねて繊細な世界観を構築できていること自体が、音楽的成功だと思います。

辻村:少なくとも僕らにとってはこれが現時点での答えです。音の位置関係をどうするか、これまで死ぬほど苦しんで試行錯誤してきたけど、ようやくそれぞれの音の立ち位置を確固たるものにできたんですよね。今は例えば、6つのギターの音を録ったのに5つしか鳴っていなかったらメンバー全員がすぐ気付くような、必要な音しか鳴らさないっていう気持ちでやれているんです。バンドが鳴らすひとつひとつの音に対しての共通認識を持てているというか。

──その試行錯誤の結果として、すごく殺伐としているのに美しい世界観を手に入れた。

辻村:ほんとですか。HaKUを美しいと言ってくれる人はあまりいなかったから、なんかすげー嬉しい(笑)。実際に、影を描かないときれいなものは表現できないと思って信じてやってきたので、またひとつ階段を上れたのかなと、今思いました。

──ただ、その影というか、殺伐さは、バンドが築き上げてきた独自のサウンド感だから、もはやぬぐい去れないものでしょう?

辻村:ぬぐい去れないですね、もう無理でしょう(笑)。でも、その中にきれいなものを見出してもらえるのだとしたら、それは成功かもしれないですね。あと今回は、マスタリングを憧れのエンジニアであるトム・コインにやってもらったんです。仕上がりは当然のように最高だし、それだけで鳥肌立つぐらいの喜びだったんですけど、なんと彼がホームページに今作のジャケットをアップしてくれてるんですよ。U2、アヴリル・ラヴィーン、ビヨンセ、アデル、HaKU、みたいな(笑)。

──それこそ、音楽のヘヴィリスナーでもある辻村さんには鳥肌モノでしょうね。

辻村:いや、もう、本当に。グラミー賞を受けてきたような人たちの作品に混じって、僕らのアルバムがあるって事実がまず嬉しいし、とにかくテンション上がりますよね。そんな作品を聴いてもらいたくないわけがないというか、伝えたい気持ちにそりゃあなりますよ。

──実際、作った手応えも大きいわけだし。

辻村:それはもう。ここしかないなっていうところにすべてを落とし込めた実感があるので、手応えとしては今までにないほど大きいです。というか、手応えしかない(笑)。

──それだけ納得のいく作品ができて、今現在はどういう状態ですか?

辻村:まぁ、曲が作れないわけでは全然ないんですけど、ただ、今は“シンバイオシス”のようにすべてを集約させて音楽を引っ張ってくれるような強い言葉が、僕らの中にはないんです。共に生きるものを僕らが感じられるのはやっぱりライブなんですよね。だから、今度のツアーでオーディエンスとこのアルバムを共有できたと実感したときにやっとアルバムが完成して、そのあとに次のテーマが見えてくるのかな、と。

──でも、今からこう言うのもナンですけど、こんなアルバム作っちゃったら、次が大変ですよー(笑)。

辻村:いろんな人に言われます、それ(笑)。でも、その時はその時で頑張りますよ。音楽やってる人間として、自分たちの作品を超えていかなきゃいけないというのは、最高に幸せな悩みだと思いますから。

インタビュー&文◎斉藤ユカ


2nd Album
『シンバイオシス』
2014年4月30日発売
[初回限定盤]CD+DVD
TYCT-69013 ¥3,800(税抜)
[通常盤]CDのみ
TXCT-60029 ¥3,000(税抜)
収録曲:
1.dye it white ※iTunes限定「dye it white」収録
2.think about you 
3.masquerade (シンバイオシス mix) 
4.What’s with him (シンバイオシス mix)
5.リネイム
6.listen listen
7. アンチドラマティック
8. 黄昏の行方
9.everything but the love TBS系列「ボクシング中継」2013テーマソング
10.Archaic smile
11. 行動と言動のキャスティング
12.Yeah Right!
13. 透明で透き通って何にでもなれそうで
14.the day  ※配信限定single「the day」
初回限定盤DVD:インディーズ時代から「the day」までのミュージックビデオ12曲全てを収録
(光 / ないものねだり / 解放源 / Karman Line / Gravity / 1 秒間で君を連れ去りたい / アステリズム / masquerade / everything but the love / What’s with him / dye it white / the day)

<HaKU“シンバイオシス” Release TOUR 2014>
5月30日(金) 宮城 仙台 PARK SQAURE
OPEN 18:30/START 19:00
6月1日(日) 北海道 札幌 SPIRITUAL LOUNGE
OPEN 17:30/START 18:00
6月8日(日) 福岡 Queblick
OPEN 17:30/START 18:00
6月14日(土) 東京 渋谷 club asia
OPEN 17:30/START 18:00
6月15日(日) 新潟 CLUB RIVERST
OPEN 17:30/START 18:00
6月21日(土) 愛知 名古屋APOLLO BASE
OPEN 17:30/START 18:00
6月22日(日) 大阪 心斎橋 Music Club JANUS
OPEN 17:30/START 18:00
※オールスタンディング

<Pump Up The Riot TOUR 14>
5月7日(水) 広島Cave-Be
open 18:30 / start 19:00
出演:HaKU / OverTheDogs
5月8日(木) 岡山ペパーランド
open 18:30 / start 19:00
出演:HaKU / OverTheDogs / シナリオアート
5月10日(土) 高松DIME
open 18:00 / start 18:30
出演:HaKU / OverTheDogs / シナリオアート
5月11日(日) 高知X-pt.
open 17:30 / start 18:00
出演:HaKU / OverTheDogs / シナリオアート


◆HaKU 『シンバイオシス』_iTunes
◆HaKUオフィシャルサイト
◆HaKUオフィシャルYouTube
◆HaKUオフィシャルFacebook
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