【ライブレポート】平井堅、<Ken's Bar>15周年記念最終公演で「1万5千個のハートに僕のソウルが突き刺さるように」

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平井堅が5月28日、アコースティック編成によるコンセプトライブ<Ken’s Bar 15th Anniversary Special! Vol.4>をさいたまスーパーアリーナにて開催した。

◆平井堅 拡大画像

これは2013年5月から1年間にわたって展開してきた<Ken’s Bar>15周年プロジェクトのファイナルとなるもの。一夜限りのスペシャル公演として行われた。会場を埋め尽くした1万5千人のオーディエンスが、平井堅の歌に酔いしれたのはもちろんのことだが、同日リリースのコンセプト・カバーアルバム『Ken’s Bar Ⅲ』収録曲をはじめ、生でいち早く、全15曲のパフォーマンスと<Ken‘s Bar>ならではの特別な雰囲気を堪能できる夜でもあった。

オープニングナンバーは、1970年代半ばに放映されたTVアニメ『はじめ人間ギャートルズ』エンディングテーマの「やつらの足音のバラード」だ。アルバム『Ken’s Bar III』収録バージョン同様、13人からなるストリングス隊を従えて、壮大なバラードを披露。<Ken’s Bar>の楽器編成は通常、ピアノ、アコースティックギター、ベース、パーカッションといった少数によるアコースティックをメインに行われているので、これはいきなりのサプライズでもあった。のっけからのスペシャルなステージに客席からの大歓声が飛ぶ。

「“1万5千個”のハートにぼくのソウルが突き刺さるように歌いたいと思います」

さいたまスーパーアリーナに集まったオーディエンスの人数にかけたMCで客席を沸かせた後は、平井堅が初めてシングルチャート1位を獲得した2002年のヒット曲「大きな古時計」を披露した。なお、ここからはいつもの<Ken’s Bar>スタイルに戻り、たとえば福山雅治の「家族になろうよ」はピアノ、ブラックビスケッツの「タイミング」はアコースティックギターと、ひとつの楽器をバックに、あくまでもシンプルに歌が届けられていった。

驚くべきは安室奈美恵との豪華コラボレーションナンバー「グロテスク」だ。ウッドベース1本のみで、CD音源とはまったく異なるグルーヴを生み出したアレンジは、デュエット相手はいなくとも平井堅ひとりで見事なまでクールに、そしてスリリングに届けられた。

「グロテスク」をはじめ、最新映像作品「切手のないおくりもの」などのミュージックビデオが場内に流された休憩時間を挟んでの後半は、「いとしのエリー」でスタート。

「恐れ多くもカバーさせていただきました」

平井堅が桑田佳祐の熱狂的ファンであることは広く知られているが、アルバム『Ken’s Bar III』で採り上げたことをMCで謙虚に語った彼が、同曲を愛情たっぷりに披露する姿が印象的なものとなった。またそれ以上に、エリーに対する思いをエモーショナルに歌い上げたシンガーとしての表現力には目を見張るものがあった。

これは他の楽曲に対してもいえること。たとえば、ブラスセクションを迎えてニューオーリンズジャズスタイルで披露された財津和夫の「切手のないおくりもの」だ。前半のストリングス同様、この楽曲もいつもの<Ken’s Bar>とは異なる編成によるステージだったが、そこには華やかな演出に負けない平井堅の絶対的な歌があった。これはシンガーとしての表情力がさらに豊かになっているからこそのもの。

アルバム『Ken’s Bar III』にはそのフレッシュな平井堅がしっかりとパッケージングされている。この日のセットリストは全15曲のうち、「やつらの足音のバラード」「家族になろうよ」「タイミング」「Love is Blind」「いとしのエリー」「順子」「切手のないおくりもの」「Virtual Insanity」と、アルバム『Ken’s Bar III』収録曲から8曲を披露。そして本編ラストは「POP STAR」で締めくくった。

「かけがえのないわたしの歌を、みなさんの前で歌うことができて感無量です。ありがとうございます」

アンコールで再びステージに登場した平井 堅は感謝の言葉を語り、<Ken’s Bar>のテーマソングともいえる「even if」を自らピアノの弾き語りで熱唱。こうして<Ken’s Bar 15th Anniversary Special! Vol.4>が幕を閉じた。

2014年5月から1年にわたって全国展開してきたアニバーサリー・プロジェクトはこれにて終了した。そして5月29日、<Ken’s Bar>は16周年を迎える。「単なる通過点です」と、本人は今後も攻めの姿勢を忘れずに活動していくことをアピールしていたように、これからどんな<Ken’s Bar>が展開されていくのか楽しみでならない。そして平井 堅は2015年5月13日、デビュー20周年という大きな節目を迎える。

■<Ken's Bar 15th Anniversary Special!Vol.4>
2014年5月28日(水)@さいたまスーパーアリーナSETLIST
[1st STAGE]
やつらの足音のバラード (LIVE初披露/アルバム「Ken’s Bar III収録)
大きな古時計
家族になろうよ(LIVE初披露/アルバム「Ken’s Bar III収録)
グロテスク(LIVE初披露)
タイミング (LIVE初披露/アルバム「Ken’s Bar III収録)
瞳をとじて
Love Is Blind (LIVE初披露/アルバム「Ken’s Bar III収録)
[2nd STAGE]
いとしのエリー(LIVE初披露/アルバム「Ken’s Bar III収録)
青空傘下(LIVE初披露)
順子(LIVE初披露/アルバム「Ken’s Bar III収録)
切手のないおくりもの(LIVE初披露/アルバム「Ken’s Bar III収録)
Virtual Insanity(LIVE初披露/アルバム「Ken’s Bar III収録)
Love Love Love
POP STAR
[ENCORE]
even if

[出演者]Vocal:平井堅(Ken‘s Bar店主)/Piano:鈴木大/Guitar:石成正人/Bass:大神田智彦/Percussion:坂​井​'​L​A​M​B​S​Y​'​秀​彰


■CONCEPT COVER ALBUM
『Ken’s Bar III』
2014年5月28日(水)発売
【初回生産限定盤A:DVD付き・豪華紙ジャケット仕様】BVCL-590/591 5000円+税
特典映像:「Ken's Bar 15th Anniversary Special!!! Vol.1 LIVE VIEWING EDITION at 日本武道館」
2013年5月30日のLIVE当日、日本武道館から全国の映画館へ同時生上映された一夜限りの貴重なLIVE FILMを約90分にわたり全曲収録!!
1st STAGE:even if / 僕は君に恋をする / 少女A / Overjoyed / 桔梗が丘 / 瞳をとじて / LIFE is...
2nd STAGE:告白 / なごり雪 / 太陽と埃の中で / 君の好きなとこ / 君はス・テ・キ♡ / POP STAR / Love Love Love
ENCORE: マイ・ウェイ
【初回生産限定盤B:BONUS CD付き・スリーブケース仕様】BVCL-592/593 3600円+税
特典CD:「Ken's Bar BEST SONG COLLECTION〜Live at Blue Note Tokyo〜」
平井堅が自身の歴代のヒットソングの数々をわずか300名の観客を前に披露し超プレミアムLIVEとなった2014年2月のBlue Note公演からベストセレクトされた新録LIVE音源を全11曲を収録した平井堅初のライブアルバム
even if / 楽園 / 告白 / 瞳をとじて / LIFE is... / 僕は君に恋をする / 哀歌(エレジー) / 君の好きなとこ / KISS OF LIFE / POP STAR / Love Love Love
【通常盤 CD】BVCL-594 3000円+税
1. Open
2. even if 〜Instrumental〜 (Music:平井堅)
3. 家族になろうよ (Lyrics & Music:福山雅治)
4. 順子(Lyrics & Music:長渕剛)
5. WE’RE ALL ALONE (Lyrics & Music:William R. Royce Scaggs)
6. いとしのエリー (Lyrics & Music:桑田佳祐)
7. Love Is Blind(Lyrics & Music:Janis Ian)
8. Intermission
9. Virtual Insanity(Lyrics & Music:Jason Kay, Wallis Buchanan, Simon Katz, Derrick McKenzie, Toby Smith, Stuart Zender)
10. 切手のないおくりもの (Lyrics & Music:財津和夫)
11. タイミング(Lyrics:森 浩美, ブラック・ビスケッツ/ Music : 中西 圭三, 小西 貴雄)
12. やつらの足音のバラード(Lyrics:園山俊二 / Music:かまやつひろし) ※グローバルワークTVCMソング
13. KILLING ME SOFTLY WITH HIS SONG (Lyrics & Music : Chales Fox & Norman Gimbel) 
14. マイ・ウェイ(Lyrics & Music:Paul Anka, Claude Francois, Lucien Thibaut, Jacques Revaux 日本語訳詞:片桐和子)
15. Close


◆チケット詳細&購入ページ
◆平井堅 オフィシャルサイト
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