【ライブレポート】L'Arc~en~Ciel、国立ラストステージで「国立の歴史に感謝の気持ちと、生まれ変わる未来に夢を」── <JAPAN NIGHT> DAY2

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国立競技場最後の音楽イベント<SAYONARA 国立競技場 FINAL WEEK JAPAN NIGHT>。感動の1日目“Yell for Japan”公演に続く29日公演は、「世界の人々に、日本の姿と日本の音楽の力を知ってほしい」という主旨のもと、海外での活動に積極的なSEKAI NO OWARI、Perfume、MAN WITH A MISSION、そしてL'Arc~en~Cielという4アーティストが登場する“Japan to the World”公演だ。その大トリを飾ったL'Arc~en~Cielのライブレポートをお届けしよう。

◆L’Arc~en~Ciel <SAYONARA 国立競技場 FINAL WEEK JAPAN NIGHT> 画像

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2日間にわたり、“音楽日本代表”全13組が熱演を繰り広げた<JAPAN NIGHT>を締めくくるのは、L'Arc~en~Cielだ。

L'Arc~en~Cielが国立競技場のステージに立つのは、<L'Arc~en~Ciel WORLD TOUR 2012>ツアーファイナル、そして<L’Arc~en~Ciel LIVE 2014 at 国立競技場>に続いて自身三度目。3月21日および22日に行なわれた前回公演<L'Arc~en~Ciel LIVE 2014 at 国立競技場>は、コンサート史上最多となる2日間で全16万人を動員、360°開放した客席や世界最大規模のプロジェクションマッピング導入による劇的な演出など、あまりにも壮大な名場面の数々が記憶に新しい。

また、スタジアムツアーを軒並みソールドアウトする彼らが、イベントライヴに出演すること自体、実に貴重なものだ。それゆえ、いかなるセットリストで、どんなパフォーマンスを見せてくれるのか、舞台転換中の会場が異様な盛り上がりをみせる20:00。ついに彼らのステージが幕を開けた。

ランウェイを含め、左右100mはあろうかというステージセットに映像が投影されるプロジェクションマッピングを皮切りに、巨大LEDスクリーンにはキューブ状のオブジェが映し出され、それがやがてL’Arc~en~Cielの文字を象った。場内に嬌声が響き渡り、観客の期待が一気に高まる。

オープニングナンバーは「CHASE」だった。1曲目から上昇気流を描くような疾走ナンバーに客席は総立ち。hydeが大きく会場を煽り、kenのギターがヘヴィなリフを刻む。yukihiroのドラムは正確無比に鋭いビートを叩き出し、その上をtetsuyaのベースフレーズが縦横無尽に躍動する。間髪入れずに披露された「READY STEADY GO」では爆音を伴うエアバーストの特効が6万人の観衆にさらなる火を点けた。序盤からのヒット曲のオンパレードは、この日のライヴの凄まじさを予感させるように熱い。

「最後の舞台に呼ばれてとても光栄です。ありがとう。みんな悔いのないように一緒にはじけようぜ! 燃え尽きよう!」

hydeの言葉に導かれるように、バックスタンドの屋根上方およびステージ前から火柱が上がった「DRINK IT DOWN」、妖しい光りを放つレーザーとLEDスティックライトに場内が照らされた「X X X」など、その後もシングルナンバーを連発。そして「BLESS」オープニングでは、hydeのアカペラが場内に響きわたる。NHKバンクーバー2010 放送テーマソングに起用された同曲の独唱は、56年前、東京オリンピック誘致のために建設されたここ国立競技場に相応しいもの。青く光るLEDスティックライトが客席一面に星空の絨毯を描き、“夢”と“祝福”を唄う歌詞が東京の夜空をどこまでも高く駆け巡るようで、実にドラマティックなワンシーンとなった。

「飛ばしてくよ!」とギターを肩に掛けたhydeの短いMCから「HONEY」へ。続けて「Driver's High」、「Link」とライヴで観たら盛り上がらずにはいられない楽曲が次々に繰り出された後半戦は、まさに怒濤の勢い。「HONEY」ではkenのギターソロが冴えわたり、「Driver's High」では火柱や花火が楽曲の持つ高揚感を煽る。もちろん会場の爆発的な盛り上がりは彼らの演奏力の高さがあってこそ。単独公演2Daysずつを含めれば、この2年間で5回も聖地 国立競技場のステージを踏むことになった4人の圧倒的なパワーが、音の塊となって迫りくる。

とりわけ、「Link」で聴かせた巧みなアンサンブルは圧巻だった。ポップなメロディに裏打ちされたキャッチーなテイストを持ちながら、プレイ全体がうねりに満ち溢れ、大きな感情の起伏が観客の心を揺さぶる。それも、それぞれのパートの音がはっきりと聴こえていながらグルーヴするのだから、個々のサウンドメイクが絶妙で、一切の隙がない。

「ここまで開放的な風景は、たぶん見納めだと思うので。しっかり目に焼き付けて、帰ってほしいなと思います。そう。もうこの会場に立つことはないから。長く感動を見続けた国立の歴史に感謝の気持ちと、生まれ変わる未来に夢を乗せて、演奏したいと思います」

こう告げて演奏されたラストナンバーは「MY HEART DRAWS A DREAM」だった。ステージ上で回るミラーボールが幻想的な夜を彩り、会場から放たれた七色の風船が高く華麗に舞い上がる。 “夢を描くよ Our hearts draw a dream.”と歌った6万人の大合唱に万感の思いを込めて、全9曲全45分間におよぶL'Arc~en~Cielのステージが終了した。そのエンディング、上空高く何発も打ち上げられた花火は、国立競技場最後の音楽イベントの大成功を祝福するものだ。

まさに息つく間もなく駆け抜けるようなステージだった。2014年5月31日、56年の歴史を締めくくる国立競技場は、2019年に新しく生まれ変わる予定だ。「また、ここで会おうね」という言葉を残してステージを去った彼らが、再び、この地で多くのドラマと感動を生んでくれる。その日を心待ちにしたい。

■L'Arc~en~Cielセットリスト
01.CHASE
02.READY STEADY GO
03.DRINK IT DOWN
04.X X X
05.BLESS
06.HONEY
07.Driver's High
08.Link
09.MY HEART DRAWS A DREAM

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「JAPAN NIGHTオフィシャルグッズ」通販決定
会場で買えなかった方、来場できなかった向け、オフィシャルグッズの通販を6月2日より開始することが決定した。

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