Gibson Brands初のショールーム発表会詳細レポ、山崎まさよしがトーク&レコーディング

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楽器メーカーのGibson Brands, Inc.が、世界初の一般向けショールーム「Gibson Brands Showroom TOKYO」を、7月2日に東京・八重洲にオープンした。7月1日にお届けした速報に続き、山崎まさよしが登場した発表会の模様と、ショールームの詳細をレポートする。


▲レスポールの巨大レプリカが設置されたショールーム外観(左)と、発表会に登場したオンキヨーの中野宏氏、MCを務めたクリス・ペプラー、スペシャルゲストの山崎まさよし、ティアックの英祐治氏。

「Gibson Brands Showroom TOKYO」は、今年、創業120周年を迎えるGibson Brands, Inc.が、ファミリーブランドであるギブソン、ティアック、オンキヨー3社のコラボレーションによりオープンしたショールーム。ギブソンのギターで「弾いて」、ティアックの録音技術で「録って」、オンキヨーのオーディオで「聴く」という、他にはないプレミアムな「音と音楽」の体験を提供する。


▲ビデオメッセージで登場のGibson Brands会長兼CEOのヘンリー・ジャスキヴィッツ氏と、挨拶に登壇したティアックの英祐治氏、オンキヨーの中野宏氏。

ショールーム公開の前日である7月1日に行われた発表会は、MCにクリス・ペプラーを迎え、3社のコラボレーションを体現したイメージビデオ「Play. Record. Listen.」の上映でスタート。その後、Gibson Brands会長兼CEOのヘンリー・ジャスキヴィッツ氏が映像で登場。「3ブランドのコラボレーションにより、音楽をさまざまな角度で表現することができるようになりました」「ここでは、ギターを弾いて、サウンドルームで録って、ゆっくり座ってハイレゾで聴くことで、多くのインスピレーションを得ることができます」「ここに訪れていただければ、インスパイアされ、人生を豊かにしてくれる感覚を感じ、歓びを味わっていただけるでしょう」とメッセージ。

続いて、ティアック代表取締役社長の英祐治氏とオンキヨー代表取締役副社長の中野宏氏が二人揃って登場。ティアックの英氏は、「この空間は一般の方にも公開するということで、自由な空間を目指して」いると説明、「気軽に足を運んで、ギブソン、ティアック、オンキヨーが目指す世界観を共有していただければ」とコメント。オンキヨーの中野氏は、同社のグループ会社e-onkyo musicで先月から配信開始された山崎まさよしのライブ演奏に触れ、ファンだけでなく一般のユーザーからの反響も大きいことを紹介。「その山崎さんのライブ演奏を聴きながら、また、ここで録ったハイレゾの音を期間限定ではありますが、この場で聞いていただけるようなシステムも1階に用意されておりますので、ぜひその音を楽しんでいただけたら」と語った。

そして、Gibsonのギターを愛用する松本孝弘、奥田民生、斉藤和義からのお祝いのビデオメッセージ上映で前半が終了。いよいよスペシャルゲストの山崎まさよしの登場だ。

■山崎まさよしがギターや「録る」「聴く」についてトーク


▲クリス・ペプラーと山崎まさよしが、ギターについて興味深いトークを展開。

山崎まさよしは、Gibsonのギターを愛用していることで知られるが、e-onkyo musicで配信されているライブのハイレゾ音源配信がティアックとオンキヨーのコラボレーションで実現したこともあり、今回のショールームを立ち上げた3社とゆかりがあるアーティストでもある。

「こういうところに呼んでいただいたんですけど、ちょっと場馴れしません」と笑いつつクリス・ペプラーとのトークがスタート。Gibsonギターのよさについて「僕が最初にGibsonを持ったのは、J-45というアコースティックのギターだったんですけど、その当時、いろんなメーカーのギターを触らしてもらったりして、自分のギターを選んだんです。その時にですね、一番音が大きい気がしたんですよ、前に出るというか……。アコースティックだから、電気が通っていないので木の出来事なんですけれども。すごく、ガッツがあるというイメージですね。レスポールとかもすごくパワーがある。そういう魅力がある気がするんですけどね」「どっちかというと、Gibsonのギターってのは真ん中に魅力があるんですね。ミッドレンジのところが、すごく魅力があるギター」とコメント。

Gibsonとの出会いは19歳か20歳の頃。「当時やっぱり高くてね。なかなかお金のない若い時は、持てるブランドではなかったんです。それでも無理してローンで、一番最初にそのGibsonの45を」「だんだん遡っていくと、Lシリーズ、昔のロバート・ジョンソンとかが使っている、そういうギターに行き着いて。わざわざアメリカに行った時に見つけて帰ってきたりとか……」と、振り返る。「レスポールに関して言うと、ロックの歴史というか、ジミー・ペイジから、ブラックのカスタムとか……、ロックのイメージ。ロックキッズがやっぱり憧れるギターじゃないですかね」とも。

ブルースにとりつかれたのは?という質問には、「まず、ギターミュージックっていうのが1つありました。やっぱり主要となる楽器がギターで、1人で音楽やるっていうのに非常に適していたんですよね、ギターという楽器が。どこでも持ち運べますし。それこそ、マイクがあればライブもできる。そういう環境でしたし」。

続いてトークのテーマは、ショールームのキーワードである「弾いて、録って、聴く」へ。まずは“録る”ことへのこだわり。「レコーディングするにあたっては、録り音のクオリティは、責任持ちたいんです。こだわりとしては、ほんとにその場で聞こえている音をキャッチしたい。マイクやプリアンプには、ある程度こだわって集めたていたりもします。歌うマイクとか、ギターを録るマイクだったりとか」。

逆に“聴く”については「あんまり、そこまでは整ってないですね」との答え。「もちろん、いい音で聴きたいんですが、スタジオのコントロールルームとかが一番聴く環境としては(整っている)」とのこと。聴く時の環境は「普通」としながらも「聴くのにあまり場所を選びたくない。実は、けっこうここは重要なんじゃないかなと思うんですよね」と続ける。

「音を聴く機材が、もっといろんな人に、どんな場所でも提供できるようなものまで広がっていったらステキだなと思うんです。たとえば、カーステレオとかお店のスピーカーとか。今は音楽をヘッドフォンをつけて楽しむ。ヘッドフォンも性能が上がってきて、なんか他人とのやりとりがなくなっちゃってるんですが、もっと広がっていったら、もっとステキなことになるのかなあと漠然と思ってるんです」。クリス・ペプラーの「ヘッドフォンで音楽を楽しむのも1つだけど、ほかのことができない、会話ができないですよね」との言葉には「『これ誰の曲?』とか、『これなに?』『このリフがいいんだよね』って盛り上がるとか。そうなっていけばいいなと思っています」と答え、トークは終了した。

■山崎まさよしが生演奏を披露、レコーディング&試聴をその場で実践

そして、いよいよ山崎まさよしの生演奏。発表会のコンセプトである「弾いて、録って、聴く」を体験できる場面だ。ティアックのステレオマスターレコーダー「TASCAM DA-3000」でハイレゾレコーディングし、オンキヨーのハイレゾ対応オーディオシステム「Reference Hi-Fi」シリーズのプリアンプ「P-3000R(S)」とパワーアンプ「M-5000R(S)」、世界初のギターアコースティックスピーカー「D-TK10」で再生が行われた。


▲レコーディング前に5本のマイクをセッティング。録音機材は写真右のTASCAMのレコーダーが使用される。

5本のマイクを使用し、その場の空気も捉えようというレコーディングでは、音の出るカメラのシャッターも不可という状態。山崎まさよしがボトルネック奏法も交え、ブルージーなフレーズを弾くと、来場の関係者は静かにしなかればと息をのみつつも、うっとり。


▲レコーディング中。

演奏については山崎まさよしは「単なる手クセです」と笑わせつつ、昔のブルースでよくあるフレーズであることや「ロバート・ジョンソンがこのギターを使ってて。同じものを見つけたんで。もうおじいちゃんもいいとこです」とギターについても解説。「Gibsonのロゴがまだ『The Gibson』!って。昔は『The』が付いてたんですね」とし、ギターはおいくつ?という質問には「おそらくですね、戦前なんで、もうかなりお年をめしてらっしゃる。100歳近いかもしれない」「今日ちょっと、自慢するために」持ってきたとさらに笑わせる。

レコーディング後は試聴タイム。流れてきた音はまさにさっきまで目の前で演奏されていたものと同じ。会場からは大きな拍手が。思わず「すごい!」と声をもらしたクリス・ペプラーが「スライドがネックを走る音とか、すごいシズル感ですよね。鳥肌が立つ臨場感」と続けると、山崎まさよしが「このスピーカーも、ちゃんと後ろがアーチになってて、下がドンと出るようになってるんですね」と、再生に使われたギターアコースティックスピーカーに興味を持った様子。クリス・ペプラーからはアコースティックギターと同じ材質が使われ、同じようなカーブが音場を作り出し、音を再現すると説明された。


▲発表会で、再生に使われたオンキヨーのオーディオシステム(写真左)と、録音に使われたティアック/TASCAM製品(中、右)。発表会終了と同時にチェックのうえ、1階のシステムで試聴できるようセッティングされた。

今回レコーディングされた楽曲は、7月31日までの限定で「Gibson Brands Showroom TOKYO」の1階で聴くことができる。

■ギターが弾けて、録音もリスニングも楽しめるショールーム

レポート最後は「Gibson Brands Showroom TOKYO」の見どころを紹介する。ショールームは2階で構成。各階とも多くの楽器、機材が並び、リラックスして音楽が楽しめる趣向が凝らされている。各エリアの概要は以下のとおり。

●1階エリア Premium Music Lounge

・BREAK SPACEオンキヨーグループが運営する配信サイト「e-onkyo music」で配信を行っているハイレゾ音源をBGMに、コーヒーを飲んでくつろげるスペース。

・LIVING THEATER AREA
家庭のリビングを想定したアットホームな雰囲気で、迫力の映像と音楽を楽しめる。オンキヨー小型シネマパッケージ「BASE-V50」を中心に、シンプルなホームシアターを提案。本物のギターを接続して楽しみながらギターが練習できるユービーアイソフトのプレイステーション3用ゲームソフト「ロックスミス2014」体験コーナーも。

・HEADPHONE LISTENING AREA
オンキヨーのヘッドホンやイヤホンで気軽に音楽試聴。手持ちのプレーヤーでの試聴はもちろん、TEACのポータブルヘッドホンアンプや据え置き型のヘッドホンアンプと組み合わせた試聴もOK。ハイレゾ音源を使用することでワンランク上のリスニングスタイルを提案。


▲いたるところにサイン入りなどレアなギターが壁にかけられた1階は、ハイレゾ音源をBGMにコーヒーを飲んでくつろげるスペース。


▲オンキヨー、ティアックのハイレゾ対応プレーヤー、ヘッドフォンやイヤフォン、ポータブルヘッドフォンアンプなど多数のリスニング機材を用意。


▲「ロックスミス2014」体験コーナー(左)、ホームシアターシステム(中)など、リビングを想定した環境を提案するスペース。右の写真はカウンターにあったティアックのオープンリールレコーダー。


●2階エリア Premium Sound Lab

・GUITAR PLAY ZONE
Gibson/Epiphoneの各種最新モデルの試奏が楽しめるギタリスト必見のコーナー。Gibson Custom Shop、Gibson USA、Gibson Acoustic、Epiphoneなど約70 本のギターが並ぶギターウォールから好きなギターを選んで、TASCAM ギタートレーナー「GB-10」とオンキヨーヘッドホンで思う存分プレイを楽しめる。

・EVENT/EXHIBITION SPACE
イベントやライブ、試聴会などさまざまな音楽イベントを実施。特別展示スペースとしても活用する予定。今回、発表会が行われたのもここ。

・SOUND ROOM
ギブソン ギターをアンプにつなげて迫力の演奏、TASCAMのDA-3000を使った本格ハイレゾ録音から簡易録音まで可能なレコーディング、DAWソフトSONARを使用した音楽制作、7.1chのKRK モニタースピーカーを完備した究極のサラウンドも体験可能。

・STANTON DJ Booth
Stanton製の最新DJ機器を配置したクールなDJブースでDJ体験ができる。

・JOYSOUND Play Zone
本物のエレキギターを接続して楽しめるJOYSOUND のカラオケ機器「JOYSOUND f1」を設置。


▲2階はちょっと照明が落とされ、明るい1階とはぐっと違った雰囲気。多くのギター、ベースが並び、試奏が可能。壁には松本孝弘、斉藤和義の使用ギターのディスプレイも。


▲ギターの試奏スペースにはベンチがあり、TASCAM ギタートレーナー「GB-10」とオンキヨーヘッドホンで周りを気にせずプレイ可能(写真右下)。


▲本物のエレキギターを接続して楽しめるJOYSOUNDのカラオケ機器(左)の奥に見えるのがSOUND ROOM。録音・音楽製作環境を完備、アンプを使ったギターレコーディングももちろんOK(中、右)。


▲2階の階段付近にはStantonのDJ機器によるブースも用意(左)。写真右はショールーム内の壁に書かれたアーティストのサイン。誰のサインがあるか、どこにあるかは行ってからのお楽しみ。



<Gibson Brands Showroom TOKYO 概要>
一般オープン:2014年7月2日 (水)
住所:東京都中央区八重洲2-3-12 オンキヨー八重洲ビル 1F・2F
(JR 東京駅 / 地下鉄銀座線京橋駅より徒歩約5分)
営業時間:10:00-18:00
定休日:日曜・祝日・土曜日・指定休業日

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◆BARKS タスカムチャンネル
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