【ライヴレポート】VAMPS、ZEPP TOKYOで「いい曲でしょ?」

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VAMPSが6月6日、ZEPP TOKYOにて<VAMPS LIVE 2014: LONDON PRE-LIVE>を開催した。このライヴは英国最大規模の野外ロックフェス<Download Festival>に向けて行われたもの。<Download Festival>当日の熱狂ぶりは、先ごろ速報レポにてお伝えした通りだが、ここで改めて<VAMPS LIVE 2014: LONDON PRE-LIVE>の詳細レポートをたっぷりのライヴ写真とともにお届けしたい。

◆VAMPS 拡大画像

ロックの日(6月9日)に先駆けて迎えた6月6日、すなわちVAMPSの日。西暦を平成に置き換えれば“6”の数字が3つ連なる隠れ“666”の日ともなる特別なこの日にふさわしいイベント、その名も<VAMPS LIVE 2014: LONDON PRE-LIVE>が東京・ZEPP TOKYOにて開催された。

来たる6月14日にVAMPSの出演も決定した英国最大規模の野外ロックフェス<Download Festival>に向けてのプレライヴ、いうなれば前哨戦であると同時に、2014年1月から3ヵ月に渡って日産自動車新型X-TRAILのCMソングとしてオンエアされていた待望の新曲「THE JOLLY ROGER」のMVシューティングも行なうという実にVAMPSらしいスペシャルな企画だ。

プレライヴといえば3月にも2014年最初のロンドン公演に先立ってZEPP DIVERCITY TOKYO公演が敢行された。ステージと客席の間に繰り広げられた相思相愛の光景は今なお記憶に新しいが、それ以来の国内ライヴということも手伝ってだろう、今回もまた場内に渦巻く期待の熱量は並大抵のものじゃなかった。

まさしく梅雨本番、あいにくの土砂降りながら、VAMPSのホームともいうべきZEPP TOKYO周辺は入場を待つファンの健やかな笑顔に囲まれて、むしろ晴れ晴れとしたムードに満ちていた。そうして場内に足を踏み入れればそこはもう別世界。ベストアルバム『SEX BLOOD ROCK N'ROLL』のジャケットと同じ図案のバックドロップがステージ後方いっぱいを飾り、客席フロアの天井には無数に切り裂かれたような布がワイルドに下がって海賊船を彷彿させる。新曲のタイトルに使われている“JOLLY ROGER”は海賊旗を意味するという説もあるらしい。ならばこの空間は世界という大海原に漕ぎ出したVAMPSそのもの、あるいはその象徴と言っていいのかもしれない。

BGMには「THE JOLLY ROGER」が繰り返し流れ、シューティングに備えてオーディエンスのモチベーションをぐいぐいと引き上げていく。新曲を音響のいい大空間で、しかも爆音で浴びる、こんな幸せが他にあるだろうか。開演直前にはVAMPSの朋友バンド・MONORALからAliがMCとして駆けつけ、シューティングの予行とカメラ位置などの諸注意を告げるというサプライズも否応なくフロアの期待を高めた。

そして場内の興奮が沸騰寸前に達したその瞬間、頭上から「REVOLUTION II」の図太いイントロループが降り注いだ。“BANG ON STOMP EVERYBODY”の力強いリフレイン、こぞって声を合わせ、拳を突き上げては足を踏み鳴らすオーディエンス。歓喜の音に導かれるようにメンバーが、K.A.Zが現われ、最後に登場したHYDEがマイクを握りしめた手で裏ピースサインを高々と掲げるや、理性の箍などたちまちのうちに吹き飛んだ。

「カモン、ブラッドサッカーズ!」

フロアを挑発的に誘うHYDE、K.A.Zの鋭いカッティングが火を噴いて「DEVIL SIDE」の熱狂を轟々と煽る。久々のステージとあってバンドもいつに増して猛々しい。HYDEが上手に移動すれば、K.A.Zはその対極に向かい、その不在をすかさずJu-kenが埋める阿吽のフォーメーションも健在。フロント3人の背後を守るARIMATSUとJIN、叩き出すビート、紡ぐ旋律がアンサンブルの屋台骨だ。3月のプレライヴでも痛感させられたが、やはり彼らの辞書に前哨戦なる単語はない。全身全霊のこの気迫、余力を残すつもりなどはなから考えてもいないだろう。

この日のライヴは17時スタートの回と19時30分スタートの回との2ステージ、いわゆる2回まわしで行なわれたのだが、1ステージ目から徹頭徹尾、前のめりのパフォーマンスで魅せた。2回まわしに加えてフェス出演のプレライヴ、それ用のセットリストだからだろうか、演奏は全7曲と少ないが、ゆえにこそやり残しも後悔もしたくない、そうした意気の表われにも違いない。

「ヘイ、よく来たね。今日は時間がないから全部出していかないと間に合わないからね。いけるのか? いけるのか、ブラッドサッカーズ!! ……あ、大きい声出したらお腹が空いちゃった」

おどけて胃に手を当ててみせるHYDEの姿に、次の展開をいち早く察知してオーディエンスが沸きに沸く。そう「HUNTING」、狩りの時間だ。K.A.ZとJu-ken、JINが“HI HO LET'S HUNT”と揃える声を自身の後ろに聴きながらステージ前方に進み出て、ここぞとばかりにギターをかき鳴らしては一発一発、場に打ちつけるように拳を突き出すHYDE。続く「WORLD'S END」(「AHEAD」の完全英詞バージョン)ではK.A.ZとHYDEがそれぞれに刻むリフが互いに重なっては絡み合い、「HUNTING」とはまた別の開放感でどこまでも音の飛距離を伸ばした。バンドサウンドを牽引するのはHYDEの音、K.A.Zのそれは勢いをいっそう加速させる。ダブルエンジン搭載、無敵のロックアンサンブルに引き回されるこの快感がVAMPSだ。

しかし、この日のハイライトはやはりライヴ初披露となった「THE JOLLY ROGER」に違いなかった。ギターを外したHYDEが天井高く突き上げるマイクスタンドはスカルモチーフの布が括りつけられ、まるで海賊旗のごとく彼の動きに合わせてひらりとはためく。開演前にたっぷりと予習できた成果だろう、からりと乾いたアッパーなハードロックサウンド、洋々と渡るHYDEの歌にオーディエンスのコーラスが絶妙に馴染んで楽曲の世界観をさらに高みへと押し上げていく様は、志という大きな旗のもとに集った仲間たちが一艘の船を操舵して未知の世界へと漕ぎ出さんとする、まさにその瞬間を、そうして拓かれるだろう前途を、世界に轟くVAMPSの未来をリアルにイメージさせた。

「サンキュー、またあとで」

ラストを飾った「SEX BLOOD ROCK N'ROLL」、その狂騒の果てにHYDEはいつもとは違うひと言を放ってステージを去った。ここからは「THE JOLLY ROGER」のMVシューティングだ。どういった編集がなされるのか現段階では不明のため、内容の詳細に関してはあまり触れずに置くこととするが、現場で起こった出来事として特筆するならば、演奏がスタートするなりHYDEが客席にダイヴしたこと、そうして水面に浮かぶみたいにオーディエンスの手に身を委ねたまま、ほぼフルコーラスを歌いきったことだろうか。その態勢で歌いきれるHYDEもHYDEだが、それを支え続けたオーディエンスもオーディエンスだ。VAMPSとファンの間に結ばれた固い絆、揺るぎなき信頼関係がなければなし得ない、まさに結束の証だとその光景に思った。

ライヴシーンをMVに使用すること自体はそう珍しくはない。しかしVAMPSが今、あえてその手法を選んだのはおそらく彼らが心からファンの存在を誇りとしているからだ。馴れ合いや予定調和では決して生まれないガチンコの熱狂、それがなければVAMPSのライヴは成り立たないとまで彼らに言わしめる純粋無垢なファンのエネルギーをパッケージすることで楽曲にさらなる推進力が備わる、そんな気もする。

その後、改めて1曲をフルサイズで演奏、肩車やダイヴで盛り上がる客席の様子もしっかりとムービーカメラに収められた。

「どうもありがとう。みんなのおかげでいい映像が撮れたと思うんで、仕上がりを楽しみにしててください。いい曲でしょ? じゃあ気をつけてね。また会おう」

短い逢瀬ではあったが彼らの内には<DOWNLOAD FESTIVAL>へと臨むパワーも存分に充填されたはずだ。

イギリス、アメリカをはじめ、日本を含む世界8ヵ国ですでに配信がスタートした「THE JOLLY ROGER」だが、完成したMVも合わせて今後、どのような展開が用意されているのか。また8月23日および24日にはVAMPS恒例、夏の野外イベント<BEAST PARTY>の開催も決定した。縦横無尽なVAMPSの活動にますます期待が募るばかりだ。

取材・文◎本間夕子 撮影◎田中和子

■<VAMPS LIVE 2014: LONDON PRE-LIVE>
2014年6月6日(金) ZEPP TOKYOセットリスト
1. REVOLUTION II
2. DEVIL SIDE
3. REPLAY
4. HUNTING
5. WORLD’S END
6. THE JOLLY ROGER (新曲)
7. SEX BLOOD ROCK N’ ROLL
※1回目 OPEN16:00/START17:00(SHOW TIME 60min)
※2回目 OPEN18:45/START19:30(SHOW TIME 60min)




■ 映像作品『VAMPS LIVE 2014: LONDON』
6月25日(水)発売
【通常盤A:Blu-ray 】\7,500(税抜)/¥8,100(税込) デジパック仕様
【通常盤A:2DVD】 \6,400(税抜)/¥6,912(税込) デジパック仕様
DISC1 VAMPS LIVE 2014: LONDON
DISC2 VAMPS LIVE 2013 WORLD TOUR DOCUMENTARY
※Blu-rayは1枚に収録。
【通常盤B:Blu-ray】\7,500(税抜)/¥8,100(税込) デジパック仕様
【通常盤B:2DVD】\6,400(税抜)/¥6,912(税込) デジパック仕様
DISC1 VAMPS LIVE 2014: LONDON
DISC2 VAMPS LIVE 2013 JAPAN TOUR DOCUMENTARY
※Blu-rayは1枚に収録。
※上記各商品1枚に対して1つのVAMPS CHANCE応募シリアルナンバーが封入されております。
<収録予定曲>
「WORLD'S END」「REPLAY」「SEX BLOOD ROCK N' ROLL」「DEVIL SIDE」「ANGEL TRIP」「LOVE ADDICT」「MEMORIES」and more

■<ユニカビジョンVAMPS特集番組>
6月19日(木)-6月29日(日)まで
東京都新宿区新宿3-23-7ユニカビル
10時 12時 14時 16時 18時 20時 ※各約18分間
※時間は、予告なく変更になる場合がございます。
http://www.yunikavision.jp/
[放送予定曲目]
「VAMPS LIVE 2014: LONDON」Blu-rayより
1.WORLD'S END
2.REPLAY
3.REVOLUTION
4.MEMORIES
※すべてライブ映像フルバージョンになります。

■新曲「THE JOLLY ROGER」
絶賛配信中
レコチョク:http://recochoku.jp/song/S1000327654/ 
iTunes store: https://itunes.apple.com/jp/album/id880049031?ign-mpt=uo%3D4

■夏の野外イベント<VAMPS LIVE 2014 BEAST PARTY>
2014年8月23日(土)・24日(日)
会場 新潟県国営越後丘陵公園野外特設ステージ
開場 16:00 / 開演 17:30 / 終演 20:30予定 休憩エリア 10:00~21:00
席種 スタンディングブロック指定
前売り 8,000円(税別) 当日券 8,500円(税別)
※6歳未満無料(チケットをお持ちの保護者1名につき同伴で1名まで)、6歳以上有料

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