【インタビュー】Superfly、新曲「Live」リリース「“あなたが必要だから生き続けてよ”って。それがこの歌」

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2013年9月に初のベストアルバム『Superfly BEST』をリリース。過去・現在・未来がテーマの新曲3曲を加えた同アルバムは、集大成という意味で活動に一区切りつけるものとなった。その後、数ヵ月の充電期間を経て、いよいよSuperflyが再び精力的に動き出す。まずは1年7ヵ月ぶりとなるニューシングル「Live」のリリースだ。“生きる”ということをテーマに書かれたこの感動的なバラードは、公開中の映画『闇金ウシジマくんPart2』の主題歌として書き下ろしたもの。この曲に込めた思いとは? また、ここから彼女はどこに向かってどのように歩いていこうとしているのか。じっくりと話を聞いたロングインタビューをお届けしたい。

◆「Live」ミュージックビデオ

■ストーンズのライブを3日間観たら、ホントに人間っぽくて
■なんかいろんなことが許された気がしたんです

──2013年9月に初のベストアルバム『Superfly BEST』をリリースしたあと、久々に3ヵ月くらいお休みできたそうですね。海外旅行をしたりもしていたとか。

志帆:はい。まずひとりでロンドンに2週間ちょっと行って。で、帰ってきてから今度は知り合いと一緒にまたロンドンと、あとパリに行きました。

──どうでした?

志帆:ロンドンはいいですねぇ。ここに住みたいって初めて思いました。街がキレイで、人も穏やかだから、ヘンなストレスもないし。でもパリは煌びやかなイメージなのにちょっと殺伐としたところがあって、胸が痛くなる感じでしたね。街が汚くてバナナの皮とか落ちてるし、ジプシーも多い。でもそういうところから対極にあるような美しいものが生まれるっていうのが不思議というか、面白い。そういう意味ではパリのほうが刺激を受けましたね。

──海外に行くと、いろんなことに対して今までと違う見方ができるようになるじゃないですか。

志帆:なりますね。

──自分自身に対する見方も変わるでしょ。例えば今まで悩んでいたことが小さなことに思えたりとか。“今まで考えすぎてたな”って思えたりとか。

志帆:そうですね。考えすぎてはいましたね。もともとそういう性格なので(笑)。だから海外に行ってても、けっこう考えちゃってましたけど。というのも、年が明けたらすぐに制作に入らなきゃならなかったので、どういうふうに作っていこうかとか、これからどういうふうにやっていこうかとか。

──どういうふうにやっていこうと思ったんですか?

志帆:まず前のアルバム『Force』は今までで一番自分寄りというか、自分自身に向き合って、掘り下げて作ったものでした。それはあのアルバムで、やれるところまでやったという思いがあって。

──とことんやったよね。

志帆:とことんやりました。で、とことんやったら自分がどういう精神状態になるのかも見えてしまって。本当にカラッポになった感じがしたんですよ。だから、これからは『Force』のときみたいに「私は今、こういう気持ちだから、こういうメロディがほしい」って指示するような作り方はできないなと思って。できなくはないけど、やるとしたらすごく時間がかかるし、それを1年とか1年半に1枚のペースでやるとなると、すぐに疲弊してしまう。ボロボロになるなと。じゃあ、どういうやり方がいいんだろって、ずっと考えていて。だから、お休みはしてたけど、頭のなかはけっこう忙しかったです(苦笑)。

──完全に開放されてたわけではなかったんだ。

志帆:まあでも、そうやって考える期間があったのはよかったですけどね。その期間がなくていきなりまた制作に突入してたら、パニックになってたと思う。

──で、考えて答えは出たんですか?

志帆:いや、ベスト盤を出してひとつの章が終わった感じはすごくあったんですけど、そこから新たにどう踏み出していくのかっていうのは、まだなかなか言語化できないところがあって。まだ頭のなかでグラグラしてるところも正直あるんです。ただ、メロディはたくさん浮かんできてたんですよ。だから「こうやっていく!」っていうふうにハッキリやり方を決めるより、そうやっておもむろに閃くメロディが自ずと道を示してくれるんじゃないかと思うようになって。そうやって出てきたメロディには、きっと何らかの意味があるんだろうし、あとあとそこに意味がついてもいいと思うし。そういうわけで、とりあえず今は出てきたメロディをどんどん広げていくという作業をやってます。手探りですけど、そういうふうにして探っていくしかないなぁと思って。蔦谷(好位置)さんに手伝ってもらいながら、やたら数だけは作ってます。

──なるほど。そんな落ち着かない休み期間だったと。

志帆:あははは。なんだか忙しかったです(笑)。あ、あと、ライブもいろいろ観ましたよ。

──そういえばストーンズも観に行かれたそうで。

志帆:3日間全部行きました。

──3日間観てよかったでしょ。

志帆:本当に。3日間観たことでわかったことがいっぱいありましたね。1日だけだったらわからなかったかもしれない。

──ですよね。この話だけで1時間くらいしたい(笑)。

志帆:あははは。いや本当に私、いろんなことがわかりました。お客さんの気持ちというのも改めてわかったし。よく、お客さんが“ライブを観て元気になった”って言うじゃないですか。私もよく言ってもらえるんですけど。それを聞いてすごく嬉しいな、ありがたいなって思ってたんですけど、実感としてはそれがどんな感じなのかはっきりわかってなくて。でも今回のストーンズを観て、“あ、こういうことか”と。単純に元気をもらったんですよ。あんなに素直に、“ああ、すごいエネルギーを浴びたな。元気をもらったな”って感じたのは初めてで。さっき言ったように、それまで“これからどういうふうにやっていこうか”とか考えすぎて、よくないことも考えちゃったりしてたんですけど、2月26日の初日をドームで観て、めちゃめちゃ元気になって(笑)。

──わかりやすく。

志帆:わかりやすく(笑)。ああ、こういうことなんだなって思いましたね。本当は3日間観ていろいろ研究しようと思ってたんです。3日間でどれぐらいムラがあるんだろうとか。日本という気候も全然違う都市に来てライブをやるわけだから、やっぱりプレイは変わるのかな、メンタル面はどうやって維持するのかなとか、そういうことも含めていろいろ参考にしようと思って。そしたら3日間で全然違ったじゃないですか?! まず1日目はミックが凄くて。

──神がかってたよね。キースが不調だっただけに。

志帆:ね。私、1日目だけしか観なかったら勘違いしてたと思う。ああ、ストーンズはミックのものなのかって。

──ぼくもそう思いました。そうしたら2日目にキースが調子を取り戻して。

志帆:見違えるように元気になってましたよね。ほかのギター陣のキレもハンパなかったし。もう、涙が出そうになって。で、3日目はお客さんのパワーが凄かったですよね。それに煽られる感じでミックも吠えてたし。

──「サティスファクション」のシャウトが凄かった。

志帆:そう! そんなふうに3日間で全然違ってて。で、私はツアーをやるとき、ムラを作りたくないんですよ。全部完璧にやりたい。<GIVE ME TEN!!!!!>(2013年3月から4月にかけて行なわれたアリーナツアー)も、頭のなかで完璧にイメージして、それを完璧にやる、っていうふうにしてたつもりなんですけど。でも、お客さんはよく、ちょっとぐらい音を外したりしても、それもライブの面白さだと思って気にしないって言うじゃないですか。そんなわけないってずっと思ってたんですよ。思ってたんだけど、ストーンズを観たときに“ああ、こういうことか”ってわかった。日によってムラもあるけど、それがかえって人間っぽいんですよね。

──そうそう。当たり前なんだけど、まさしく人間がやってるバンドって感じがすごくしたよね。

志帆:うん。ホントに人間っぽくて。それを観てたら、なんかいろんなことが許された気がしたんです。人間なんだから、これでいいんだって。存在してくれて本当にありがとうございますって言いたくなりましたね。好きでいてよかったなぁって心の底から思いました。

──100パーセント完璧にやるからいいものになるとは限らない。間(ま)があったり、人間らしさみたいなものがそのまま出たほうが心を動かされることもあるという。

志帆:そうなんですよね。勉強になりました。ある意味で力を抜くことも必要というか。それが目標ですね。私はどうしても完璧を目指して神経質になってしまうから。

▲<Superfly 5th Anniversary Super Live GIVE ME TEN!!!!!>
──ホールツアー<Live Force>もアリーナツアー<GIVE ME TEN!!!!!>もそれをやりきったことの凄さと感動があったわけだけど、あのテンションをこの先何年もキープしてやり続けるのは……。

志帆:相当のエネルギーがいりますよね。こっちがいくら一生懸命やってても、お客さんが心地いいと思えるものじゃなかったら意味ないなと思ったし。ストーンズはドームというあんなに大きい会場でやって、それを私は距離があるところから観たのに、すごい元気をもらえた。あの実感はこれから自分のなかですごく活きてきそうな気がします。今までよりも自信を持ってライブができそうな気がしてますね。

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