【インタビュー】みみめめMIMI、ユカが語る「サヨナラ嘘ツキ」。「あばら骨をむき出した月は“嘘月”。さらけ出した私の想いを表しました」

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田淵智也(UNISON SQUARE GARDEN)がプロデュースしたみみめめMIMIのニューシングル「サヨナラ嘘ツキ」が本日リリースされた。BARKSでは今作リリースに際して、ユカにインタビューを敢行。初登場ということで、気になるユニット名から、ユカの音楽ルーツ、イラストレーターの“ちゃもーい”についても探ってみた。

一言でいうと……変わってる?かもしれない……?(笑) ものすごく
ほんわかしてるから、絶対に怒らないんじゃないかな?って思います


――インタビューとしてはBARKS初登場の“みみめめMIMI”ですが、改めて、ユニット名がまずユニークですね!

ユカ:今のユニット名に決まるまで、ものすごく迷走してました。ファミレスで5時間くらい話し合っていたんですけど、シンガーソングライターのユカとイラストレーターのちゃもーいを合わせたユニットなので、「私たちの音楽は視聴覚音楽だね」なんて話から、最初は“視聴覚室”というアイディアもあって。そのうち、「視聴覚だから耳と目に届けるんだよね」と、ふと“み”と“め”のひらがなで “へのへのもへじ”のいたずら描きをしたんです。

――せっかくなので、描いていただいてもいいですか?

ユカ:え?……は、はい、たしか……(悩みながら描いて)こんなかんじかな? 取材でこのお話をしたことはありましたが、実際に描いたのは初めてです!(笑)

――なるほど、ふたつの耳と鼻と口が“み”で目が“め”の文字で!

ユカ:そうなんです! その“み”と“め”の文字を組み合わせて、MVにも出てくる私たちのキャラクター“MIMI”ちゃんの名前をローマ字で足して、“みみめめMIMI”になりました。でもたまに“めめみみMEME”とか言われることもありまして……(苦笑)。より名前を覚えていただけるように、自己紹介のときはユニット名を言いながら、自分の耳と目を右から順番に「耳・目・目・耳」と指さすようになりました。

――これから流行らせたいですね、みみめめアクション。BARKSもそれ使っていいですか?

ユカ:わ、嬉しいです! ぜひやってみてください!

――そもそもメンバーのちゃもーいさんとは、大学の同級生だったそうですね?

ユカ:はい、大学1年で初めて会って、自然に友達になりました。私はちゃもーいの絵がとても好きだったし、ちゃもーいも私がやってる音楽を好きになってくれていたんですが、大学時代は結局、「いつか一緒に何かできたらいいね!」と漠然とした夢を話していただけだったんです。そして卒業する頃ですね、私がアニメのタイアップの話をいただいた時に、ちゃもーいの絵と私の曲で一緒に活動できたらいいなと思いついたんです。

――そして、2013年の8月に「センチメンタルラブ」でCDデビューを果たしたんですね。ところで、相方のちゃもーいさんはどんな方ですか?

ユカ:一言でいうと……変わってる?かもしれない……?(笑) ものすごくほんわかしてるから、絶対に怒らないんじゃないかな?って思います。私が「○○することが決まったよ!」と伝えても、驚くこともなく「すご~~い♪」だし、ほとんどリアクションが変化しないんです。話していて和みますね。

――動物に例えると?

ユカ:動物というよりもポケモンみたいな? そもそもちゃもーいという名前も、アチャモというポケモンの鳴き声からとったらしいんですよ。本人はすごくゆる~い感じなんですけど、絵はとても繊細なんですよね。

◆今の自分の音楽に影響を与えたものも、
どれかひとつじゃなく、全部から吸収している気がします


――そしてユカさんはどんな方かというと……学生時代から、いろいろなオーディションを受けていらしたそうですね?

ユカ:はい、そうなんです。うちは母が小さなピアノ教室をやっていたので、もともと4歳くらいからピアノを習い、中学からギターを始めて独学で作詞・作曲した曲を誰に聴かせるわけでもなく、引き出しに溜め込んでいました。でもそのうち、作ったからには誰かに聴いてもらいたいと思うようになり、勇気を振り絞って、中学3年生で初めてオーディションを受けたんです。そこから100本では足りないくらい? いろいろなオーディションを受けました。

――例えばどんなやり方で?

ユカ:デモCD-Rを作って、好きなアーティストさんの所属事務所に送ったり、音楽専門ではないオーディションにも応募してみたり。直接、ライブハウスにデモと手紙を送って出させていただいたりもしていました。あの頃は、無我夢中でしたね。

――順風満帆でメジャーデビューを迎えたかと思いきや、そんな下積み時代があったとは意外ですね。そもそも、曲を作ろうと思ったキッカケは?

ユカ:小学6年生くらいから、授業中などによく鼻歌で歌が浮かんではいたんですが、中学に入って、ちゃんと曲にしてみたいと思ったのが最初です。当時はあまり友達にもなじめずいたので、そのストレスを曲で発散していた感じもありますね(苦笑)。

――なるほど、ユカさんにとって曲作りは日記を書くのと同じだったんですね。

ユカ:そうなんです。人には知られたくない気持ちも綴っていたので、もし親に見られたらどうしよう?と思い、作詞ノートの表紙に「生物ノート」と書いてカモフラージュでしてました(笑)。今でも曲が完成するまでは、恥ずかしくて誰にも聴かれたくないくらいです。

――ユカさんが作られるみみめめMIMIの楽曲は、キャッチーで爽やか、ちょっと切なさも残るメロディーと軽快なピアノサウンドが魅力的です。ユカさんは、これまでどんな音楽を聴いてきたんですか? ピアノを始めた子供の頃は、やはりクラシックですか?

ユカ:そうですね、クラシックも聴いていましたが、幼稚園時代はアイドルにハマっていて、SPEEDが大好きで!小学校に入ってからはJ-POPと洋楽を聴くようになりました。

――小学生で洋楽ですか!

ユカ:はい、王道だとバックストリート・ボーイズ、イン・シンク('N Sync)、ブリトニー・スピアーズが大好きでした。中学からは日本のバンドだとELLEGARDEN、RADWIMPS、BUMP OF CHICKEN、海外のバンドだと女性ボーカルの入ったParamoreが好き過ぎて、来日公演だけじゃなく海外公演も観に行きました。あとはLINKIN PARKとか……。

――グッとオルタナ寄りなバンド名が出てきました(笑)。

ユカ:椎名林檎さんも尊敬してます! 東京事変も大好きです。あと、自分がギターの弾き語りでライブハウスに出ていた頃は、女性シンガー・ソングライターも聴くようになり、CoccoさんやYUKIさんにハマりました。もちろんJUDY AND MARYも好きで、カバーしたこともあります。

――好きな音楽、幅広いですね。

ユカ:なんでも聴いちゃうから、好きなものが多くて困るんです。「いちばん好きなアーティストは誰ですか?」とか聞かれても、選べないから答えられなくて(苦笑)。今の自分の音楽に影響を与えたものも、どれかひとつじゃなく、全部から吸収している気がします。

――では今、気になっているアーティストは誰ですか?

ユカ:スウェーディッシュポップも気になっているし……TamTamというバンドには、すごく衝撃を受けました! あと、家のBGMとして今になって再燃しているのがドリーム・シアターです。

――え? こんな若いお嬢さんがプログレ・メタルを!?(笑)

ユカ:そうなんです、ライブ映像が格好良くて! まだ生で観たことがないので、いつかライブに行ってみたいです。

◆“みみめめ会議”というのをやっているんです。私がストックしている曲を聴いてもらったり、
ちゃもーいがラフな絵を描いたり、キーワードを挙げながら、新しい曲の相談をします


――では、お話を作品制作に戻しましょう。最初は鼻歌から始まったユカさんの楽曲作り、今はどのように?

ユカ:歌詞は常に書きためていて、パソコンに専用のフォルダがあるんです。「lyrics」と「pre- lyrics」と「pree-lyrics」と3つ(笑)。2行くらいの書き殴りのメモは「pree-lyrics」、ある程度できたのは「pre- lyrics」に移していって、完成型は「lyrics」に入れるんです。よくやるのは、「pre- lyrics」から歌詞を拾って、ピアノの前で作曲をしながら完成させていくとか。でも時々衝動的に、歌詞と曲が同時にでてくる場合も。「これは降ってきた!」といきなり完成する曲もあります。

――基本的には詞が先なんですね。

ユカ:はい。でも曲をつけてみたら、やっぱり歌詞をまるっと替えちゃうことも(笑)。1stシングルの「センチメンタルラブ」は“降ってきた”曲、2ndシングルの「瞬間リアリティ」はピアノのコードが先行して弾きながら生まれた曲です。作曲も、ピアノじゃなくギターから生まれることもあります。カップリング曲だった「Am I Ready?」や「蝶 ~Butterfly~」はギターで作りましたが、基本的にはピアノで作る曲のほうが多いです。

――使う楽器によって、曲調も変わりますよね。

ユカ:そうですね。ギターのほうが大地を歩いているような曲になります。気分が上がらずにピアノで作曲するとバラードばっかりできちゃったり、ギターはストロークで弾くから、アップテンポの曲が書けたりしますね。じつは私、ライブハウスに出ていた頃は、小さい時に訓練させられたピアノというものに反発していて、ギターの弾き語りしかやってなかったんです。でもある日、ピアノを弾いたら絶賛されちゃいまして……あんなにギター頑張ってきたのに、やっぱり私はピアノの人だったんだなぁと、素直にピアノの良さを認めるようになりました。

――もうピアノを嫌いにならない?

ユカ:はい、ピアノ大好きです。今は部屋にキーボードしかないので、中古でいいからアップライトの生ピアノが欲しいです。生ピアノのほうがいい曲が生まれそうだし、すぐに書けちゃうんですよ! DTMツールもあるんですが、曲を作るときはやはり楽器に向かいますね。

――だから、可愛らしい曲でも歌はエモーショナルなんでしょうかね? 今回リリースされた3rdシングル「サヨナラ嘘ツキ」にもカップリングに「瞬間リアリティ ~Piano Version~」が収録されていますが、ピアノの弾き語りはボーカルにも情感の豊かさを感じます。

ユカ:感情の起伏が激しいんです。そこが自分でもイヤなところだったりして……でも私とは逆に、ちゃもーいがすごくおっとりしているし、彼女は好きな音楽もボカロ系だったりエレクトロだったりと趣味も正反対だから、いいコンビなのかなって思います(笑)。

――それはバランスの良いユニットですね。みみめめMIMIの楽曲は、ちゃもーいさんが描くMIMIのイラストをフィーチャーしたMVも魅力ですが、そちらはどのように作っていかれますか?

ユカ:ふたりでよく、ファミレスやカフェで“みみめめ会議”というのをやっているんです。私がストックしている曲を聴いてもらったり、ちゃもーいがラフな絵を描いたり、キーワードを挙げたりしながら、新しい曲の相談をします。でも今回のように「サヨナラ嘘ツキ」がシングルになります!という時は、ラフなイメージだけ伝えて、イラストに関してはイラストが完成するまで、彼女の感性に任せています。

◆インタビュー続きへ
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